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同性から見た能年玲奈とは 女性からも支持を得る強み

2013年はNHK連続テレビ小説『あまちゃん』が大ブームとなり、2014年は映画『ホットロード』が興行収入24億超の大ヒット。出演作を絞りながらも、確実に快進撃を続ける女優・能年玲奈の最新作『海月姫』が、世の中の視線を集めながら今週末27日より公開される。そこで、一部女性からは敬遠される向きもあるようだが、老若男女から愛される能年の魅力を紐解いてみる。

◆男性向けではない“カワイイ”

 メジャー作品の中心が似合うスター性を持つ彼女は、男性に「彼女にしたい」と望まれる身近な存在にとどまらず、老若男女、とくに女性の支持を集めているのが強み。その基盤となったのは、やはり『あまちゃん』だろう。本作での鮮烈な美少女ぶりはもちろん、時折見せる小動物や赤ちゃんのような表情には、年上世代の女性も頬をゆるめる魅力があった。そのまるで子役スターのような愛され方が、彼女を“国民的女優”といわれる存在に押し上げた。

 さらに『ホットロード』では、メインの客層である若い女性の好感度が上昇。それに加えて、原作ファンの30〜40代女性にも好評を得たことが、近年の恋愛映画ではトップクラスのヒットにつながった。

 バラエティやインタビューで見せる独特の“能年ワールド”にも、強烈に引き込まれる女性が多い。独創的なファッションや、絵を描いたり洋服を作ったりする彼女のアーティスティックな世界は、同性だからこそわかるセンスのよさ。ガイ・リッチーや京極夏彦、レディオヘッドなどカルチャーの好みもひねりが効いていて、独自の着眼点や感性豊かなトークにハッとさせられる。

 能年自身にも、女性に向けて自分の表現を発信する意識が垣間見える。2014年は“女の子の世界観”を表現したファンタジックな写真集『ぐりぐりぐるみ』を発売し、「女の子に色っぽさなんていらない。女の子のパワーには、もっと何ものにも動かされない強いものがある」と発言。彼女の持つ“カワイイ”が、単に男性向けのものではないと強く感じさせた。

◆プレッシャーから開放されることも必要…

 能年のフワフワしたマイペースなトークを、“天然”“ぶりっ子”と敬遠する女性もいる。だが、彼女が内面に秘めているものは、そういった評とはむしろ逆だ。空気に飲まれず自分の言葉で表現する真摯さ、バラエティでハジけるときの驚くべき度胸、共演者が口を揃えて証言する演技へのストイックさは、まさに“女優”。子役のような可憐さの裏に、女性が憧れるカッコイイ女性の芽を秘めているのだ。

 最新主演映画『海月姫』は、そんな能年の魅力が詰まった作品だ。演じるのは、「男を必要としない人生」をモットーに、オタク仲間の女性たちと男子禁制のアパートで暮らす“クラゲオタク”の月海。ふだんは内気で「渋谷が苦手」な少女だが、好きなことにだけ異様な集中力を発揮する姿は、どこか彼女自身にも重なる。劇中では、ほぼ三つ編みにスウェットのオタクファッションで、愛らしいコメディエンヌぶりを発揮。女性好みの世界観の作品だけに、さらに女性ファンが増える予感だ。

 キャリア的には、ヒット作が続いた後の勝負作。しかしながら、公開規模から見ても、『海月姫』(200スクリーン規模)は『ホットロード』(300スクリーン規模)ほどの大ヒットは見込めないかもしれない。だが、今後を考えれば、常にヒットを出し続けることへのプレッシャーから開放されることも必要だろう。能年らしい魅力が伸び伸びと映し出された本作は、彼女の代表作にして、新たな一歩になることは間違いない。

<『海月姫』予告編>SEKAI NO OWARIが主題歌書き下ろし!

海月姫

 とある古びたアパート、天水館。そこで暮らす倉下月海は、オタク女子友だちと共同生活を送っていた。「男を必要としない人生」を信条に、自らを“尼〜ず”と呼び、それぞれのオタク道を極めるゆるい毎日。
 そんな彼女たちの前に女装美男子・蔵之介と童貞エリート・修の兄弟が出現! 動揺する尼〜ずたちに、心のより所でもある聖地(=ボロアパート)が強奪の危機まで勃発。自分の大切なものを守るため、自分たちの居場所を守るため、尼〜ずと蔵之介はタッグを組み、最後の大勝負にうって出る――。

監督:川村泰祐
出演:能年玲奈 菅田将暉/池脇千鶴 太田莉菜 馬場園梓(アジアン) 篠原ともえ
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12月27日(土)全国公開
(C)2014『海月姫』製作委員会(C)東村アキコ/講談社

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