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同性から見た能年玲奈とは 女性からも支持を得る強み
◆男性向けではない“カワイイ”
さらに『ホットロード』では、メインの客層である若い女性の好感度が上昇。それに加えて、原作ファンの30〜40代女性にも好評を得たことが、近年の恋愛映画ではトップクラスのヒットにつながった。
バラエティやインタビューで見せる独特の“能年ワールド”にも、強烈に引き込まれる女性が多い。独創的なファッションや、絵を描いたり洋服を作ったりする彼女のアーティスティックな世界は、同性だからこそわかるセンスのよさ。ガイ・リッチーや京極夏彦、レディオヘッドなどカルチャーの好みもひねりが効いていて、独自の着眼点や感性豊かなトークにハッとさせられる。
能年自身にも、女性に向けて自分の表現を発信する意識が垣間見える。2014年は“女の子の世界観”を表現したファンタジックな写真集『ぐりぐりぐるみ』を発売し、「女の子に色っぽさなんていらない。女の子のパワーには、もっと何ものにも動かされない強いものがある」と発言。彼女の持つ“カワイイ”が、単に男性向けのものではないと強く感じさせた。
◆プレッシャーから開放されることも必要…
最新主演映画『海月姫』は、そんな能年の魅力が詰まった作品だ。演じるのは、「男を必要としない人生」をモットーに、オタク仲間の女性たちと男子禁制のアパートで暮らす“クラゲオタク”の月海。ふだんは内気で「渋谷が苦手」な少女だが、好きなことにだけ異様な集中力を発揮する姿は、どこか彼女自身にも重なる。劇中では、ほぼ三つ編みにスウェットのオタクファッションで、愛らしいコメディエンヌぶりを発揮。女性好みの世界観の作品だけに、さらに女性ファンが増える予感だ。
キャリア的には、ヒット作が続いた後の勝負作。しかしながら、公開規模から見ても、『海月姫』(200スクリーン規模)は『ホットロード』(300スクリーン規模)ほどの大ヒットは見込めないかもしれない。だが、今後を考えれば、常にヒットを出し続けることへのプレッシャーから開放されることも必要だろう。能年らしい魅力が伸び伸びと映し出された本作は、彼女の代表作にして、新たな一歩になることは間違いない。
<『海月姫』予告編>SEKAI NO OWARIが主題歌書き下ろし!
海月姫
そんな彼女たちの前に女装美男子・蔵之介と童貞エリート・修の兄弟が出現! 動揺する尼〜ずたちに、心のより所でもある聖地(=ボロアパート)が強奪の危機まで勃発。自分の大切なものを守るため、自分たちの居場所を守るため、尼〜ずと蔵之介はタッグを組み、最後の大勝負にうって出る――。
監督:川村泰祐
出演:能年玲奈 菅田将暉/池脇千鶴 太田莉菜 馬場園梓(アジアン) 篠原ともえ
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12月27日(土)全国公開
(C)2014『海月姫』製作委員会(C)東村アキコ/講談社