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「人より速く走ってゴールすることだけが幸せじゃない」ELT・伊藤一朗が明かす”優秀な凡人”のススメ

ELT・伊藤一朗

ELT・伊藤一朗

 ビジネス書を読めば「熱狂的に生きろ」と鞭を打たれ、SNSを覗けば友人の華々しい活躍が目に入る。人と比べ合うことなんて意味はないとわかってはいるけれど、自分にも何か特別なものがあるはずだと信じて、無理したり、すり減ったり、現代人の毎日は何かとお疲れだ。

 けれど、“いっくん”ことEvery Little Thing(以下、ELT)のギタリスト・伊藤一朗はそんな競争社会なんてどこ吹く風。ミリオンヒットを生み出し忙しかった時期も、バラエティで活躍する今の姿を見ても、常にマイペース。その秘訣は、どうやら持ち前の思考法にあるようだ。先日KADOKAWAより『ちょっとずつ、マイペース。』を上梓した“いっくん”に聞く、無理せず「優秀な凡人」になっていくための哲学とは。

モラルに反しないなら、もっと自分勝手になってもいい

 たとえば、目の前に横断歩道があるとしますよね。その信号が今まさに青から赤に変わろうとしている。それを見て、どうしますか?おそらく多くの人は、一生懸命走り出すわけですけど、僕は違うんです。「別に頑張って走らなくてもいいな」って。

 急がさなきゃいけない理由があるなら、それは先頭になる勢いで走りますよ。でも大抵のことは、そこまでの必要もない。だったら、しんどい思いをしてまで、無理に渡らなくてもいいじゃないかって。それを見て周囲の人は「マイペースだよね」と言いますが(笑)。

 周りが走っているからって、一緒に合わせても疲れませんか?もちろん、僕も普通の人間ですから、第三者のことがまったく気にならないかと言ったら、そうとも言い切れない。ただ気にしすぎると、本来の力を出せなかったり、行動に支障が出る。さじ加減をちょっとだけ意識して、「いつでも通常運転」っていうのが人間いちばんいいんじゃないかって思っています。

 日本は協調性を大事にする国だから、それこそ義務教育から周りと同じペースが求められますよね。給食だって、人が食べるスピードなんてバラバラなのに、みんな同じペースで食べなければいけない。そういう協調性も大事なところはあるんですけど、モラルに反しない範囲でなら、もっと自分勝手になってもいいと思いますよ

自分のペースを崩される方が不健康

 たぶん僕がマイペースでいられるのって、小さい頃の体験が大きかったのかも。育ったところが米軍基地のある横須賀で、文化も価値観も違う海外の人たちと接してきたんですけど、絶対に相容れないところがあるなと思った瞬間が何回かあって。それから、人がこちらの意に反したことをしても「そういうものなんだ」と気にしなくなりました。

 仕事で自分と同じ速度でできない人に対して「俺はできるのに何でできないの?」と思ってしまう気持ちはわかるし、「自分ならこうするのに、なぜあなたはしてくれないの?」ってカチンとくるのもしょうがないこと。でも、そういう小さいイライラに心を乱されて、自分のペースを崩されたら、そっちの方が不健康ですよね

 だからそんな場合、僕は「この人がどうなっても自分には関係ない」と、見切って話しかけない手段を取る。口で注意をする人って、他者に関心が強いってことから、いい人だと思うんですよ。「いい人そう」とか言われるけど、僕の方がよっぽど冷たいんじゃないかな(笑)。でも、心穏やかに生きていくためには、それぐらいがちょうどいいと思います。

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