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『スター・ウォーズ』インタビュー集
アンソニー・ダニエルズ
アンソニー・ダニエルズ
これだけ長いことやってきてものが、ついに終わるんだ。それは満足の行く終わりだろうか? これに関していえば、そうだ。
『フォースの覚醒』で、J.J.(エイブラムス監督)はすべてを再現していたんだが、C-3POの赤い腕を僕らは気に入らず、毎日のようにそれを伝えていた。そして彼は最後にゴールドの腕に戻してくれた。
『最後のジェダイ』のC-3POはだたの飾りみたいだった。そこにいるだけ。今回もそうだろうと思っていた。だが、そこは違ったんだよ。それ以上は言っちゃダメだね。ただ、これは言っておこう。C-3POというキャラクターを心から愛し、それを演じる僕としては、C-3POがこの映画を観に行ったら、すごく喜ぶと思うよ。ここまでにしておくよ。
――1977年公開の『スター・ウォーズ エピソード4/新たな希望』から『スカイウォーカーの夜明け』までの9作品すべてに出演するただ一人の存在ですね。この40数年間を振り返ってもらえますか?
アンソニー・ダニエルズ
(スカイウォーカー家の物語が)終わるということはわかっていたよ。皆さんもご存知の通り、僕はすべてのトリロジー(3部作)とその終わりに出てきた。事実、最初のトリロジーの最後に出た時は、これで全部終わりと思っていたんだよ(笑)。2つ目のトリロジーが終わった時も、これで終わりと思っていた。そして、また終わり。それは構わない。そんなふうに、ここまで少しずつ積み重ねてきたんだ。
エピソード4、つまり最初の『スター・ウォーズ』(77年公開)は、僕が出た最初の映画だった。撮影というのがどういうものか、僕はまるで知らなかったよ。僕がしょっちゅう宇宙船やら大道具などを触りに行くものだから、クルーは面白がっていたよ。
そこにあるものは全部偽物、全部マジックだ。ミレニアム・ファルコンだって半分しかない。残りの半分は壁に描かれた絵なんだよ。本当にマジックだと僕は思った。フィルムは、ロール1本で大体10分撮影できる。ある時、砂漠で撮影中、誰かがビスタビジョン・カメラを岩の上に落とした。みんな、(ショックで)沈黙したよ。あれは1台しかなかったからね。
その後、ビデオが出てきた。あの頃は、カメラマンだけがレンズを通してシーンを見ていて、ジョージ(・ルーカス)は「アクション」「カット」を言い、その後でカメラマンに(カメラを通して見たシーンは)「どうだった?」と聞いていた(編集部注:当時はモニターがなかったため)。それから2、3日後に、同じシーンをやり直しさせられることもあったよ。髪の毛が映像に入っていたという理由でね。僕は「いったい誰の髪の毛だよ?」と思ったものだ。古い映画では、画面の下のほうに何かちらつくことがあるが、それは髪だよ。
そして、今、『スカイウォーカーの夜明け』だ。今作のセットは本当に美しかった。ヨルダンの砂漠に行き、砂漠を平たくするようなことをやったんだよ。僕らが必要とすることができるよう、自然の形を変えさせたんだ。パインウッドスタジオ(イギリスのバッキンガムシャーにある映画スタジオ)でも、驚くべきセットが作られていた。
レジスタンスの基地とかね。岩も本物なら、植物も本物。それは役者にとってすごく手助けになるんだよ。想像しなくていいんだから。そうでなかったら、記憶したせりふを棒読みすることになってしまう。
僕らはフィルムで撮影したが、同時にデジタルでも撮っている。デジタルのいいところは、撮影中、ひとりの人だけじゃなくて、みんながスタジオ内にあるビッグスクリーンでシーンを見られること。今、撮影したばかりのシーンをすぐに見せてもらうこともできる。それを見て、「こんなにクローズアップで撮るなら、自分はもっとこうしたほうがいいな」と、次のテイクではやり方を変えたりすることができる。J.J.はそんな風にデジタルのいいところを使う。
それに、今作で波立つ海を僕らが見ているシーンがあるんだが、あれをイギリスで撮影した時、そこには家とかほかの物があった。ILM(米国の特殊効果及びVFXの制作会社)のチームが“あんな風”にしてくれたんだよ。僕らはそんな道のりをたどってきたんだ。一時はそこに飲み込まれたが、今はとても上手に使っているね。