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(更新: ORICON NEWS

泣きわめく子を“放置”する理由をカードに描いた作者語る「様々な事情の親子がいること知ってほしい」

 買い物先や交通機関など街中で見掛ける、泣き叫ぶ子どもを保護者があやすことなく放置している光景。「親はなぜ放っておくのだろう?」「育児放棄では…」そんな不満を感じる方もいるだろうが、「必ずしもそうとは限らない。事情がある親子もいるんです」と明かす、イラストレーターのたきれいさん(@kumokun8)。なぜ子どもを“放置”する必要があるのか。自身の実体験をもとにその“理由”を示したカードを考案し、Twitterで発信した。「クールダウンお知らせカード」と名付けられたそのカードについての投稿には、10.2万を越える“いいね”が。様々な反響を受けたなかで、あらたに感じたことを聞いた。

子どもがパニックを起こしたときの対処法として”クールダウン”がある

 たきれいさんはイラストレーターとして仕事をしながら、小学5年生、小学3年生、保育園年中の3人のお子さんを育てる母親だ。お子さんたちの発達には特性があり、子連れで出掛けた際にパニックを起こして大泣きしてしまうこともあったという。

「子どもの成長とともにパニックへの予防法、対処法を身に着けてきましたが、最初はなぜ泣いているのか分かりませんでした。子どもは自分の気持ちを説明するどころか、まだしゃべれない年齢です。逆効果になることも分からず、ただあやし続けていました。周囲からの目線は、かなり冷たいものでした」(たきれいさん、以下同)

 怖い、暑い、疲れた…子どもがパニックを起こすケースは様々だ。発達障害があると、眩しい、うるさいなどの感覚過敏も考えられ、パニックの頻度はさらに上がっていく。抱いたり、あやしたりすれば落ち着く子どももいるが、触られたり、目が合うだけで状況が悪化する子もいる。だからこそ「あなたのことは見ていない」とあえて関心がないふりをして、子どもを落ち着かせようと試みているケースも考えられるのだ。

「パニックが起きると、落ち着くまで子どもをクールダウンさせる。でも、それを育児放棄と誤解されてしまうこともある。その誤解を解きたいと、『クールダウンお知らせカード』を作ったんです」

「こういう状況の親子がいると、知ってもらえるだけでありがたいんです」

 『クールダウンお知らせカード』の投稿には、6万のリツイート、10.3万のいいねが。SNSでは「これを読むまで『クールダウンさせるために、わざと放っておいてる』という知識も想像力がありませんでした」、「発達障害のない子どもでも、『騒いでも相手にされない』『大騒ぎしても親は思い通りに動かない』とわからせることが、認知行動の観点では大切」、「周りの目に苦しまず育児のできる社会になっていくといいですよね」などたくさんの反響が見られた。

 一方で「わざわざ人目につくところでする必要ある?」「子どもを叱らない理由を正当化しないで」という声も。様々な反響を受けて、たきれいさんはどんなことを感じたのか。

「今回投稿してみて、色々なご意見があると感じました。周囲の人が子どもの泣き声を我慢するべきとは思いません。迷惑をおかけしていることは分かっています。ただ、理解までしてもらわなくても、こういう状況の親子がいて、最短でパニックを鎮めるためにクールダウンをしていることを知ってもらえるだけでもありがたいんです」

「子どもたち全員が配慮を受けて学べる小中学校にしていきたい」

 『クールダウンお知らせカード』の他にも、自身の子育て経験やイラストデザインの知見を活かして、子育てを支援する幅広いコンテンツを発信しているたきれいさん。現在力を入れているのは、障害のあるなしに関わらず、子どもたち一人ひとりが各々に合った配慮を受けて教育を受けることができる“インクルーシブ教育”を推進していくことだという。

「文部科学省はこの“インクルーシブ教育”を推進していますが、教育現場ではなかなか環境整備が追い付かない状況です。不登校の生徒は教職員不足のため、別室登校も保健室登校もできない。でも一人一人に必要な配慮が行き届けば、いじめや不登校は減らすことができるんです。

 いじめ・不登校に対応できる学校へ、障害の有無に関係なく全員が配慮を受けて学べる小中学校になってほしい。夏休み明けに自分で人生を終わらせてしまう子どもが多い異常な世の中を変えていかなければなりません。インクルーシブ教育のための環境整備と、必要予算の確保を文部科学省へ希望するため、インターネットでの署名に挑戦しています。少しでも協力してくれる仲間の元に届いてほしい。これからも、必要なことを精一杯やっていきたいですね」
たきれい(子育て模索アカウント @kumokun8(外部サイト)
【たきれいさんが発信しているキャンペーンはこちら】
いじめ・不登校に対応できる学校へ!障害の有無に関係なく全員が配慮を受けて学べる小中学校にしたい!(外部サイト)

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