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芸能人の進出加速するも、知名度通用しないタレントYouTuberの壁
所ジョージ・草なぎ剛も苦戦、知名度に比例しない再生回数
たしかに8.6秒バズーカーは「ラッスンゴレライ」の動画がブレイクのきっかけとなったし、「PERFECT HUMAN」のライブ動画が話題になると、オリエンタルラジオが『MUSIC STATION』(テレビ朝日系)への出演を果たすなど、“ウィンウィン”な時代のようにも思える。しかし、「ラッスンゴレライ」がバズったのはすでに4年前。それからYouTubeとテレビの二刀流タレントが続々と出てくると思われたが、その流れはいまだ来ていない。
所ジョージは6年前からギターの弾き語り動画などを更新しているが、国民的大物タレントにしてチャンネル登録者数は13万程度。元SMAPの草なぎ剛でも、チャンネル登録者数90万を超えてはいるものの、最近の動画は再生回数が10万回を切ることもある。本人も、動画内で「最近、俺がやっていることにみんな慣れちゃってね、視聴回数ちょっと減ってきちゃって」と嘆いている。
今やテレビ界では安定した人気を誇る博多華丸・大吉でさえ、チャンネル登録者数は5万ほどで、4年前から更新が止まっている。ねづっち、ひょっこりはん、小島よしおなどは再生回数が1万にも満たないこともしばしば。スギちゃんも約1年間更新を続けてきたが、チャンネル登録者数は1万に達せず、5月にひっそりチャンネルを閉鎖していたりする。
あくまで趣味レベルで動画をアップしている芸能人もいれば、“駆け込み寺”として心機一転をかける芸人もいるだろうが、YouTubeは知名度だけでは勝負できない場であることがうかがえるのだ。
タレントYouTuber成功の秘訣は“ギャップ”と“リアル”
この4人の動画に共通しているのは、ただただ全力で好きなことをやっている感が伝わってくる点だ。そのせいか、批判の理由にもなりがちな「YouTubeを軽く見ている」といったイメージもなく、さらにテレビでは見られない何かしらの“ギャップ”が垣間見えることも、視聴者の興味につながっているようだ。
ゲーム実況動画を公開している女優・本田翼は、「今まで遠い存在だった超有名芸能人がゲームしてる姿を気軽に見れるなんていい時代だね」、「本当に好きでゲームやってる感がある」、「芸能人感が全然なくて見てて不快感がない」などのコメントが寄せられ、わずか2回の配信でチャンネル登録数が100万を超えた。
キングコング・梶原は、トーク動画が多いことから「テレビでもできることをやっている」と揶揄されることもあったが、内容は“地上波テレビでは今やらないであろうこと”をコンセプトとしており、本人も話しているように、ひな壇ありきの今のバラエティ番組の形では自分を活かせず終わってしまっていたところ、YouTubeでは持ち味をきちんと発揮している。
相方の西野亮廣も、梶原は「大勢のタレントがいる場に放り込んじゃダメなタレント。主役にしてしまえば絶対に面白くなる」と確信していたと語っており、YouTubeでの梶原の面白さを絶賛している。ある意味で、梶原はテレビよりYouTubeのほうが合っていたのかもしれない。
“リアルさ”でいっても、梶原はジャージ姿で登場して妻や子どもも公開しているし、本田翼は女優でありながら一切顔を出さずにひたすらゲーム実況をしている点も支持されている。