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芸能人の進出加速するも、知名度通用しないタレントYouTuberの壁

テレビとYouTubeは別メディア、そもそも求められる人材が異なるという“壁”

 オリエンタルラジオ・中田敦彦は、YouTubeとテレビを完全に別メディアとして捉えているようだ。自身も歴史を学べる動画で着々とYouTube人気を伸ばしているが、「YouTuberがテレビを席巻することもないだろうし、テレビタレントがYouTuberとしてブレイクすることも、多分厳しい」(『リアルサウンド テック』2019年4月14日付けより)と語っている。
 実際、大食い系人気YouTuber・木下ゆうかは、台本に沿って話さなければいけないことに窮屈さを感じ、テレビへの出演依頼を断っていたことを明かしている。梶原やゴー☆ジャスにしてもテレビ出演も増やしていきたいと話しているものの、実際のところそこまでこだわっておらず、自らYouTube を主軸として舵を切っているようにも見える。

 同じ動画メディアでも、テレビとYouTubeでは求められる人材やコンテンツが乖離しており、今やそれぞれが別フィールドとして確立してしまっているのだ。タレントのカリスマ性や、お決まりのパターンで全体の流れを組んだ“予定調和”を楽しむのがテレビだとすれば、素人感や予想外のハプニングなど、生活感あふれるリアルな絵面も楽しむのがYouTubeだと言えるかもしれない。

どちらも生半可な覚悟では成功できない高度メディア、求められる本気度

 ウッチャンナンチャン・内村光良にしても、自分がYouTuberになるなら全レギュラーを降りるぐらいの覚悟が必要だと語っている。
 実際、キングコング・梶原はYouTubeを始める前は10カ月間、毎日YouTubeを見て研究し、配信後も分析を続け、睡眠時間は2時間ほどだという。長らく“テレビの人”だった梶原にしてみれば、そこまでしてやっとYouTubeの型やニーズをとらえることができ、自分の持ち味を“YouTubeナイズ”させることに成功したのであろう。

 かつてのブログからInstagram、TwitterなどのSNSを通じて一般層との距離を近づけ、それを仕事にも結びつけることも必要になってきた芸能人たち。しかし、YouTubeもその延長線上にあるにすぎないとナメていると、手痛い失敗をすることもある。また、逆にYouTube自体も配信利益の率が変わるなどして、かつての盛り上がりに比べると下火になってきており、YouTuberにしても結局は「素人っぽさが抜けない」としてテレビ進出も足踏み状態のようである。
 テレビとYouTube、ここにきて双方ともに生半可な覚悟では成功できない高度なメディアであることが、あらためて認識される時代になった。本当の意味での「二刀流タレント」が登場する日は、まだまだ先のことなのかもしれない。

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