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“田んぼアート”発祥の地が語る田舎の底力…人口8000人弱の村に見物客20万人超え

 黄稲や紫稲などの古代米を使って色も表現し、田んぼをキャンバスに見立てて巨大な絵が描かれる“田んぼアート”。いまや全国100か所以上、海外でも作られており、その先駆けと言われる青森県田舎館村には、人口8000人弱をはるかに上回る年間20万人以上の見物客が訪れる。27回目となる今年も無事に稲が育ち、まもなくアートの見頃を迎えようとしている。田舎館村企画観光課の鈴木徹さんに田んぼアートの楽しみ方を聞いた。

田んぼアートの進化が止まらない、今年のテーマはインバウンド意識した「おしん」

――稲でお絵描きとは斬新な発想ですよね。
鈴木徹さん元々田舎館村では黄色や紫色の古代米を小学校の授業の一環で育て、稲作文化への理解を深める機会としていました。ただ植えるだけでなく色の違う稲で簡単な絵を描いたら面白いのではないか、という村職員からの発案があり、村おこしの一環として1993年に田んぼアートが始まりました。

――第1回から随分規模も広がり、クオリティも年々上がっているようですね。
鈴木徹さん今では測量作業で1万以上のポイントを測っています。田植え直後は絵柄がはっきり見えないので、稲の色が濃くなってくるまではうまく描けたかわからないところが毎年どきどきしています。
――緑だけでなく、色のバリエーションも増えていますよね。
鈴木徹さん黄、紫、濃緑の3種は村内で元々栽培されていた古代米を使っていて、白、赤、オレンジ等は隣の黒石市にある(地独)青森県産業技術センターで開発された品種を使用しています。

――田んぼアートが有名になり、村に何か変化はありましたか。
鈴木徹さん県外の人に対して「田舎館村」という名前でピンと来なくても、「田んぼアートの…」と言うとわかってもらえることが増えました。これからもより良い作品を作り、「田舎館村」の名前だけで「田んぼアートの村」を連想してもらえるようになりたいです。
田舎館村の田んぼアートは世界からも注目されている。今年のテーマは、NHK連続テレビ小説『おしん』。海外でも放送されアジア圏で人気のある名作の、“おしんが奉公のため両親の元を離れる”場面を描いた。
――なぜ『おしん』なのですか。
鈴木徹さん長年田んぼアートを見に来てくれている方の中には当時テレビで見ていた年代も多く、また最近は海外からの観覧客も増えていることから、そうした方々にも楽しんでもらえる題材として選びました。

――名シーンを切り取る形で描かれていますね。
鈴木徹さんこれまでも実写作品を取り扱ったことはあったのですが、ポスターやDVDのパッケージのような一枚絵を描くばかりでした。ドラマの中の一瞬を切り取って描くことも、実在の人物の表情をここまで大きく描くことも初めての試みです。ここまで繊細な表現ができる技術は、まだ他のどこにも負けていない自信があります。

もはや田んぼアートなくして田舎館村語れない、“小さな村の大きな誇り”守っていきたい

――最近では全国各地で田んぼアートが作られるようになりましたもんね。
鈴木徹さん7年前に全国の事例発表や意見交換を行う「田んぼアートサミット」の第1回が田舎館で行われ、今では20以上の団体が参加するようになりました。どの地域も年々レベルが上がってきていることを感じる良い刺激の場となっています。田舎館村も田んぼアート発祥の地として追いつかれないように頑張っていきたいです。

――田んぼアートの見どころを教えてください。
鈴木徹さん稲が風に揺れる様子や周りの風景との取り合わせは、写真だけでは絶対にわからない臨場感や魅力があります。また、上からだけでなく田んぼの横を実際に歩いて、カラフルな稲を間近で見てほしいです。

――田んぼアートを通してどんなことを感じていただきたいですか。
鈴木徹さん稲だけで描く巨大な自然のアートに、ただただ圧倒されていただきたいです。また、田んぼアートを見るだけでなく、田植え体験ツアーや稲刈り体験ツアーにもぜひ参加し、“お米ができるまで”を知ってほしいです。裸足での田植えや、稲刈り後の棒掛けといった乾燥作業は、今では農家でもなかなか行う機会がない貴重な体験だと思います。
――田舎館村にとって、“田んぼアート”はどのような存在ですか。
鈴木徹さんそれまで何もない小さな村だった田舎館村に、全国で誇れるものができました。人口8000人足らずの村に毎年20万人以上が訪れるようになり、5年前には現在の上皇上皇后両陛下もご覧になられました。村の観光資源としてなくてはならない存在となっています。

――来年以降、どんな作品を作っていきたいですか。
鈴木徹さん全国各地で田んぼアートが見られるようになったからこそ、「田舎館村の田んぼアートは一味違う」と思わせられるような作品を作り続けていきたいです。絵柄の複雑さではなく、今年の『おしん』のように切り取ったシーンの感動を見る人に伝えられるような表現を目指したいと思います。
〜 田舎館村田んぼアートInformation 〜
見頃は7月中旬から8月中旬まで、
その後色合いを変えながら10月上旬まで観覧可能。
詳しくは、田舎館村公式HPにて。

■田舎館村展望台(第1田んぼアート)
青森市より車で約40分
弘南鉄道「田舎館駅」より車で約5分
JR「川部駅」より車で約10分

■弥生の里展望所(第2田んぼアート)
青森市より車で約40分
弘南鉄道「田んぼアート駅」より徒歩すぐ

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