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認知症の義父との生活を描く漫画に反響「介護の不安をユーモアでほぐしたい」

漫画を描くほどひろぽが好きになる、読者の介護の不安を少しでもほぐしたい

――SNSを通じてひろぽさんの漫画を発信することで、何か心境に変化はありましたでしょうか。
【三丁目いちこさん】始めた頃は素人の絵で、認知症が題材なので不快な思いをする方がいらっしゃるかもしれないという懸念もあり、恐る恐る描いていましたが、描いているうちにだんだん楽しくなってきました。介護は大変だったこともたくさんありましたが“大変”をあえて描かないことで、ますますひろぽが好きになっているように思います。

――やはり介護は“大変”なことも多かったですか。
【三丁目いちこさん】困ったことや嫌なことももちろんありましたし、荒んだ気持ちになって優しくできない時もありました。そんなある時から、ひろぽのことを記録してみようと思いました。観察し、性急な展開を求めず、何か起こるのでは、という一歩引いた気持ちで接してみました。すると不思議なことに、イライラすることが少なくなりました。一呼吸置いた対応をすると、何か解決の糸口が見つかるかもしれません。ひろぽの漫画で介護を不安に思っている方の気持ちが少しでもほぐれたらと思います。

――実際いま介護をしている方、したことがある方にも共感が広がっているようですね。
【三丁目いちこさん】ひろぽのことを見て、自分の両親や祖父母の事を思い出すというご意見はとても嬉しいです。「ひろぽに癒される」「ひろぽかわいい」などとおっしゃっていただけることも励みになります。私の描いていることは介護と言うには程遠い内容ですが、いま現在大変な思いをして介護をされていらっしゃる方からも、「励みになった」「参考になった」などおっしゃっていただけることもありますし、医療や介護のお仕事に従事されていらっしゃる方からもためになるご意見など頂くこともあり、本当にありがたく思います。
――外見でわからない病気などを持ち、援助や配慮が必要な人が身につける“ヘルプマーク”や、認知症を手助けできる人が持つブレスレット“オレンジリング”について伝える回は反響が大きかったようですね。
【三丁目いちこさん】認知症以外の病気を抱えたお子さんの保護者さんや障害を持たれている方の介助をされていらっしゃる方からの反響があり、見た目にはわからない病気や障害を持つ方の介助をされていらっしゃる方が、いかに常日頃から理解されない目を向けられているか痛感しました。認知症サポーター養成講座を受けたことをマンガでレポートした際には、「知らなかった」「講座を受けてみようと思う」「講座を受けました」等の反響があり、嬉しく思いました。

80歳以上の2人に1人が認知症の時代、内にこもらずどんどん外に助けを求めて

――漫画を通してどんなことを伝えていきたいですか。
【三丁目いちこさん】認知症に関して、こんなこともあるんだ、そんなことも症状なんだ、とわかっていただきたいと思って描いたものもあります。例えば、下記の回は怖いけど、怖くないからね、温かく見守ってね、という気持ちで描きました。今後も、ひろぽの想い出を通して認知症への理解を深めていただけるような内容を描きたいです。

――若い世代は特に、認知症は“他人事”、“遠い未来の話”と感じている人も多いかもしれませんね。
【三丁目いちこさん】80歳以上の2人に1人が認知症の時代が来ると先日の講座で聞きました。自分もいつかは、と思うと怖いし、なりたくないし、気をつけたいと思う反面、いったい何に気を付けたらいいのか、どうしたら認知症にならずに済むかもわからず、ただ不安になるばかりです。自分は関係ないと思わずに、認知症についての知識をたくさん持つことで、認知症と向き合うことができ、恐れや不安も少なくなると思います。そのようなことを発信していけたらいいなと思います。

――いま介護をしている方に伝えたいことはありますか。
【三丁目いちこさん】「自分だけでなんとかしようとせず、助けを求めてください」とお伝えしたいです。病院でも、介護施設でも、福祉施設でも、ご近所の方でも友人でも家族でも。悩みを相談することや、愚痴を言ったり話を聞いてもらうだけでも、気は晴れます。同じような境遇の方達でコミュニケーションを取り合っているグループもあります。内にこもらず、どんどん外に助けを求めに行ってほしいと思います。きっと助けてくれるところはあります。
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