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“カッパの赤ちゃん”に“動物人間”、造形作家が目指す「日常との違和感」

 小さいころから"見たことがない生き物に出会う"ことに強い憧れがあるという、かものはし(@kamonohashiz(外部サイト))さん。リアルな生き物の被り物と人間・自然を融合させた写真は独自の世界観を発揮しており、アジア圏だけでなくNYからも特注を受けている。「ただ作品を作るだけでなく、空間自体を演出したい」と語る、かものはしさんのこだわりを聞いた。

“架空の生物を作りたい”夢を追いかけ、ゼロからのスタート

――造形の仕事を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
【かものはしさん】もともとは一般の会社に勤めていたのですが、あまり週末が充実しているタイプではなかったので、「せめてワクワクできる仕事をしよう!」と転職を決意したときに、テレビCMなどの特殊造形を手がける会社の求人を見つけて「これだ!」と思ったのがきっかけです。当時は知識も経験もない未知の業界でしたが、ありがたいことに雇って頂きそこで経験を積みました。

――一念発起ですね。“かものはし”さんのお名前に込められた思いは何なのでしょうか。
【かものはしさん】かものはしは哺乳類なのにくちばしがあって、卵を産み、毒も持っているという不思議な動物です。私は幼い頃から、何かしらの方法で架空の生き物をつくりたいという願望があったのですが、かものはしは実在する生き物なのに架空の生き物のような特徴をもっていて、自分の活動における象徴のような存在だと思い名前を借りました。

――なぜ人間ではなく動物を作られているのでしょうか。
【かものはしさん】単純に動物好きというのもありますが、私が何かをつくる根源にある思いが、作品ではなく“生き物そのものをつくりたい”、理想を言えば“生命を新たに誕生させたい”というものなので、そもそも作品づくりのモチーフとして生き物を選んでいるという意識があまりありません。なので、自分の活動として人間をつくることはないだろうなと思います。もし作る場合は、人間に近い存在の何か、になる気がします。もちろん依頼があったり、息抜きなどではつくることもあると思いますが。
被り物のほかにも、“架空の生物・いそうでいない生物”などをテーマにした造形物も制作しているかものはしさん。カッパの赤ちゃんやタツノオトシゴに似た“ツチノオトシゴ”、“スズメバチの頭骨”などを投稿しているSNSには世界中からコメントが寄せられている。
――“いそうでいない生物”はどのようにデザインされていますでしょうか。
【かものはしさん】いろいろなところからアイディアを得ています。実際の生き物からだったり、生息地を基準に考えてみたり、壁の模様の形だったり、割れた岩の形だったり、人工物だったり、夢に出てきたり、などなど…。大事にしていること、実際に存在していそうなデザインであることです。何も知らずに観た人が、本当にいる生き物だと思ってくれたら嬉しいですね。なので、映画に出てくるクリーチャーのように、誇張しすぎてキャラクターっぽくならないよう気をつけています。

――人と動物を融合させているのにはどんな思いがありますでしょうか。
【かものはしさん】架空の生き物をつくることと根本の部分では繋がっている気がしますが、本来ありえない存在のものが自然と馴染んでそこにいる、という状況が好きなんだと思います。日常の風景に顔だけが動物の人がいる、という滑稽さがなんとも言えず好きです。これが例えば着ぐるみだったり、手まで動物のようだと途端にキャラクターになってしまって非日常になってしまう気がします。その絶妙なラインが動物のかぶりものなのかなと思っています。

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