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ORICON NEWS
SNSで”見守りマダム”続出、『特捜9』の救世主・山田裕貴の存在意義
SNSに集う“見守りたい勢” ツッコミどころとハラハラさせる言動に一喜一憂
『特捜9』として再スタートしてからも、お馴染みのメンバーが作り出す魅力は健在。だがそれだけでなく、新シリーズになってから特にSNSユーザーの熱視線が集中しているのが、若手刑事として新たにメンバーに加わった、山田裕貴演じる新藤亮。今どきの“ゆとり”であり、先走りがちで怒られてばかりの役どころに、登場当初から様々な年代の女性から「なんだか目が離せない」、「新たな若手キャラがいい味出してる」と話題に。そして今シーズンも、「成長が楽しみ♪」、「新藤可愛すぎん?」、「新藤くんのクソガキっぷりをみたくて特捜9をリピ中」「新藤ワンコが愛されてて嬉しい」などの実況が盛んになっている。
旧シリーズは12シーズン続いただけあり、予定調和も魅力となっていた本作。そこに「思い通りに動かない」新人が出現したことで、新たなジャンル“若手を見守るお姉様ユーザー”=“見守りマダム”が続出しているのだ。
9係ロス回避? 新人・山田が「渡瀬&井ノ原」コンビの継承とチームの絆に貢献
行動力はあるが先走りがちな新藤を時に叱りつつ、自分自身のやり方で真摯に捜査する背中を見せることで育てていく浅輪。そんな浅輪の姿から「加納イズムの継承」を実感することができるのだ。また、新藤に接する浅輪から加納の面影が感じられるのと同時に、時に反発し自由奔放に見える他のメンバーたちも自分勝手に動きがちな新藤をフォローする。それによって、チーム想いなメンバーたちの一面を見せる作用も。
つまり、新藤の存在が『9係』の面影や絆を引き出している場面が多々あり、意外と担っている役割は大きいのだ。渡瀬さんという大きな存在を失った今、山田演じる新藤という新たな若手の登場が“『9係』ロス”回避への重要なポジションとなっていたとも言える。そして、SNSで彼の成長を見守るユーザーが増えていることは、旧シリーズからのファンに加え、新たな視聴層が増えている印でもあり、ドラマの活性化にもつながっているのだ。
新藤役・山田裕貴、瀬戸康史や志尊淳らと並ぶD-BOYSの注目株が長寿ドラマに参入
そんな山田だが、長きに渡り愛されている人気シリーズに加わるのは不安だったと、シリーズ開始当時のインタビューでこう語っている。
「12年続いてきた番組に突然仲間入りするというのは、かなりプレッシャーでした。新藤というキャラクターも演じている山田裕貴も誰だ?って思った人がたくさんいたと思うんです。その中で、新藤をどれだけ魅力的なキャラクターにしていけるか、正直不安でした」(2018年/ORICON NEWSインタビュー)
しかし、「階級は巡査ですけど、警視庁捜査一課特別捜査班に配属されるということは、それなりのものを持っているのだと思う。刑事としてちゃんと一本筋が通っているってことが少しずつ見えてくると思うので、これからの新藤にも注目してほしい」(同上)と新藤のキャラクターについて考察し、真摯に役と向き合っていた山田。自身が「新藤のちょっと危なっかしい、先走ってしまいがちな若手刑事らしいところが、スパイスとして視聴者のみなさんをドキドキさせたり、ハラハラさせられたら」(同上)と語っていたように、『特捜9』で見事に新藤亮という新たなキャラクターを確立させ、さらにはSNSユーザーからその成長を“見守りたい存在”として人気を集めることとなった。また、トータルで14シリーズ続く人気作、そして老若男女に認知されるレギュラー作品の一員となったことは、山田にとっても今後の活動の幅を広げる大きな糧となるだろう。
長く続くシリーズ作品に大きなテコ入れをすることは、大きな賭けでもあり、浮き沈みが生まれることはよくある。人気シリーズ『9係』から『特捜9』へ変わる時に新人役の投入は大きな決断だったはずだ。結果として山田演じる新藤の存在が、旧シリーズの面影をいい形で引き出すと共に、“見守りマダム”を生み出してSNS時代にもマッチ。他のレギュラーメンバー同様、長く愛される存在として地固めができつつあるのではないだろうか。