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(更新: ORICON NEWS

原宿文化を世界に、アソビシステム代表取締役社長・中川悠介氏

――会社として12年目になりました。経営者として意識していることはありますか?
 「アソビシステム」は1つのブランドだと思っています。だからこそ、自分たちのブランドからぶれることはしない。何でもやること以上に、何でもやらないことを意識しています。アソビシステムがやる「意味」や「価値」を作っていかないと『ブランド』は確立できない。総合プロダクションを目指しているけど、自分たちの「カルチャーの軸」がちゃんと通っている。なぜそれをやるのか。なぜその仕事を受けるのか。僕たちは、「それをやる意味」「ストーリー」を大事にしています。うちの事務所にベテランの女優さんや演歌の大物歌手が移籍してきても絶対上手くいきません。自分たちがわかる範囲のことを大事にして、背伸びはしてはいけない。ちゃんと「ストーリー」がないとやってはいけないと思います。

――これからのテレビや雑誌、音楽業界に関してはどう思いますか?
 「テレビや雑誌が終わった。CDが終わった」と言われることもあるんですが、僕の中では、「1つのバブルが終わった」と思っています。100万枚売れていた時代は特殊な時代だったんです。昔みたいに、どの家でもテレビを見ている時代は終わりましたが、それでも多くの方が今もテレビを見ています。YouTubeやNetflixなどのネットコンテンツも豊富になって、新しいエンタメの楽しみ方が出て来ている。今はみんな目的意識が高いので、見に行く目的をちゃんと持っていますよね。色々と流れが変わってきている中で、昔と比べる意味はあんまりないのかなと。逆にこういう時代だからこそ、「リアルな場」が重要視されているというのは現場にいても感じます。「人」と「体験」はより大切になり、ライブ空間はどんどん盛り上がっていくと思います。

――ITが進んだことも大きいですね。
 VTuberの勢いはすごいですよね。エンタメとITはこれからどんどん繋がっていくと思いますし、そういった人たちと一緒に「エンタメ」をもっと明るくしていきたいと思っています。日本が作り出すエンタメは世界に負けない。車も家電も化粧品も「メイドインジャパン」の強さをどんどん世界に出していけると思っています。その中で『アソビシステム』だからこそ作れるもの、「新しく生まれるもの」や「カルチャー」をどんどん作っていきたいですね。

――会社として目標はありますか?
 よく言っているのですが、僕は「ゴール」を決めていなくて、ゴールを決めたらそれで終わりになってしまうと思っています。常にレールを延ばしながら生きている。なので、まだまだだと思っています。自分たちは芸能界をもっと盛り上げていきたい。先ほども言ったように、プラットフォームが色々と出ている中で、プラットフォームを超えるスターを作るということ。そこはしっかりとやっていきたいです。

――中川さんにとって、社員の方はどういう存在ですか?
 あまり「社員」として意識はしていないですね。学生時代からの仲間や、イベントを一緒に作ってきた仲間もいます。最近は新入社員が入社していますが、ほとんど繋がりがあった人間なので、サークルの延長線上のような、社員というか、仲間、家族みたいな感じです。会社が大きくなればなるほど、管理とかが難しくなるんですが、自分の目が行き届く範囲というか、無理な背伸びはしちゃいけないなと思っています。

――最後に、中川さんにとっての原動力を聞かせてください。
 「遊び」も「仕事」も、境目がなく日々過ごしてきました。人生ほぼ、そういう感じです。会社の事業をIPO(新規上場)やバイアウト(企業買収)したいとかではなく、自分たちがやっていることをやり続けていきたいなと。自分たちの「カルチャー」を創りたい。そう思って、ひたすら走り続けてきました。お店みたいな感覚ですよね。たくさん事業を手掛けていますが、自分たちがやりたいこと、やっている中で生まれてきたものが、今の形になっています。やっぱり大変なこともたくさんありましたけど、自分にしかできないことが、何かの「大きな価値」に繋がると、僕は信じています。

アソビシステム代表取締役社長・中川悠介氏(C)MusicVoice

アソビシステム代表取締役社長・中川悠介氏(C)MusicVoice

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『アソビシステム』という名前を聞くと、「原宿」というイメージが真っ先に浮かんでくる。それこそまさに、中川氏が作り上げてきた『ブランド力』であり、他にはない『大きな価値』になった。もうすでに11年も「社長」としてこのエンタメ業界の最前線で戦っている。今後、SNSの普及でさらに、たくさんのカルチャーがこの場所から生まれてくるだろう。「自分たちにしかできないこと」をやり続け、「原宿」から新しいものを作りだしてきた中川氏とアソビシステム株式会社。2020年にやってくる東京オリンピック・パラリンピックで、その存在価値はさらに大きくなるはずだ。

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