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タレントの“SNSをしない”選択、少数派が奏功? ブランディングとしての役割に変化
SNS=プロモーションの場、タレント活動に欠かせないツールに
だが、以後にはじまるTwitterやInstagramはリアルタイムで投稿する即効性がウリで、自己発信はいわば自己責任となった。芸人であれば“瞬間大喜利”的な気の利いたコメントで好感度が上がるし、モデルや女優ならおしゃれでセンスのいい写真のみならず、庶民的な投稿などが親しみやすさで「いいね」を集めている。また、アイドルもファンとの交流の場として活用している。タレントとしてのイメージもアップ→仕事の数も増え幅も広がるという好循環が期待できるのだ。
成功例で言えば、今やカリスマ化した渡辺直美、ローラ、水原希子などが挙げられるし、松本人志、有吉弘行といった大御所芸人もTwitterでネタを提供している。広い意味では、ZOZOの前澤友作社長にしても、知名度を爆上げしたことを考えれば立派な成功例と言えるだろう。
バッシング、プライベート無し…“SNS疲れ”が蔓延
さらにはSNSで大炎上するタレントも多く、ウーマンラッシュアワー・村本大輔、オリエンタルラジオ・中田敦彦、キングコング・西野亮廣(最近は相方のカジサックこと梶原雄太のほうが炎上)などはTwitterで炎上し続け、それがキャラクターとして確立することにもなった。また、Ameba殿堂入りブログを持つ辻希美は、“炎上職人ママブロガー”の異名を持つほど炎上を逆手(!?)に取りながら話題を提供。ママタレントの最高峰に君臨し続けているのである。
プライベートは神秘のベール…SNSを“しない宣言”がスターとしての存在感に
また、アイドルで言えば、ジャニーズやハロー!プロジェクトなどの大手事務所所属のタレントは、ブログ以外で個人のSNSアカウントは持っていない場合が多い。そもそもSNSにはさまざまなリスクがともなうのは常識であり、ファンの間でさえ「好きなタレントはやらなくていい」という認識を持つ層も少なくないのだ。また、ファンにしてみても“推し”にSNSがあることで情報を把握する義務感が生じてしまったり、タレントや同じファンたちの言動に一喜一憂したりするなど、疲れてしまう場合もあるという。
本来、芸能人であればテレビや映画、舞台など何らかの媒体で実力を発揮することこそ本分。となれば、仕事以外のプライベートの姿などは、むしろファンのイメージを崩さないためにもあえて伝えないほうがいい…と考えるのもまた“正論”と言える。
タレントにとっては、知名度・好感度のアップ、仕事の幅を広げるなどの“利”もあれば、炎上や疲弊による芸能活動への影響という“害”もあるSNS。そこから距離をおくということも、安定したタレント活動になり、仕事とプライベートの境目をハッキリさせる効果がある。スターがスター然としていられる“SNSをしない”選択は、健全で今という時代だからこそ有効なイメージ戦略となるのではないだろうか。