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門脇麦、30歳で見据えるビジョン「若々しくいたいとか全然思わない」
『チワワちゃん』は「一緒に映画を作っている」と初めて実感できた作品
門脇麦これまでデビューしてからずっと、監督は“先生”のような存在に感じていて、どの現場でも自分の考えを発言する事はあまりありませんでした。もちろん映画は監督のものなので、おっしゃる事は全て受け入れたい、という気持ちは変わりませんが、今回は演出面で監督とたくさん話し合いが出来たので、「映画に参加させていただいている」ではなく「一緒に映画を作っている」と実感できた初の作品かもしれないです。
『へルタースケルター』『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる岡崎京子の同名コミックを実写化した今作。“あること”をきっかけに主人公グループの元へ大金が入り、プール付きのクラブを貸し切るなど、放蕩の限りを尽くすシーンがある。
門脇麦私には縁がない世界でした。クラブにも行ったことないですし、男女のグループで遊ぶ、といった経験もなくて。ただ、岡崎(京子)さんの描かれている作品では、スポットライトを浴びている人たちが多く登場する印象があるのですが、彼らが抱えている「孤独」とか「虚無感」が、痛いほど響いてきました。私はこれまで、割とのほほんと生きてきたので、そういう人を遠くから見ているようなタイプでしたが、共感はすごくできました。
“性描写シーンをよくする人”というパブリックイメージへの抵抗
門脇麦かなり暗いですね(笑)。でも、「暗黒」っていう言葉を使ったのは、それまでバレエで生きていくという、“輝かしい未来”が自分の中にいつもあったのに、パッと無くなって「あれ、自分何したらいいんだろう?」っていう、苦しい時間だったからだと思います。でも、あの時間がなかったらここに私はいないですし、本当に必要な時間だったなとは思いますね。
2014年公開の主演映画『愛の渦』によって、彼女は大きく注目を浴び、また飛躍するきっかけとなった。だが、大胆な性描写が絡むストーリーだったため、以降「ヌードもいとわない女優」というイメージがついてまわった。
門脇麦「抵抗がない」と言えば嘘になります。「抵抗ありません!」って格好良く言えたらいいんですけどね、プロフェッショナルな感じがしますし(笑)。でも、一人の役者としてこの仕事をしてると同時に、一人の普通の女の子なので……。『愛の渦』当時は“お年頃”ということもあり、「門脇麦には『愛の渦』のイメージしかない」とネットで感想を書かれている方を見ると、「あぁ、そっかぁ……」と哀しい気持ちになっていましたね。でも、それで私のことを知ってくださって、全然違うジャンルの作品を見てくださったりするのはすごく嬉しいですし、いまはそうした目が気にならなくなってきました。
“青春映画”に出演できるのは今の年齢が最後
門脇麦それは今も変わらないですね。もちろん、一緒に仕事をしてみたい方はたくさんいるんですけど、そうした「個」の欲求を求めすぎると、いろいろ偏りが出てしまうので、考えないようにしています。
最後に、主演級の作品が続く彼女に、「30歳」という節目の年齢になっていたときのヴィジョンを聞いてみた。
門脇麦私、“歳相応の役”ができるのはすごく素敵なことだと思っていて。今年『ここは退屈迎えに来て』『止められるか、俺たちを』『チワワちゃん』に出演させてもらいましたが、こうした「青春映画」に出演できるのって、今の年齢(26歳)が最後だと思うんですよね。いつまでも若々しくいたいなとか全然思わないですし、30歳にしか出ない「色」があると思うので、年齢を重ねてその色がしっかり出ていればなあと。また今度は1年後とかに経過を聞きにきてください。なんだかお医者さんみたいですが(笑)。
(取材・文/東田俊介 写真・山口真由子)
作品情報
公開時期:2019年1月18日(金)
キャスト:門脇 麦、成田 凌、寛一郎、玉城ティナ、吉田志織、村上虹郎、栗山千明(友情出演)、浅野忠信
原作:岡崎京子「チワワちゃん」(KADOKAWA)
監督・脚本:二宮 健
主題歌:Have a Nice Day!「僕らの時代」
公式サイト