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(更新: ORICON NEWS

小関裕太、子役から活躍する若手俳優の想い「気を抜いたら置いていかれる」

 子役でデビューし、『天才てれびくんMAX』(NHK Eテレ)テレビ戦士などで活躍後、『ミュージカル・テニスの王子様』をはじめ多くのミュージカルで経験を積みながら、ドラマや映画にも出演。いままさにネクストブレイクの期待が高まっている若手俳優・小関裕太が、高畑充希、門脇麦ら個性派女優たちと共演する舞台『わたしは真悟』に臨む。すでにキャリアも長く、歌や踊りの実力には定評のある小関だが、今作での新たな挑戦と、若手俳優が多く活躍する今のエンタテインメントシーンについて思うことを語ってくれた。

不安が逆に楽しみになっていった

――これまでにも多くのミュージカルに出演されていますが、今作は独特の世界観がありながら多くのファンを持つ楳図かずおさんの漫画が原作。オファーを受けたときはどう感じましたか?
小関裕太お話をいただいてから原作を読ませていただいて、物語の内容とその描き方がすごく好きな作品でした。形而上的といいますか哲学的なことが多くて、生きるとはなにか、好かれることや愛される人ってなんだろうとか、僕は哲学が好きなんですけど、感覚でピッタリはまった感じがありました。今年の初めに出演が決まってからは、ずっと個人的に準備をしてきています。

――難解さもありそうなストーリーですよね。
小関裕太スケールが大きいので、例えば人工衛星が宇宙から落ちてくるのをどう表現するんだろうとか、細かいことでは楳図さんが描く表情も表現するのかなとか、いろいろ考えました。楳図さんの作品をミュージカルにすること自体がとてもおもしろいことだと思うんですけど、どうなるんだろうっていう想像力がすごく掻き立てられて。それとともに、想像できなさすぎる不安が、逆に楽しみになっていきました(笑)。台本を渡されても、どうなるのか想像ができなくて。

――そんななかでの役作りの準備は?
小関裕太役を理解してそのキャラクターに成りきることはもちろん、愛や矛盾といったこの作品のメッセージを理解することに務めました。ふつうの生活のなかに起きることが皮肉を使って描かれていて、そのおもしろさを自分がしっかりと理解していたほうが、それを楽しみながらおもしろくできますし、役のいいところを引き出せます。四六時中ずっと考えていましたね。

――哲学好きとのことですが、考えること自体が好きなんですね。
小関裕太もともと歴史が好きなんですけど、そのなかでもその人間関係を考えるのが好きで、ものごと一つひとつについて深掘りしていって、つい深読みしすぎちゃうことがよくあります(笑)。

――その気質は、役作りのうえではプラスになっているんじゃないですか?
小関裕太人のカテゴリとしては“気難しい人”になってしまうと思うんですけど(笑)、僕自身は気難しい人と話すのが好きなんです。そんな考え方があるんだっていう発見がたくさんあるし、共感もありますし。意思がすごく強い人にもメッセージが届くような作品に出演できたらうれしいです。自分自身がそういう意識を持っていたら楽しみが増えるかなって。

自分をさらけだしていかないと見てもらえない

――今作では、演技派と呼ばれている高畑充希さん、門脇麦さんと共演されますが、これまでの稽古で得られたものはありましたか?
小関裕太すごく色が強いおふたりなので、おもしろいなあと思いながらご一緒させていただいています。それぞれのお芝居を見させていただいて感じることはたくさんあります。稽古場では世間話ばかりで、あまりお芝居の話はしないんですけど(笑)。高畑さん、門脇さんをはじめ、みなさんステージ上での居方が素敵で、それぞれの持っているエネルギーの伝え方が表ににじみ出ているんです。それをすごく感じながらの稽古場です。

――演出と振付は、アルベールビル冬季五輪の開・閉会式を手がけたことでも知られるフィリップ・ドゥクフレさん。日本のミュージカルに参加するのは稀な方ですよね。
小関裕太フランスの方というのもあるんですけど、今まで僕があまり触れてこなかった芸術性を強く持っている方で、それを第一印象ですごく感じて。初めからこの方にはなにをどう表現してもいいんだって思いました。おもしろいねって言われるものを多く持っていたいという感覚から入ったので、自分をさらけだしていこうと思っていて。逆に自分をしっかり出していかないと見てもらえない環境です。日本のミュージカルシーンではあまりないスタイルじゃないかと思います。僕は今までなかったです。

――厳しい現場のようですが成長もありそうですね。
小関裕太入ったときが一だったら、今は意識のうえでは百くらいになっていると思います。キャストやスタッフの方から聴く話ひとつにしても興味深いものが多くて、毎日それを感じて受け止めて、砕いて自分のなかに取り入れてというのをここ1ヶ月やっていて、刺激しかない毎日です。実際に公演が始まって本番のステージをまたいでみないとわからないところもあるんですけど、終わった後の自分がまだ想像できないです。きっと今作を経て、僕のなにかが変わっているんじゃないかと思います。

歌えて踊れる若手俳優は多い。その環境を楽しみたい

――今作のように漫画原作の場合、ファンからの視線や声は気になりますか?
小関裕太そうですね。僕自身も原作と比較してしまうタイプなので、そこを意識しないということはないです。でも、それがプレッシャーになったりすることはありません。今作では、原作が好きな僕だからこそ見えてくる、表現できるものがあると思うので、そういうところ見ていただきたいです。どんな作品でも、原作がある時点でそのファンの方々がいますので、そのよさをより活かすことができれば素敵じゃないですか。原作のよさをどれだけ出せるか、さらにプラスしてオリジナリティが加えられるのであれば、それができたらいいなと思っています。

――今、多くの若手俳優がエンタテインメントシーンで活躍していますが、そのなかのひとりとして考えることはありますか?
小関裕太歌えて踊れる若手俳優って多いと感じます。そのなかでレベルがたくさんあって、少しでも気を抜いたらあっという間に手が届かないくらいまで技術力が離れる、という俳優が目に見えてたくさんいます。そういう環境のなかで、なにかを取り入れる、自分の人格を変えていく、変わっていくということはもともとすごく好きなので、この競り合いを純粋に楽しめたらと思っています。気づいたらまわりがすごくて、もっとがんばらなきゃってなっているかもしれませんけど(笑)。
 以前、60代の俳優さんから「今は大変だよね。オレの若いころは飲むか芝居するかくらいしかなかったけど、個人的にレッスンを重ねないとすぐに置いていかれてしまう時代だから」って言われて気づいたんです。気を抜けないことをうまく利用できたら、すごい人になれるんじゃないかなって。僕は前に行きたいので、日々の刺激を受けながら、自分だけにしかできない演技ができるようになれたらって思っています。
ヘアメイク:☆MIZUHO☆(vitamins)/スタイリスト:澤崎智彦

ミュージカル わたしは真悟

 何も恐れずただ純粋に愛し合う小学生の真鈴(まりん・高畑充希)と悟(さとる・門脇麦)。ふたりの愛が大人によって引き裂かれようとしたとき、ひとつの奇跡が起こる。ふたりの遊び相手だった無機質な産業用アームロボットに、真鈴と悟を両親と認識する自意識が目覚める。それは、真鈴と悟から1文字ずつもらい、自らを真悟(しんご・成河)と名乗る。離れ離れになった真鈴と悟の身に危険がせまったとき、真悟はふたりを助けるために人知を超えた進化を始める――。

原作:楳図かずお『わたしは真悟』(小学館刊)
脚本:谷 賢一
音楽:トクマルシューゴ、阿部海太郎
歌詞:青葉市子
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
演出協力:白井 晃
出演:高畑充希、門脇 麦、小関裕太、大原櫻子、成河 ほか

[プレビュー公演] 12月2日(金)〜3日(土) KAAT神奈川芸術劇場 ホール
[浜松公演] 12月9日(金) 浜松市浜北文化センター 大ホール
[富山公演] 12月15日(木) オーバード・ホール
[京都公演] 12月23日(金)〜25日(日) ロームシアター京都 メインホール
[東京公演] 2017年1月8日(日)〜26日(木) 新国立劇場 中劇場

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