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ORICON NEWS
『ハイサワー』が10年間も“美尻カレンダー”を販売するワケ、女社長が語るこだわり
きっかけは『タモリ倶楽部』、当初のポスターは盗難されまくり
「弊社の倉庫を会場に、タモリさんはじめ出演者の皆様がハイサワー各商品で様々なお酒を割って試し飲みするという、“倉庫飲み企画”でした。社員みんなも参加したこの回の放送はすごく評判が良くて、ハイサワーが広まるきっかけにもなったのです」(田中氏/以下同)
『タモリ倶楽部』といえば、お尻のオープニングやエンディングもおなじみ。そんな番組に敬意を表して『美尻カレンダー』が生まれた。
「最初に制作したのはA2のポスター。メニューなども入れて居酒屋さんに差し上げたところ、翌日には盗まれてしまうと聞いて。そんなに人気ならカレンダーを作ろうと思い立ちました」
居酒屋やラーメン屋などには、水着女性のポスターが貼ってあることがよくある。そこで、ハイサワーのイメージに合う、「パンパンに弾けるようでピチピチのお尻」のカレンダーで差別化。一般にも口コミで人気が広がった。「販売の時期には、お問い合わせの電話が鳴り止まないほど。意外にも女性ファンが多いんです」
女性社員がカレンダーを担当、選ぶのは「こそこそしていない、堂々としたお尻」
そのお尻を選ぶ基準とは?
「こそこそしていない、堂々としたお尻。ハイサワーらしいさわやかさ、1杯飲みたくなるような明るさが必須です。一度、男性のデザイナーさんに選んでいただいたこともあったのですが、なにか妖艶すぎる方向に行きそうになって(笑)。やはり、女性と男性では選ぶ基準が違いますね」
『美尻カレンダー』は営業ウーマン、地方居酒屋や一般からも好評
「うちは東京の会社ですが、全国の居酒屋さんが『美尻カレンダー』と一緒にハイサワーを仕入れたいと希望してくださることも多くて。まるで、優秀な営業ウーマンのようです。実際にお店に貼っていただき、“キレイで明るくなった”、“華がある”との声もいただいています」
一般の評判も上々だ。
「具合の悪いお母さまを介護している男性から、お礼がありました。ベッドのある部屋に『美尻カレンダー』を貼って、ヘルパーさんたちと一緒にめくるのを楽しみにしていると。会話が弾んで楽しいと喜んでくださいました」
“美しいお尻”が“美しい世界”を生む。“美尻”に目をつけた田中社長の慧眼だったというほかない。
日本で最初に“割り材”を作った会社、現在は若者のレモンサワーブームが追い風に
「もともとはラムネを作っていた会社でした。ところが戦後になって、海外から大企業が続々と上陸。清涼飲料や炭酸飲料を売り出したため、会社がつぶれそうになってしまった。そこで、“うちは清涼飲料の会社だからお酒は造れないけど、ならばお酒を割るものを作ろう”、と方向転換をしたんです。海外ではジンなどいろんなものでお酒を割って楽しんでいたけれど、当時の日本には焼酎を割ったサワーなどはありませんでした。それだけに、最初は居酒屋さんにも相手にされなかったのですが、一軒一軒を回ってお願いし、だんだんと受け入れられるようになったのです。1980年には『ハイサワー』を発売しました」
一時は“お酒離れ”などと言われていたが、現在では若者を中心にレモンサワーがブームに。居酒屋やファミリーレストランでは、インスタ映えもしそうなレモンサワーが販売されている。同社の2017年の『ハイサワーレモン』の酒屋・飲食店への業務用商品(200ミリリトル・リターナブル瓶)の販売数量(東京・神奈川・埼玉・千葉)は、前年比17%増の約268万本。4年連続で増加しており、2017年は、ここ10年で最高の数字となった。
「レモンはビタミンの塊ですし、女の子に支持されている元気なドリンク。一時期は居酒屋にはおじさんしかいなかったけれど、今では“ネオ大衆酒場”的に盛り上がっています」
そんなブームの追い風も受けつつ、今年販売が開始した『美尻カレンダー』のテーマは“南国リゾート”。
「2019年版は10周年。行きたい街を想定しながら、このビーチに行くならこの水着…と、美尻グッズ部で選びました。例えば、カラフル水着のハワイ、セレブ風のドバイなど、見ているだけで楽しいと思います」
最後に田中社長に、「お尻とは?」を語ってもらった。
「お尻は女性にとっての集大成。顔はメイクで変えられても、お尻は日々鍛えてこその、女の子の努力のたまもの。それがカレンダーから伝わり、堂々とした明るい雰囲気に見えるのではないでしょうか」
2019年版『美尻カレンダー』は、11月2日の「いいヒップ(112)」の日から販売。「プレミアム版」(14枚月めくり/税込2,440円)と「スタンダード版」(7枚隔月めくり/税込1,468円)の2種が、『ハイサワー缶 レモン』1本とセットになって同社オンラインショップで販売中だ。『ハイサワー』の歴史や美尻グッズ部の努力を思いながら眺めれば、よい味わい深いものになるかもしれない。
(文/衣輪晋一)