アニメ&ゲーム カテゴリ
  • ホーム
  • 芸能
  • 田辺誠一、芝居との良い関係は「依存しない距離感」 夫婦の『おっラブ』エピソードも

田辺誠一、芝居との良い関係は「依存しない距離感」 夫婦の『おっラブ』エピソードも

 90年代に人気モデルから役者へと転身、気付けば25年にも及ぶキャリアを誇る俳優・田辺誠一。決して派手さはないが(失礼!)、キャスティングされれば作品に“厚み”が増す貴重な役者だ。現在放送中のドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系)第4シリーズにも新加入し、その存在感を提示。また、ネット上を中心に“画伯”と呼ばれ話題の脱力系イラストは、今作のPR動画にも起用。“画伯”で親しまれている一面はもちろん、25年以上に渡り途切れることなく活躍してきた要因はどこにあるのか? 作品や役との向き合い方、イラストのこと、そして家族の存在などを真摯に明かしてくれた。

幅広い役作りは「その人がどんな価値観を持っているかをまず考えます」

――『刑事7人』は3年前から続いている人気シリーズで、田辺さんは今回が初参加。撮影現場の雰囲気はいかがですか。
田辺誠一 さすがにパート4ということもあって、主演の東山(紀之)さんを中心に良いチームワークができていて、すごく楽しい現場ですね。スタッフも知り合いばかりで、塚本(高史)くんや(倉科)カナちゃんとは過去にも共演していて、(吉田)鋼太郎さんとも舞台でご一緒しています。知り合いが多いこともあって、受け入れてくれている居心地の良さを感じます。

――皆さんの和やかな様子が浮かびます。今回、田辺さんが演じる海老沢芳樹は途中登場しない回が続き、SNSなどで再登場を待ち望む声がたくさん出ていますね。田辺さんが演じられている海老沢芳樹というキャラは、ツンデレ具合が人気です。
田辺誠一 8月29日放送分の第8話から再登場しますが…僕も早く出たかったです(笑)。海老沢を演じるにあたって大切にしたのは、7人のバランスに加え、「今までと違った空気を持ってくる役割」だということ。海老沢は7人の中で完全に馴染んではいない、ちょっと浮いているキャラクターで、人望もないし、ちょっと熱かったり昭和っぽかったり、ズレていたり、空気が読めなかったり、反体制的だったりするんです。だから、7人全体のバランスを考えつつも、ちょっと浮いた空気を出せたらと思って演じています。

――今回も個性的な役ですが、今までも様々な役を演じられてきました。いつも演じる役柄とはどのように向き合っていますか。
田辺誠一 その人が何をしたいか、どんな価値観を持っているかをまず考えます。ただ、恋愛モノや家族モノは価値観が多様であるのに比べ、今回は警察官なので、そのあたりは一生懸命にやれば成立しやすいと思います。どんなに周囲から浮いていても、空気が読めなくても、歩調が合わせられなくても「警察官としての正義感」を持っていれば、みんなと向かう方向は一緒になるので。

「この仕事をやっててよかった」「楽しい」と思うようになったのはかなり最近(笑)

――そのように真摯に役と向き合う田辺さんですが、もともとモデルとして活躍されていた後、役者に転向されました。決断は何がきっかけだったのでしょうか。
田辺誠一 高校3年生のときからモデルをやって、大学には行かずに4年間モデルの仕事をしてきました。その後、一生の仕事を見つけようと思って、役者を始めたのが23〜24歳のときでしたね。きっかけは、笠智衆さんの美しさ、誰にも真似できないオリジナルの表現。でも、なかなか思うようにいかなくて。書くもの(出演作)がないから、プロフィールもペラペラで、書けるものを1本1本増やしていこう、押されても倒れない自分の経験を作らなきゃいけないと思ったんです。そうしているうち、いろんな映画や舞台やらせてもらうようになったのは、30歳過ぎた頃からかな。でも、「この仕事をやっててよかった」「楽しい」と思うようになったのは45歳くらい。いま49歳なので、かなり最近です(笑)。なんとなく自然と楽しさを感じられるようになってきたんですよね。

――役者の楽しさを実感したのは最近とは驚きです。ただ、25年以上役者を続けてこられたのは田辺さんへの信頼あってこその年月だと思います。心がけていらっしゃるのはどんなところでしょうか。
田辺誠一 まず慣れてしまわないこと。経験値が増えるたびに、引き出しが増えて、「方法論」が確立されてしまうので、どんどん不利になっちゃうと思うんですよね。テクニックがついてくるのは役者にとってマイナスの面があると思うんです。まだ何も持っていない10代とか子役のほうが、表現が素直で瑞々しいと感じることは多いので、なるべく慣れないようにしています。

――自然とついてくるテクニックを、その都度手放す感じでしょうか。
田辺誠一 そうですね。ただ、映像表現は、映像として観る人に伝わらなければ意味がないので、そこは技術的に必要な面ももちろんありますが。距離感としては恋愛に近いかな。あるひとつの見方ですが、好きになりすぎると大変だと思うんです。辛くなっちゃうから。好きになると、ちょっとしたことでもホイホイ行っちゃうと思うんですよ。例えば、「渋谷で飲んで電車がなくなったから、送って」と言われたらすぐ行っちゃうとか(笑)。だから、まずは人間として美しく強く生きていく。自分という人間を確立することによって、芝居のほうから好かれる人間でありたいと思うんです。芝居との良い関係を築き上げるには、依存せずにある程度距離を持つことが大切なんじゃないかな。

“画伯の”イラストは、「自分の世界やメッセージをダイレクトに伝えられる」

――そんな25年以上の役者生活の一方で、イラストも話題です。公式HPや公式SNSで公開されている、田辺さんのイラストを使った『刑事7人』のPR動画も面白いですね。
田辺誠一 もうみんな飽きているんじゃないかと思っていたので、「楽しんでくれる方がこんなにいてくれるんだ、ありがたいな」と思いました(笑)。こうして見ると、自分が描いたものが動くのはすごく面白いものですね。動く前提で描いてみたら、もっといろいろ描けるのかなとか、イマジネーションが広がります。

――演じてきたキャラクターだけでなく、田辺さんご自身の親しみやすさにつながった部分もあると思います。「画伯」として人気を得たことは、またひとつのターニングポイントになりましたか。
田辺誠一 それはありますね。みんなで一つの作品を作る役者業と違って、絵は自分の世界やメッセージをダイレクトに伝えられるので。役者とはまた別の表現方法を持てたということは、面白いですね。子どもはもちろん、ご年配の方にも「絵はどう?」とか「画伯」とか言われるんですよ。「そんなに知ってくれているんだ」と驚きますね。役者を何十年もやっていても、それとはまた違った広がり方があると感じます。そして、それはまた俳優業にフィードバックされるんだろうなとも思います。

夫婦で『おっさんずラブ』!? 「鋼太郎さんも、圭くんも、遣都くんも全部やりました」

――またご家庭では、女優の大塚寧々さんが奥様で、役者同士お互いに理解し合える部分も多いかと思います。出演する作品や役柄、演技などについて話すことはありますか。
田辺誠一 ごくまれに感想を言ったり、相談したりすることはあります。あとは、いつも台本を覚えるとき、相手がよほどハードな時でない限り、夫婦でお互いに読んだりするんです。自分一人で読むよりも、相手をしてもらったほうが10倍くらい早く覚えられるので。

――それはすごい!(笑) 最近だと、大人気となったドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)には、今回共演している吉田鋼太郎さんが出演されており、蝶子さん(大塚寧々)のダンナさん役でしたが…。
田辺誠一 僕も『おっさんずラブ』は観ていましたし、『おっさんずラブ』も相手のセリフを全部読んでいます。鋼太郎さんはもちろん、麻呂(金子大地)も(田中)圭くんも(林)遣都くんも、眞島(秀和)くんも全部やりましたね(笑)。

――豪華ですし、微笑ましい! そんな奥様をはじめ、今まで様々な役者さんに出会ってきたかと思います。これまで共演された方で、圧倒された、あるいは刺激を受けた役者さんはいらっしゃいましたか。
田辺誠一 皆さんすごい方ばかりですが…。例えば、4回ほど共演している森田剛くん。舞台での表現は鬼気迫るものがありました。あとは、『淋しい狩人』(2013年)で共演させていただいた北大路欣也さんには、特に圧倒されましたね。さびれた古本屋のおっちゃん役なのに、気品があって。北大路さんには人としての美しさ、気品、格、意識の強さなどを常に感じます。

――では最後に、田辺さんがこれから目指す役者像とは?
田辺誠一 来年50歳になるので、今までにやってきた事を見つめ直して、これからやりたい事、行きたい方向に向かって新たな一歩を踏み出せればと思います。

(インタビュー・文/田幸和歌子、写真/Tsubasa Tsutsui)

ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系) PR動画集

<毎週水曜 後9:00放送>ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系)
 俳優の東山紀之が主演するテレビ朝日系ドラマ『刑事7人』(毎週水曜 後9:00)。7人の刑事たちが、凶悪犯罪と対峙するシリーズ第4弾は、新たなメンバーも加わり、資料室に眠る未解決の超凶悪犯罪に特化したスペシャルチームとして復活!! また、海老沢芳樹役でレギュラー出演する田辺誠一が描いたイラストをもとにした“脱力度”満点、ハードで骨太な刑事ドラマとは真逆の特別PR動画が番組公式ホームページや公式SNS等で公開中。

【出演者】東山紀之、田辺誠一、倉科カナ、白洲迅、塚本高史、吉田鋼太郎、北大路欣也 ほか
【脚本】寺田敏雄 ほか
【音楽】奈良悠樹、吉川清之
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】三輪祐見子(テレビ朝日)
         和佐野健一(東映)
         井元隆佑(東映)
【監督】及川拓郎 ほか
【制作】テレビ朝日
    東映
公式サイト(外部サイト)

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!