(更新:)
ORICON NEWS
亀梨和也 SPECIAL INTERVIEW 第二ステージのスタート 予想できない場所に行きたいと思っていた
亀梨和也がやってきたことと真逆にある映画という気がした
【亀梨】 この作品を含めて映画は3本目になるんですけど、『ごくせん THE MOVIE』と『映画 妖怪人間ベム』はドラマからの流れだったので、そういう意味では『俺俺』は(自分にとって)初の映画でもあります。心して撮影に挑みました。でも、三木聡監督の作品には自分は参加できないだろうなと思っていたんですよね……。
──その理由は?
【亀梨】 KAT-TUNのメンバーとして定着しているパブリックイメージを含めて、亀梨和也がやってきたことと(三木監督作の世界観は)真逆にあるような気がしていました。でも、僕自身が予想すらできない場所に行きたいと思っていたタイミングで、自分が望んでいた人と仕事ができたことは最高の出来事でした。
──違う亀梨和也を見せたかったということ?
【亀梨】 常々、そう思ってはいるんです。役者の仕事は年に多くても2本ほどなので、そのなかで『妖怪人間ベム』は第一段階の区切りになった作品であると思っています。そして、第二段階をどう進んだらいいのか考えているときに、今回の作品と巡り会うことができました。『妖怪人間ベム』も大きな存在でしたけれど、『俺俺』は(役者としての第二ステージの)スタートでもあるんですよね。
──そんなスタート的作品で33人の“俺”を演じたわけですが、33役を演じると聞いたときの気持ちは?
【亀梨】 “俺”が増えていく?意味が分からなかったですね(笑)。さらに詳しく聞いていくと、えっ?全部自分が演じるの?と驚きました。できないとは思わなかったですけど、冷静に考えたら「できないんじゃないか……」って思ってしまいますよね。でも、一緒に仕事をさせていただきたいとずっと思っていた三木監督と映画が作れるということもあって、来た球はすべてキャッチして返したいと思ったんです。役者としての亀梨和也も見せたいという思いもあるけれど、とにかく三木監督の脳内プレイヤーになりたい、三木監督が思い描いているものをプレイヤーとして画にすることだけを意識しました。
今まで出したくなかったものを敢えて見せる
【亀梨】 メインの3人──均と大樹とナオは緻密に稽古を重ねて、ある程度キャラクターを作り上げていったんですが、ほかの30のキャラクターは外見(衣装やヘアスタイル)から掘り下げていく作業でした。メイン3人とほか30人はアプローチが真逆でしたね。
──その33のキャラクターのなかには、あの亀梨さんがそんな姿に!?的な役もあり、とても新鮮でした。見たことのない亀梨さんがいましたが、本人的には楽しかった?
【亀梨】 たとえば、マッシュルームカットがトレードマークのオタクっぽい“俺”の溝ノ口は、(KAT-TUNの亀梨和也ではありえない)変な顔をしたりするんです。今まで出したくなかったものを敢えて見せているといいますか……。ジャニーズ事務所に入った頃にやりたいと思っていたのは、大樹みたいな役でしたが、いまは溝ノ口や瀬島(ミリタリーマニアの“俺”のひとり)のような役を心からやりたいと思っているんです。そんなふうに思っている時期に三木監督と出会えました。こういう俺(亀梨和也)を見てほしかったんだと思うんです。
──女装もありましたね(笑)。
【亀梨】 ありました(笑)。ただ、今回の33役というのは七変化のような感覚ではなくて、劣化コピーで増えていく設定。なので、コピーを重ねるごとに精度が低くなっていく、キャラクターとしての精度を低くしていくことに気をつけて演じています。
──なるほど。ふとした瞬間にいつものカッコいいKAT-TUNの亀梨和也が出てしまうということは?
【亀梨】 冷静になると溝ノ口や瀬島のあの変な顔とか、何やってんだ……という瞬間もありました(笑)。撮影中は、溝ノ口や瀬島を演じたすぐ後にKAT-TUNとして歌うこともあったので、ギャップを感じることは確かにありましたね。でも、この作品に出させていただいたことで、いろいろな亀梨を提示できました。ある意味もう怖いものがないなというか、どんな“俺”でも闘えると思います(笑)。
⇒ 次のページへ【変わったことをするには緻密な作業が必要】
(文:新谷里映)
映画情報
関連リンク
・映画『俺俺』公式サイト