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中島裕翔インタビュー『新たな一面を見せることで自分の可能性を見出したい』
素の自分が出てしまう“恥ずかしさ”と“怖さ”を感じていた
中島裕翔亮太はもともとネガティブな性格ですが、兄を亡くしてからさらにその度合が増していきます。ところが、自分と正反対の性格の小春に出会うことで徐々に変化していく。そんな亮太の変化を7年間のなかでどう演じ分けていくかすごく悩みましたが、小春を演じた新木優子さんが役に似ている部分があったおかげで、あれこれ考えなくても亮太になることができました。彼女と話しているうちに僕自身の学生時代の女子とのやりとりを思い出したり。そんなふうに自然に亮太と小春の関係性を作っていけたので、7年間の変化は画にしっかりと表れているんじゃないかと思います。
――現場に入る前は役作りへのアプローチをどんなふうに考えていましたか?
中島裕翔今回はアプローチの仕方を相当悩みました。というのも、『ピンクとグレー』では芸能界での生きづらさに苦悩したり、自分にはなれない存在を追いかける必死さを表現する役だったので、シーンごとに感じたままを表現すれば良かったんです。でも今作の亮太は、とても自然体でごく普通に生活している青年だったので、作り込んだアプローチではなく、亮太に共感できる部分を探しながら演じていくのがベストなのかなと、悩んだ結果そこに辿り着きました。ただ、そういうお芝居は素の自分が少なからず出てしまうので、恥ずかしい気持ちや怖さも正直感じてしまいました。
中島裕翔何事もやる前からネガティブに考えてしまうところでしょうか(笑)。亮太が小春に改めて気持ちを伝えるシーンがありますが、別れることを想定しながらの告白なんですよね。それってダメだったときの悲しみが大きくなる前に、先に予防線を張っているんだと思うんですけど、その不器用さが亮太のかわいいところでもあります。僕もネガティブですし、マイナス思考の部分もあるのでとても共感できました。
学生のころはよく教室で外を見ながらボーッと黄昏れていた
中島裕翔そう言っていただけるのは嬉しいですし、ネガティブなところが役に活かせたなら良かったです(笑)。ちなみに僕もよく学生のころは教室で外を見ながらボーッと黄昏れていました。やはりどこか亮太に似ているのかもしれませんね。
――今でも黄昏れますか?
中島裕翔ふとした瞬間によく黄昏れています(笑)。今まで経験した嫌なことや失敗してしまったこと、これからの仕事に対する不安なんかを考えながらボーッとしたりして。それを黄昏と言っていいのかわかりませんけど(笑)。
中島裕翔カメラが好きなので、カメラマンさんに機材のことを聞いたり、好きな人同士のかなりマニアックな話をしていました(笑)。あと、スタッフさんに僕の動きに関して相談させていただいたことはありました。カメラのピントやフォーカスの繊細な部分を調整するスタッフさんがいるんですけど、感情を思い切り出すシーンでは僕の動きが激しくなるので、あらかじめそのスタッフさんに伝えてみたんです。そうしたら「中島さんの動きに合わせて調整するので大丈夫ですよ」と。そういう現場ってすごく安心してお芝居ができるんですよね。消極的になりがちなんですが、伝えることは大事だと気がついたので、これからはどんどん相談していこうと思います。
――ほかに今作の現場で気づいたことはありますか?
中島裕翔役に共感できるポイントを探っていったアプローチは今回が初めてだったので、演じ方の引き出しがひとつ増えたような気がします。それと同時にやはり人生経験が豊富なほうが役に共感できる部分が多くなるんじゃないかなと改めて思いました。