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鈴木亮平インタビュー『まだ自分自身が大きな役を背負えるだけの男だとは思えない』
監督に「オシャレ担当だ」と言われました(笑)
鈴木亮平台本を読ませていただいたら、日本の昏迷期を支えた気骨ある男たちの話でした。僕は熱い話が大好きなので、すごくやり甲斐を感じましたね。(演じた)武知甲太郎には、モデルとなった手島治雄さんという実在の方がいらっしゃるのですが、調べていくと僕の通っていた大学の先輩にあたる方で。同じ英語を勉強されていたことにも縁を感じて、先輩に失礼のないように魂を込めてやりたいと思いました。
――今回、初めてタッグを組んだ山崎貴監督とは、どのようなやりとりがありましたか?
鈴木亮平最初に言われたのは「とにかく早口で喋ってくれ」と。それくらい頭の回転が早い人なのだと解釈しました。(国岡商店の)他の店員さんたちと違って、武知はGHQで政府の仕事に関わってきた人間なので、わかりやすく言えば、クールな都会人を意識していました。話すスピードだけじゃなく、話し方の品や声のボリュームにも、他の人とは毛色の違った感じを出せればと。
――たしかに衣裳も、ひとりだけ洗練されていましたね。
鈴木亮平国岡商店のなかでもハイカラな感じで、僕だけタートルネックを着ているんです。監督に「オシャレ担当だ」みたいなことも言われました(笑)。
岡田准一さんに会って惚れない男はいないんじゃないかな?
鈴木亮平静かな情熱を出す役割だと思っていました。(役のモデルとなった)手島さんは、諜報活動や情報戦を行っていた旧陸軍中野学校の教官という経歴の持ち主で、言わば『マスター・キートン』のような人だろうと思ったんです(笑)。自分を律することのできる人であることを意識しながら演じていましたね。現場では、東雲さん(吉岡秀隆)のパートとか、九州の人たちの熱さが少しうらやましかったりもしましたが(笑)。
――第二次世界大戦後、鐡造に直訴して店員になるという、武知の並々ならぬ覚悟についてはどう捉えましたか?
鈴木亮平映画では原作より(年齢が)若い設定なので、原作とは少し違うかもしれませんが、武知は店主の人柄に魅せられたというよりは、むしろ国岡商店の人たちの働きぶり、とくにタンク底の油をさらう仕事ぶりに感銘を受けて、入店を希望したのだと捉えました。大学で英語を勉強するなど、外国を意識していた人間だからこそ、彼のなかでは自分の国を誇りに思いたい気持ちや、国を憂う気持ちが強かったのだろうと思うんです。だから、日本の将来を考えて、石油業界を動かそうとしている国岡商店という会社に、自分の人生を懸けてみたくなったんじゃないかなと。
鈴木亮平岡田さんの持っているカリスマ性そのものだなって感じがしました。リーダーである自分が誰よりもまずがんばることで、周りの人間がついていくというリーダー像は、岡田さんそのものだと思います。原作を読むと(鐡造は)誰よりも早く店に来て、誰よりも遅く帰る人だったようですが、そういうストイックさ、自分に厳しいところは、すごく岡田さんに似ているなと思いました。なかなか岡田さんに会って、惚れない男はいないんじゃないかな? 男が惚れる男って感じがします。