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(更新: ORICON NEWS

中年男性もこぞって再挑戦、“バク転ブーム”到来のワケとは?

  • 特撮ヒーローを演じ、少年たちの憧れの的だったアクション俳優・千葉真一 (C)ORICON NewS inc.

    特撮ヒーローを演じ、少年たちの憧れの的だったアクション俳優・千葉真一 (C)ORICON NewS inc.

 ここ最近なぜか、バラエティ番組で“バク転”に挑戦する中年男性の姿を見かけることが多くなった。『所さん!大変ですよ』(NHK総合)では、夜にオジさんたちが集って、バク転の練習をする体操教室が紹介され、土曜特番の『その時チャンスは舞い降りた!』(日本テレビ系)では、“家族にカッコイイと言われたい”中年男性に声をかけ、バク転教室に通って奮闘する姿を放送。確かに中年男性が少年だった昭和の時代から、バク転はカッコよく、仲間から尊敬されたり、女の子にも“モテる”武器の象徴的な運動技術。しかし今になって、なぜ中年男性の間でバク転がブームとなっているのだろうか?

JACやジャニーズ、新日本プロレス……中年男性が少年時代に憧れた“バク転スター”たち

 バク転は体操競技でいう“後方転回”のことで、後方に飛んで、ブリッジの体勢に沿って地面に両手をついて回転する運動だ。両手をつかずに空中で一回転すれば“バク宙”となり、さらに難易度は増す。このバク転は70年〜80年代にかけて、千葉真一、真田広之、志穂美悦子といったJAC出身のアクションスター勢や、『仮面ライダー』などの特撮ヒーローたちにとっては欠かせない“必須技”であった。

 さらに、田原俊彦や少年隊、光GENJIといったジャニーズ勢の十八番でもあり、“バク転ができないとジャニーズ事務所に入れない”“シブがき隊はバク転ができないから冷遇されている”などといった都市伝説さえ生まれたのである。いわばバク転は、アクションシーンやステージ上の振り付けなどエンタメ界でも多く取り入れられ、当時は学生時代だった中年男性たちにとっては、“バク転=カッコイイもの”として強く記憶に刻まれていったのだ。

 「当時は、新日本プロレスの初代タイガーマスクが大人気で、バク転やバク宙を織り交ぜるアクロバティックな技が少年たちをとりこにしていました。『8時だョ!全員集合』(TBS系)の体操コントでも仲本工事さんがよく披露していましたし、吉川晃司さんが『ザ・ベストテン』(同)などで見せた“バク宙でプール飛び込み”や、“片手バク転”も伝説になっています。少年隊で言えば、東山(紀之)さんのバク転・バク宙はキレといい高さといい、ピカイチでしたね。学校の休み時間になると、体育館のソフトマットにはバク転の練習をする子どもたちが殺到して、バク転ができる子は尊敬の眼差しを浴びてましたし、実際女子にもモテてていました(笑)」(エンタメ誌編集者)

当時の“憧れ”が再燃 近年バク転教室は中年受講者が増加

 つまり今の中年男性にとっては、バク転は“憧れ”のものとして心に残っており、また努力すれば自分でも何とかできたのではないかという、ある種の“未練”もくすぶっていて、機会があればいつか“挑戦”してみたいと思っていたフシがあるということだ。

 実際、バク転講座を開催している株式会社ワーサルのバク転コンシェルジュ・葛西ゆかりさんによれば、「ここ1〜2年は、熱心な中高年男性の受講者が増えています。きっかけとしましては、30代以上の方は男女とも、“昔から興味があった”“アクション技をやってみたい”という方が多いようです。最高年齢の69歳のご受講者からは、“バク転に挑戦してからじゃないと死ねない!”といった夢のある言葉もお聞きしました」とのこと。

 中年男性がバク転教室に通っているのは、父親としての威厳を見せたい、あるいは忘年会の隠し芸のためなど、様々な理由があると思われるが、やはりバク転に挑戦すること自体を含め、“少年時代の憧れの人のようにカッコイイと言われたい”という一心であることは間違いなさそうだ。実際中年男性にとって、年齢的にも今が最後のチャンスとも言える。テレビで“バク転”が取り上げられたことで、さらなるブームを呼ぶ可能性もあるが、くれぐれもケガだけには注意をしていただきたいところである。

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