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山崎賢人インタビュー『チャレンジがないとおもしろくない、難しい作品のオファーはうれしい』

現在放送中の月9ドラマ『好きな人がいること』(フジテレビ系)で中高生を魅了したかと思えば、人気漫画を実写映画化する『斉木楠雄のΨ難』主演も発表された。常に話題が途切れることなく、エンタテインメントシーンのど真ん中を疾走する山崎賢人のいまの想いに迫る。映画出演作のヒットが続くなか、次に公開されるのは広瀬すずとW主演の『四月は君の嘘』。漫画実写主演へのプレッシャーとヒットを続ける“不敗神話”についても語ってくれた。

母性本能をくすぐろうとはまったく考えていない(笑)

――山崎さんが『四月は君の嘘』で演じる公生は、原作のイメージに本当にピッタリでした。どんなことをテーマにしていたのでしょうか?
山崎賢人公生はお母さんとの悲しい思い出が心の傷になっていて、原作漫画の最初のほうで、公生にとっては世界がモノトーンに見えているという描写があったんです。なので、その“モノトーン感”を伝えることをイメージしていました。といっても、常にモノトーンに見えるのではなくて、ふとした拍子に自分のなかで抱えている悩みや、乗り越えられない過去がのぞくようにしたいと思っていました。ふだんの公生は、とにかく優しい雰囲気の男の子なので。

――優しい雰囲気を出すために意識していたことはありますか?
山崎賢人基本的にはやわらかい口調で話すようにしていたんですけど、そのなかにしっかりした芯を感じさせられたらいいなって。自分の意見をしっかり持っている人だからこそ、自分ができないこと、イヤなことはちゃんと断れたりもする。でも、その断り方もやっぱりやわらかいんですよね。
――ビジュアル的にも原作の公生そのままだなあと思いました。
山崎賢人とくにメガネですよね(笑)? 原作では公生が黒縁メガネをかけていたので、スタッフさんと一緒に公生っぽく見えるものを探して。そのなかで、僕自身にも一番似合うものを選びました。

――プロデューサーさんが「山崎さんはクールな役が多いけど、ご本人のイノセントで母性本能をくすぐるところが公生にピッタリ」とおっしゃっていましたが、まさにそんな部分が出ていたように思います。
山崎賢人自分では母性本能をくすぐろうとはまったく考えていないです(笑)。でも、もしこの役がそういうふうに見えるのなら、それはそれでよかったのかなと思います。

役の気持ちがよくわかる。僕も宮園かをり(広瀬すず)を好きです

――“モノトーン”だった公生の世界を“カラフル”に変えていくのが、自由奔放で型破りなバイオリニスト・宮園かをり(広瀬すず)。かをりに惹かれていく公生の気持ちはどう感じましたか?
山崎賢人宮園さんの言葉は僕自身にも響いたので、好きになる気持ちはよくわかります。僕も好きです(笑)。宮園さんってすごくポジティブで、大切なことを言ってくれるじゃないですか。「思い切って飛び込もうよ、私たちまだ17歳だよ」って。僕自身も、新しいことをするときに考えすぎてしまってなかなか飛び込めないことがあるので、あれこれ考えずに1回やってみることも大事だなって気づかされました。

――公生はかをりに影響されて、失っていたピアニストとしての情熱を取り戻します。劇中でピアノ演奏を披露するため、半年前から練習されていたそうですね。
山崎賢人本当にいちから練習しました。まずは基本姿勢から入って、ドレミファソラシドをスムーズに弾けるようにしていって。初めてだったので最初はキツかったんですけど、ちょっと弾けるようになったらどんどん楽しくなってきました。劇中で演奏する部分を重点的に練習して、「キラキラ星」は全部通して弾けるようになったので、とくに楽しく感じました。指導の方には「指が長いからピアニストに向いてる」って言っていただきました(笑)。
――本番の演奏シーンはどうでしたか?
山崎賢人本番ではただ弾くだけではなくて、お母さんのことを乗り越えていく感情の変化だったり、宮園さんと出会って演奏が変わっていくところを表現しようと思っていたので、練習とは全然違いました。そのなかで自分が音に乗れているのを感じる瞬間や、宮園さんのバイオリンと重なり合うのを感じられた瞬間がすごく気持ちよくて、最高でした。

いまの環境をありがたいと思っている

――本作もそうですが、漫画原作の作品が続いていますよね。漫画を実写化した作品のやりがいや難しさってどんなところに感じますか?
山崎賢人基本的にはオリジナルの作品と変わらないです。その役として生きて、会話ができたらいいなと思っているので。ただ原作がある場合、絶対にリスペクトしなければいけない大事なシーンが映像化されるので、そういうシーンを演じるのは難しくもありますけど、楽しいです。逆に、実際に生きている人間が演じてみたら違う動きになったりして、新しい何かが生み出される瞬間も楽しいですし、演じがいがあります。とはいっても、原作者が伝えたいことは絶対にブレてはいけないので、演じる側としてもそれは常に大事にしたいと思っています。

――原作ファンからはいろいろな反響があると思いますが、気になりますか?
山崎賢人それはやっぱり気になりますね。原作は原作、映画は映画として楽しんでいただくのが一番いいと思いますけど、原作を愛している方がたくさんいるので、いろいろな感じ方があるのは当然です。だからこそ失礼にならないようにやりたいですし、映像作品としての映画を観ていただいて、感動してもらえるように全力でやっています。
――山崎さんの場合、本作や『デスノート』のような超人気原作を任されることが多いので、プレッシャーも大きそうだなと。しかも、ヒットを続けていることが“不敗神話”とも言われたりして。
山崎賢人プレッシャーは正直あります。でも、人気漫画原作だけではなく、演じるのが難しいと感じるような作品のオファーをいただくのは毎回うれしいんですよね。この仕事をするうえではチャレンジがないとおもしろくないので。いまのこの環境はありがたいと思っています。

――以前のインタビューで「福田雄一さんのコメディに出演したい」と話していましたが、先日それが実現しましたよね(『斉木楠雄のΨ難』)。次にやりたいことをまた聞いておきたいのですが。
山崎賢人福田監督の作品に出たいと言っていたら、監督からも「ぜひ」と指名していただけて……。引き寄せの法則ですかね(笑)? 今後やってみたいのは、ちょっと泥くさい男っぽい作品です。男たちが泥だらけになって青春したりとか、友情に熱くなったりとか。もともとそういう作品が好きだったので、いつかそんな作品に出演したいです。役としては……探偵とか。引き寄せられるといいんですけど(笑)。
(文:加藤 恵/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

なごやかムードに包まれた同世代の撮影現場の様子

四月は君の嘘

 完全無欠、正確無比、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公生(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年生となった4月のある日、幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニストの宮園かをり(広瀬すず)と出会う。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格のかをりの自由で豊かで楽しげな演奏に惹かれていく公生。そしてピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。一方、かをりはある秘密を抱えていた……。

監督:新城毅彦
出演:広瀬すず 山崎賢人 石井杏奈 中川大志 甲本雅裕 本田博太郎 板谷由夏 檀れい
2016年9月10日(土)全国東宝系ロードショー
(C)映画「四月は君の嘘」製作委員会 (C)新川直司/講談社
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