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小芝風花、『あさが来た』から不遇時代を抜け出すか?

年明けからも視聴率が22%を切らず、好調が続くNHK連続テレビ小説『あさが来た』。ディーン・フジオカが演じて人気を呼んだ“近代大阪経済の父”五代友厚は、1月22日放送の第95話で亡くなったが、1月30日放送の102話から、ヒロインの白岡あさ(波瑠)の娘・千代役で小芝風花が出演。古風な顔立ちがかつらや袴と似合って、明治の娘っぽいと好評を得ている。

大作映画出演も不運が続いた

 小芝は大阪出身の18歳。2011年にオスカープロモーションが開催した、武井咲の妹キャラクターを選ぶ「ガールズオーディション」でグランプリを獲得。ドラマ『息もできない夏』(フジテレビ系)で、実際に武井の妹役で女優デビューした。

 2013年には、スタジオジブリのアニメで知られる『魔女の宅急便』の実写映画版にヒロインのキキ役で主演。いきなりの大作への抜擢が大きな注目を集めた。だが映画は興収が5億円ほどから伸びず、話題性のわりに成績は不振に終わった。

 昨年も出演したドラマ『HEAT』(フジテレビ系)が視聴率2.8%の回も出るなど苦戦。メインキャストのひとりだった映画『ガールズ・ステップ』では公開初週の興収ランキング19位で劇場の不入りが話題になったりと、不運が続いた。初の舞台『夕陽伝』では女優として学ぶことが多かったようだが、これはワタナベエンターテインメントの若手男性俳優集団D-BOYSの公演での紅一点の客演。男性ファンが観に行きづらく、知名度アップには繋がりにくかった。

 素直で真面目な人柄や、新人ならではの清々しい10代特有の雰囲気をかもしだす演技に対しては評価を受けながら、これまでいまひとつ運に恵まれていなかった。

ブレイク登竜門となった“朝ドラ枠”で追い風に乗れるか

 小芝が所属するオスカープロモーションは、上戸彩、武井、剛力彩芽らを擁する大手プロダクションだが、“本流”は彼女らを輩出した「国民的美少女コンテスト」出身組。小芝は同世代で同コンテストでグランプリを受賞した吉本実憂や後輩の高橋ひかるに比べたら、押され具合が弱かった面もある。

 そんななかで『あさが来た』は大きなチャンスとなった。千代は仕事で家を空けがちな母親のあさに反発していて、ケンカが絶えない。銀行は順調なあさにとって、頭痛の種になっている。小芝は古風な顔立ちがかつらや袴と似合って、明治の娘っぽい。寂しさの裏返しもあって、いけずを言う感じもかわいく見える。物語に登場するや、古芝演じる千代の評判は朝ドラ視聴者層の間ですこぶるいいようだ。

 物語では、千代は勉学より花嫁修業をしたいと、女学校への進学を望むあさと対立していたが、街が気に入った京都の女学校に入り、寄宿舎生活を始めた。同部屋の生徒から実業家としてあさを尊敬していると聞かされて……と、今後の母娘関係のなりゆきも気になる。

 近年の朝ドラでは、脇役からも『あまちゃん』の有村架純のようにブレイクしたり、『ごちそうさん』の高畑充希、『花子とアン』の土屋太鳳とヒロインに絡む役での出演から、後の作品で自身がヒロインになった例もある。清楚さが際立ち好感度が高まりそうな小芝も、もともとの演技の下地もあり『あさが来た』から“朝ドラ出世路線”に乗ることが十分予想される。いよいよ不遇から抜け出すか。追い風に乗れるか期待される。
(文:斉藤貴志)

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