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松坂桃李インタビュー『“攻め”の現場―― 妄想癖のある自分には贅沢な空間』

すごいものを食らった!という余韻

――劇場版に参加されて、改めて『MOZU』シリーズの魅力をどう捉えていますか?
松坂実は権藤の背景についても、仮台本のときにはなかったんですけど、完成本ではプラスされていました。裏側の事情もしっかりと押さえるけれども、深く考え過ぎると、逆にいき過ぎてしまうから、あえて表には出したくないという羽住監督の想いを感じました。そんな全貌を捉えきれない世界観、観客に完全に答えを教えない感じが、僕は好きです。“百舌の早贄”というモチーフについても、僕は権藤を演じたせいか、芸術性を秘めているように思いましたが、権藤を演じていなければ、また違うことを思うんでしょうし。“なんかすごいものを食らった!”っていう余韻を残しつつ、観終わった後にも、あれこれと自由に考えさせてくれるおもしろさを残してくれるんですよね。

――劇場版でとくに楽しみなシーンはありますか?
松坂現場ではお会いできなかったのですが、スクリーンでダルマ(ビートたけし)を観るのが非常に楽しみです。(チラシを観ながら)目だけで、誰だかわかるってすごいですよね。台本を読んだときから、楽しみにしていました。羽住さんのやりたかった、派手さ、エグさ、壮大さみたいなものは、大きなスクリーンでないと120%伝わらないと思います。

いろいろとよく妄想するんです(笑)

――『日本でいちばん長い日』やNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のような作品で、実在する人物を演じる深みを知る一方、『エイプリルフールズ』や『ピースオブケイク』、そして本作のようなフィクションで演じる楽しさは、深まっていますか?
松坂贅沢な空間ですよね。実在する方(の人生)を作品として作っていく深みみたいなものも、もちろんあるんですけれども、完全なフィクションで創り上げる人物というのは、いくらでも振り幅があるし、考え方無限大! みたいなところがあるので。妄想癖のある自分としては、本当に贅沢な世界観です。

――妄想癖があるんですか!?
松坂いろいろとよく妄想するんです(笑)。フィクションをやるにあたっても、その人物が何らかの職種に就いていたり資格を持っていたりしたら、そこの部分は調べます。けど、権藤みたいな素性のわからない人物に至っては、勝手な僕の妄想のなかで、ああじゃないか、こうじゃないか、ということを膨らませながら、現場で監督やスタッフ、キャストのみなさんと一緒に、削ったり足したりして、現場で生まれていくことを体現している感じですかね。
――権藤のイメージカラーが青というのは、松坂さんのアイディアだったそうですね?
松坂僕の勝手なやり方なんですけど(笑)、役柄に応じて、色と形と音、役のテーマソングみたいなものがあるんです。権藤は、きれいな青ではない、ちょっと変な輝きをした青。なんとも言えない光を放つ青っぽい印象がありました。そのイメージを髪の色で表現したらいいかなって、監督に提案したら採用されて。それで髪を青くしました。

――10月20日からは、ガラリと変わって、主演ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)がスタート。パルクールを取り入れた、ド派手なアクションも楽しみです。
松坂アクションって作品の個性が出るというか、『MOZU』とはまた全然、動きが違うんです。いまはすごい筋肉痛ですが(苦笑)、がんばります!

――ところで、ツイッターも始められましたね!
松坂今回のドラマを機に始めようと。好きなマンガとか、自分の趣味ばかりをつぶやいていたら、事務所スタッフに叱られました(苦笑)。「もうちょっと、作品や現場のことを言ってくれ!」と。これからは映画やドラマのことをつぶやいていきます。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

劇場版 MOZU

 高層ビル占拠爆破とペナム大使館襲撃、ふたつの大規模テロが同時発生。これらの事件は犯罪プランナー高柳(伊勢谷友介)と殺し屋・権藤(松坂桃李)を中心とするテログループによる犯行であった。彼らは、日本犯罪史の重大事件を影で操ってきた存在「ダルマ」(ビートたけし)の名のもとに、ある犯罪計画を極秘裏に進行していた。ペナム共和国を舞台に、事件の真相を追う倉木(西島秀俊)たちと、最後の敵・ダルマとの死闘が始まる……。

監督:羽住英一郎
キャスト:西島秀俊 香川照之 真木よう子 池松壮亮 伊藤淳史 杉咲花 阿部力 伊勢谷友介 松坂桃李/長谷川博己 小日向文世/ビートたけし
2015年11月7日(土)公開
(C)2015劇場版「MOZU」製作委員会 (C)逢坂剛/集英社
【公式サイト】(外部サイト)

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