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(更新: ORICON NEWS

雨が好きになる「本・映画・音楽」

<CINEMA>

王道の雨の演出は感動に値する

角川ヘラルド・ピクチャーズ

角川ヘラルド・ピクチャーズ

CHINEMA1 『日曜日が待ち遠しい!』(1983年)

「フランスのシネマムーブメント“ヌーヴェル・ヴァーグ”の雄、フランソワ・トリュフォー監督の遺作。犬猿の仲の上司が妻殺しの疑いをかけれらたことから巻き起こる、ミステリー映画であり、軽妙なコメディ映画でもある作品です。上司のジャン=ルイ・トランティニャンに恋心を抱いていたファニー・アルダンは、警察から隠れるために、雨宿りをしているカップルを装ってトランティニャンにキスをしてやり過ごします。多くの映画で、雨宿りから男女が恋に落ちますし、警察をやり過ごすのにキスを装う映画も多々あります。このシーンはそういった意味で、二重にも映画の伝統的な演出がなされていることに嬉しくなるのですが、何より2人の恋がこの雨のシーンから始まるのが感動的です。どうぞ雨の多い梅雨時に、雨宿りのキスを試してみてはいかがでしょうか?そこから何かが起こるかもしれません」

雨があるから始まることもきっとある

ポニーキャニオン

ポニーキャニオン

CHINEMA2 『愛してる、愛してない』(2011年)

「井上荒野原作の『帰れない猫』を映画化し、韓国の大スター・ヒョンビンが無償で出演した作品。突然、妻が別れを切り出した5年目の夫婦の、妻が荷物をまとめて出て行こうとする最後の1日の物語です。出ていく準備をする妻と、それを何となく見守る夫。そんな2人の家に、猫が迷いこみます。飼い主を探しているうちに、近くの橋も浸水して、妻が出るに出られない状況に。最後のディナーのレストランもキャンセルして、一緒に料理を作り始める二人がどうなるのか…。作中では、大きな言い争いやケンカもなく静かに、静かに、まるで外の雨を理由にしているかのように、なんとなく離れがたい二人を描いています。長雨の際にはぴったりの映画です。この二人のように、雨を理由にあえて答えを先延ばしにしてみると、新しい別の答えにたどり着くかもしれません」

一貫した“雨の美学”に心打たれる

東映ビデオ

東映ビデオ

CHINEMA3 『昭和残侠伝死んで貰います』(1970年)

「映画の中では、無意味に雨は降りません。特にセット撮影が多かった、往年の作品ではそうです。そしてこの作品では、高倉健さんと藤純子さんの出会いから、再会、別れまですべて雨が降ります。まずは、大きな銀杏の木の下で、複数の人間から殴られた健さんが雨宿りしているところに、番傘を持った藤純子さんが通りかかって出会います。そして、再会した時にも雨が降り、警察に連行される健さんを見送る時も雨が。徹底的に、雨の美学に貫かれた作品を見れば、映画の中の雨が好きになるでしょう。特に再会した時に、藤純子さんが健さんに、『この雨は、もうどこにもやらずの雨よ』と言うシーンはしびれます。雨と共に進む2人の物語に注目してください」

雨の中は、素直に思いを伝えられる

20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン

20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン

CHINEMA4 『フォー・ウェディング』(1994年)

「友人の結婚式で出会った女性に恋をするが、独身貴族を気取り結婚にネガティブなためにフラれ、右往左往し、真の愛を見つけるストーリーを、ラブコメの帝王ヒュー・グラントが主演します。恋した女性に婚約者を紹介され、他の人と結婚しようとしても、やっぱり想い続けた相手と最後の最後で結ばれるという、ハラハラドキドキさせてくれる王道ラブコメ映画です。雨の中のキスはたくさん映画には描かれていますが、この作品では雷鳴まで轟くドラマチックなシーンに注目を。雨の中ようやくお互いの想いをぶつけあい、結ばれる様子は、この上なくハッピーしてくれることでしょう。愛の告白をするなら、あえて、ドラマチックに心が動く雨の中でしてみは」




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代官山 蔦屋書店
シネマコンシェルジュ
上村敬さん

『代官山 蔦屋書店』は「次世代のTSUTAYA」をコンセプトに、本・映画・音楽を取り扱うだけでなく、文房具、トラベルカウンターなど、人生を楽しむためのコンテンツを豊富にそろえる。ライフスタイル提案型の店舗の草分け的存在として、新たな読書体験を創造。周辺には『代官山 蔦屋書店』を中核としていくつもの小さな専門店が集結する。「コンシェルジュ」は、豊富な知識を持ち、顧客ひとりひとりに対応できるプロのスタッフ。上村氏は特にカメラワークが面白い映画に精通している。
http://real.tsite.jp/daikanyama/

<推薦作品の詳細はこちら>
『日曜日が待ち遠しい!』
『愛してる、愛してない』
『昭和残侠伝死んで貰います』
『フォー・ウェディング』

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