テレ東・佐久間宣行氏、テレビ局社員の枠を超えるテレビ番組の“モノづくり”
ラジオで語る「モノづくりの裏側」に込めるエンタメへの想い
そこにはこんな想いがある。「もともと僕はポップカルチャー好きで、いろいろなエンタメ作品を追いかけて福島から東京にきました。マンガ、音楽、舞台、映画が好きなまま大人になって、今は配信番組も観ます。昨今のような可処分時間の奪い合いのなかで、映像コンテンツがスマホゲームに勝つか負けるかの時期に、メディアの縄張り争いをするより垣根を越えたほうがいいし、純粋に世の中におもしろいものが増えたら楽しい。そのきっかけになればと思ってやっています」。そして、ラジオでは「よく笑うエンタメ好きのおじさんが喋っていると思われ、おもしろがってくれている気がします」とリスナーからの手応えを感じている。
「僕にしか語れないことは、テレビのモノづくりの裏側。作り手の顔がみえる番組のほうが視聴者から信用されます。同じバラエティでも、紋切り型でどういう人が作っているかわからない番組よりも、制作者の色がある番組のほうがしっかりとファンがつきます。それに、根っこの部分で僕は、番組制作のおもしろさを伝えたい。テレビはもうエキサイティングな業界とは思われていませんが、映像づくりのノウハウを学び、ブッキングの人脈を作る最短の道があります。だから僕はそのおもしろさを喋るのかもしれません」
そんな佐久間氏がキャリア20年のなかで大事にしているのが「企画書」だ。ラジオでは「企画書はラブレター」というコーナーで、企画を考える楽しさを伝えている。
「20代の頃は、平日は毎日ノートに企画のタネを書き、週末にそこからペライチの企画書に昇格させることを繰り返していました。企画募集があると、たくさん溜まった企画書のなかから1つを決めて必ず出し、それを続けていたら、会社からキャラクターを理解してもらうようになっていきました。組織のなかでそれはとても重要なこと。そうなると、自ずと他部署から声がかかったり、やりたいことができるようになっていきます」