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【受賞インタビュー】脚本家・大石静氏が語る『大恋愛』「見る人をこんなに幸せにするコンビはいない」

若い人が熱い恋をしない時代、ラブストーリーを見たい視聴者は多い

――今作では小説が1つのポイントになっていたと思います。
大石静小説を書くのは大変でした。プロデューサーにもっと小説の部分が多い方がいいと言われて苦しめられました(笑)。私は小説書きではないから、脚本を書くのとはわけが違って、小説的文章で小説的な表現をしなければいけないのは、今回のチャレンジだったところです。家の本棚のいろいろな小説を引っ張り出してきて、表現を勉強しました。

――いまのテレビ界では、『おっさんずラブ』のような斜めから攻めたラブストーリーがあるなかで、なかなか真っ直ぐな恋愛ドラマを作るのが難しいという声も聞きます。いまラブストーリーを書く難しさを感じることはありますか?
大石静『おっさんずラブ』は斜めから攻めてますか?あれこそ真正面だと私は思いますけど(笑)。環境ホルモンのせいなのか、今は若い人たちの性欲が著しく減退しています。恋をしても軽くおいしいものを食べて、軽くエッチして終わりみたいなつき合い。だけど、そんな時代でも、私の書いた濃密なラブストーリーはウケますから、やっぱり誰もが、いま自分の手元にない夢を見たいんじゃないですか。現実では手に入らないような恋をドラマで見たいという視聴者は多いのに、テレビ界がそれを掘り起こしていない気がします。ただ、恋愛ものは、書く人も撮る人も演じる人も照れるので、気恥ずかしくてやらない側面もあると思います。見たいと思っている視聴者は多いのに、残念ですね。
(文:編集部・武井保之)

提供元: コンフィデンス

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