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“完全再現”の異質アニメ、『ジョジョ』シリーズプロデューサーが語る制作舞台裏と原作リスペクト

アニメだけど…「動かさない」ことが大事な場合もある

――アングル、構図、台詞の間まで原作を完全再現していますね。
大森氏もちろん、決めのコマは大事にしています。アニメーターの方たちはキャラクターを愛してますから、やっぱり動かしたくなるんです。ですが、「止めるべきところは止めてください」と話しています。得てして大事なシーンは原作でも大ゴマで、ジョジョならではの独特なポーズをしていたりするじゃないですか。そのポーズの後に動くところは動画にするべきじゃない。あのポーズがないとウソになるけれど、「アニメーターからはあのポーズをやると動けませんよ」と言われます。そこは「動かさなくてもいい」んです。

――その“体感上の完全再現”を現場と意識のすり合わせをするのが非常に大変そうですが。 アニメの1部からの流れでスタッフさんたちが独特の“ジョジョモード”に洗練されてきたのでしょうか。
大森氏最初(第1部)からそれはもう入念に行っています。「みなさん思っていることはテーブルにだしましょう」「後から“実はこう思っていた”というのは無しにしましょう」と。倒れる時はみんな前のめりで…なんて体育会系みたいなテンションで話し合いを続けています。シリーズごとに、大事な部分というものを毎回意識していますね。

――“シリーズごとに大事にしている部分”は現在の「黄金の風」ではどういうポイントでしょうか。
大森氏荒木先生もおっしゃっていたことなんですが。第5部の核は「行き場のない若者たちの哀愁」を描くことですね。彼らはギャングで、悪だが矜持はもっている。弱い者いじめはしない、女や子どもに麻薬を売る奴は許せない。でも自分達のボスがそれをやっていることに苦しんでいる。その中でジョルノがボスを倒すとブチャラティに告げるわけです。そこで、ブチャラティ(とそのチーム)に、きっと風が吹いたんです、“黄金の風”が。闘いは殺伐として悲しみがあり、はみ出し者たちの行き場のない想いを描いた漫画です。自分の人生を全うしようとすることが、周りからもすがすがしく見える。それが第5部における人間賛歌なんだと思います。

――漫画ではコマごとの静止画ですが。動画で街並みを描写するのは大変ですよね。
大森氏まさにそのために制作Pと監督3人。私でイタリアまで取材にいきました。実在する場所ですし、原作の舞台となるありとあらゆるところに行きました。イタリアって“行ってみたい”という憧れを持っている人も多い土地。その空気を感じてもらうためには作り手が体験していなければ伝わりようがない。作ったフィルムにイタリアの空気がにじんでくれればいいと思っていました。

提供元: コンフィデンス

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