賀来賢人を覚醒させた“アゲメン”福田雄一監督 『今日俺』で開放された演技派の魅力
福田雄一監督の“アゲメン”力 賀来の実力あってこその開眼
その後、ムロは『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)のシリアス役、鈴木も『花子とアン』『西郷どん』など役の幅、活躍の場を広げるとともに、そまざまな役柄のギャップも注目を集めており、一躍“時の人”となっている。福田監督はいわゆる、俳優の魅力を開眼させるアゲメン監督で、賀来の“覚醒”も福田監督との出会いによるところが大きい。ただ、いくら福田監督も、地力のない者の魅力を引き出すことは難しい。賀来に確固たる実力があったからこその、今作での覚醒だったのだろう。
『今日から俺は!!』の突き抜けた芝居で、改めて「幅広い役柄ができる俳優」の評価が再浮上、世間に拡大した賀来賢人。こうした実力のある若手俳優が一躍、第一線に躍り出る歴史の瞬間を見るのも、TVドラマの楽しみのひとつだ。
(文/衣輪晋一)