JVA発表、映像ソフト市場ほぼ横ばい レンタル減続くも動画配信20%増
また、17年1年間にセル、レンタル、有料動画配信のいずれかを利用した「有料コンテンツ利用者率」は、全体で41.7%(前年から2.3%減)。内訳を見ると、セルは17.1%(1.1%減)、レンタルは26.8%(3.3%減)、有料動画配信率は13.9%(1.2%増)。有料動画配信ユーザーが伸びてはいるものの、利用者率としてはまだレンタルユーザーの半分ほどとなる。
ユーザー数では、5年前の13年と比較すると、セルは5.3%と若干の上昇を見せており、長期的な衰退の傾向は見られず、基本的には横ばいの状況と見ることができる。一方、レンタルは22.4%減と低落傾向が続く。これに対して、有料動画配信は3.8倍の伸長を示した。
セルにおいては、全体のわずか3.2%のヘビーユーザー(年間3万円以上購入/平均金額5万1898円)が、セル市場全体の55.5%のシェアを占めている。この傾向は従来より変わらないが、その割合が13年の2.5%から17年では3.2%と、この5年間毎年わずかながら回復してきている。
JVAマーケット調査委員会委員長の森口和則氏は「セルは、この先もコレクター中心のマーケットがキープされることが予想できる。レンタルは減少が続くものの、いまだ配信の倍近い利用者がいる。配信に移行しない、レンタル店にしか行かない一定数のユーザーを大事にしたい」とコメントする。パッケージ市場の課題としては、購入金額の高かった中高年の利用者で減少傾向が見られるほか、レンタルは新作が中心となり、利益率の高い旧作をどう盛り上げていくかが挙げられる。
一方、10代のレンタル利用率がここ数年上昇傾向にある。森口氏は「利用されているジャンル、作品、どう楽しまれているかを分析中」とするが、そこからの展開が市場拡大へつなげる糸口になる可能性もありそうだ。