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20年越しのラブレターが映画に――“奇跡”がつないだ物語 石井裕也監督×妻夫木聡×佐藤浩市が語る

(左から)妻夫木聡、佐藤浩市(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)妻夫木聡、佐藤浩市(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

スクリーンに宿る“もう一つの奇跡”

 劇中で手紙を書きはじめる主人公・ナズナを演じた綾瀬について、妻夫木は「自然に人を幸せにするオーラがある」と語る。

 さらに、「彼女はわからないことをうやむやにしないんです。監督が求めているのは、言葉ではうまく説明できないような、とても繊細な感情だったりするんですけど、“どう演じたらいいのかわからない”時は、そのままぶつけてくれる。お互いオープンにやり取りできて、とても良かったです。そんな彼女がナズナを演じたからこそ、生きることや死についてもいろいろ感じられる作品になったんだと思います」

映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

 また、若手キャストについても言及。佐藤は信介役の細田佳央太について、「僕らはすれ違う親子だったので、完成した映画で初めて見る彼の姿もあって、劇中のお父さんと同じような発見がありました。多面的に役と向き合い、一生懸命に表現しようとしているのが伝わってきました」と語る。

 妻夫木も「ボクシングに関してはゼロからのスタートだったにもかかわらず、3〜4ヶ月のトレーニングで驚くほどの成長をとげていました。本当に一生懸命でしたし、すごく負けず嫌い。誰かに勝ちたいというより、自分に対してすごく厳しいタイプだと思いました」とその努力を称えた。

富久信介(細田佳央太)=映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

富久信介(細田佳央太)=映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

 石井監督は菅田が演じる川嶋勝重のボクシングシーンについて、「ボクシングにはアクションとしての面白さがあると思いますが、今回はそれだけではなく、“想いを背負って戦う姿”を描きたかったんです。だからこそ、その思いが伝わるようなボクシングの表現を目指しました。もう一つは、世界戦の舞台の表現です。あのシーンは、信介さんや川嶋さんらが思い描いていた夢を具現化した象徴的な場面でもあるので、そこはおろそかにできなかった。しっかりと力を込めて描けたと思います」と、菅田の覚悟を持った熱演を称えていた。

川嶋勝重(菅田将暉)=映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

川嶋勝重(菅田将暉)=映画『人はなぜラブレターを書くのか』(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

それぞれが見据える“これから”

  • 石井裕也監督(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

    石井裕也監督(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 3人に“これから”についても聞いた。

 石井監督は、「とにかく新しいことにチャレンジしていくことだと思っています。より良いものを目指して、一生懸命映画を作り続けていかないと、妻夫木さんや浩市さんにも出てもらえなくなってしまうかもしれない。だからこそ、かつての自分に負けないように、これからも頑張り続けていきたいと思っています」と語った。
  • 妻夫木聡(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

    妻夫木聡(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 妻夫木は、次の段階を見据える。

 「“うまくなりたい”というのは当たり前として、その“うまさ”とは何かをずっと考えています。完璧ではない自分のほうが“リアル”だと感じることもある。“うまさ”だけを追求するのではなく、弱さも含めて自分を受け入れることで、表現を深めていけるんじゃないか、もっと視野を広げていけるんじゃないかと感じています」
  • 佐藤浩市(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

    佐藤浩市(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 佐藤は芝居を“ゴルフ”に例えた。

 「芝居はゴルフと同じ。スライスの曲がり幅がどれくらいかによって結果が大きく変わるように、芝居も感情の強さやニュアンスの加減によって大きく変わる。グリーンでパッティングラインを読み間違えたらアウト。芝居も読み違えると、すべてがズレていく。もし、その読みを完全に見誤るようになったら……引退ですね」
 妻夫木が「でも、いつも冒険されていますよね」と突っ込むと、佐藤は笑いながらこう続けた。

 「ゴルフで“よくそのラインで打ちましたね”とか、“下りなのに強く打ちましたね”って言われることがあるように、芝居もそういう感覚でやりたいんです。挑戦しているつもりです(笑)」

 20年の時を越えて届いた一通のラブレター。それは一人の人生を照らし出しただけでなく、映画という形を得て、次の誰かの心を動かす“新たな奇跡”を生む――そんな予感を抱かせる作品だ。

映画『人はなぜラブレターを書くのか』2026年4月17日公開

監督・脚本・編集:石井裕也
出演:
綾瀬はるか 當真あみ 細田佳央太 / 妻夫木聡
音尾琢真 富田望生 西川愛莉 / 菅田将暉 
笠原秀幸 津田寛治 原日出子
佐藤浩市

製作幹事:日本テレビ放送網
制作プロダクション:フィルムメイカーズ  
配給:東宝
(C)2026 映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

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