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「常に批評的であれ」 故・渋谷陽一の遺志のもとロッキング・オンが“花火”に託す音楽のかたち
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rockin’star Carnival
目次
PROFILE 海津 亮
1964年東京都生まれ。キョードー東京を経て、雲母社(きららしゃ)でコンサート制作を担当。2007年にイベント部長としてロッキング・オンに入社。16年にJフェスプロデューサー、24年4月からロッキング・オン・ジャパン代表取締役社長、Jフェス総合プロデューサー。
25年間“ひたちなか”から受けてきた恩恵を守る「関係性を失いたくないという思いもありました」
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA
「参加者が主役のロックフェスを行いたい」というロッキング・オンの創設者である故・渋谷陽一氏の考えのもとスタートした「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、日本を代表するアーティストが集う日本最大の真夏の野外フェスとして、2019年までの20年間、国営ひたち海浜公園を会場に毎年8月上旬に開催。コロナ禍、2年間の中止を余儀なくされたが、「なんとか継続させたい」という思いから、2022年からは会場を千葉市蘇我スポーツ公園に移転して開催してきた。
そんな中、ひたち海浜公園とそれまで築き上げてきた関係性を継続するべく、25周年記念となる2024年には同公園でも同フェスを開催。その後も、周年記念には同公園で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を開催することを発表した。
「『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』が今のブランド力を得られた理由は様々ありますが、一番大きいのは、ひたち海浜公園という魅力的なロケーションがあったからだと思っています。20周年の2019年には6万9000人を収容しましたが、それだけ動員できて、かつスムーズな運営が可能な施設は関東圏にはなかなかありません。それに加え、ひたちなか市役所や観光協会、商工会が非常に協力的で、皆さんとの関係性をしっかり作れたことも我々の大きな財産なので、それを失いたくないという思いがありました」(海津氏/以下同)
前方で踊ったり、後方で座って花火の景色を見たり…「花火と掛け合わせで“新しい楽しみ方”を提供できる」
「エンターテインメントとしての空間演出を考えたとき、空を含めると演出する空間は巨大になるし、立体的になります。それはエンターテインメントのプレゼンテーションとして大変新しいし、面白いと実感しました」
音楽については、今、花火のBGMに使われたり、花火とシンクロさせた“音楽花火”も増えているが、『rockin’star Carnival』では、DJ和がJ-ROCKやJ-POPの名曲で構成されたセットリストをプレイするという趣向を採用。昨年5月、千葉市蘇我スポーツ公園で開催された音楽フェス『JAPAN JAM』を見ていた時に閃いたアイデアだったと振り返る。
「大規模なイベントでは、終演後、混雑を避けるために規制退場が必要ですが、『JAPAN JAM』ではそれにエンタメ性を加え、DJ和さんに30分間アクトしてもらい、見たい人は残るという形をとってきました。すると、和さんを目当てにする観客が増えて、キラーコンテンツ化しまして。何より会場の雰囲気が本当にピースフルで、多幸感に溢れていったのを見て、これを花火と掛け合わせたら新しい楽しみ方を提供できるのではないかと考えました」
クロージングアクトで人気のDJ和氏
「花火といえば、静止して夜空をじっと見つめるのが一般的ですが、DJ和のアクトでは、みんなが体を揺らして、踊っています。花火でもそれを楽しむスタイルが作れると思いました」
もちろん、中には音楽に耳を傾けながらも、じっとしたまま花火を鑑賞したい人もいるだろう。「それもひたち海浜公園なら可能」と海津氏。
「会場がとにかく広いので、体を揺らしながら楽しみたい人は前方に集まって、ゆっくり花火を観たい人は後方の席にいるという形がとれます。それぞれの好みのスタイルで自由に楽しめるというのもまた新しい花火大会になるのではないかと思っています」
「『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』は、酷暑対策とゲリラ豪雨などの気象環境の変化に対応するべく、今年、8月開催から9月のシルバーウィーク開催へと移行しました。花火は特に天候の影響に弱いですし、それに秋のほうが今の時代は快適な空間でパフォーマンスを楽しんでもらえます。花火大会は8月にやるものという概念は割と柔軟に崩れていっているのではないでしょうか」
故・渋谷陽一氏が掲げた想い「アーティストの世界観や楽曲の魅力を独自の解釈で空に描く」
同イベントのプロデューサー・代表取締役社長の海津亮氏
さらに、今、音楽ライブでは、楽曲の世界観を彩るうえでいろいろなエフェクトを使った空間演出のバリエーションがテクノロジーの進化とともに増えています。フェスでアーティスト側が持ち込む演出も多様化・複雑化しております。だから花火でも出来る限り理想的な形で提示したいという想いがあります。ステージのムービングライトの色味から、レーザーなどなど、いろいろなものを駆使して、1曲ごとを演出したいと考えています」
「アーティストが作ったオリジナル楽曲の世界観を、日本を代表する花火演出家・花火師たちによる花火という視覚効果とシンクロさせて、ロッキング・オンならではの解釈でプレゼンテーションする。そこがこのイベントにおいて我々の伝えたいメッセージです。従来の花火大会とも音楽DJイベントとも違う、まったく新しいエンターテインメントの中で、新しい音楽体験をしていただけたらと考えています」
今後についても「魅力的な楽曲はまだまだたくさんあるので、花火との創造力の掛け合わせをしていくと無限大。テクノロジーの進化と共にどんどん演出も膨らませていけるような大きなイベントとして定着させられたら」と目を輝かせる海津氏。まずは、その第一歩となる経験したことのない音楽×花火体験を今秋、堪能するチャンスかもしれない。
rockin'star Carnival(ロッキンスター・カーニバル)
各プレイガイドにてチケット一般発売中!
https://rockinstarcarnival.jp/(外部サイト)
◆rockin'star Carnival
日程:2025年10月4日(土)
会場:国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)
時間:開場 11:00/開演 12:30/花火開演 18:00/終演 19:15 (予定)※雨天決行(荒天の場合は中止)
各プレイガイドにてチケット一般発売中!
https://rockinstarcarnival.jp/(外部サイト)
◆rockin'star Carnival
日程:2025年10月4日(土)
会場:国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)
時間:開場 11:00/開演 12:30/花火開演 18:00/終演 19:15 (予定)※雨天決行(荒天の場合は中止)




