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原田泰造&中島颯太がマンガ実写化に感じた“責任”、昭和のおじさんドラマに「こんな経験は初めて」
左から)中島颯太、原田泰造 撮影:草刈雅之 (C)oricon ME inc.
昭和のおじさんの常識を“アップデート” 話題のマンガがSPドラマ&映画に拡大
LINEマンガ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
(C)Zim Nerima/LINE Digital Frontier
原田泰造 プレッシャーではないのですが、練馬ジム先生たちが、ドラマのとき1話1話観ながらXのスペースで感想を言っているのを、全部聞いていました。とにかく愛情がすごいんです。沖田家に誰かが帰ってくると「お帰り」って…(笑)。
原作者の方が、実写化ドラマを楽しんでくださる様子を目の当たりにするのは、僕は初めての経験だったんです。こういうことって大事だなと、より責任感が強くなりましたね。
――それは役者としてうれしいことですよね。先生方は、誠を原田さん、大地を中島さんが演じると知ったときはどんな思いでしたか?
練馬ジム先生(ネーム担当) 原田泰造さんのお名前を聞いた時は、正直驚きました。自分たちでも「ドラマ化するなら誰だろうね」なんて想像はしていたのですが、原田さんは全く思い浮かんでいなかったんです。でも、いざお名前を聞いてみたら「わ、すごく合っている!」と思いました。自分たちの想像をはるかに超えていましたね。
中島颯太さんに関しても、私が描いた大地くんというキャラクターは、ある意味「こんな人いないだろうな」と思いながら、存在しないキャラクターとして描いていた部分があったんです。でも、中島さんが演じているのを見た時に、「あ、大地くんって存在するんだ!」って、すごく感動しました。
ひっそり始まった連載が、映像化を重ねるまでに成長
左から)中島颯太、原田泰造 撮影:草刈雅之 (C)oricon ME inc.
練馬ジム先生(作画担当) もう、「こんなことになるとは…!」という驚きの連続です。特に連載を始めた頃はコロナ禍ということもあって、編集さんと私たち3人でずっとこぢんまりと、コソコソ作っていたような感覚だったので(笑)。ドラマ化自体、全く想像していませんでした。
それだけでもすごくびっくりしたのに、出来上がったドラマが本当に素晴らしくて、もう超満足だったんです。そのドラマが終わって、3ヵ月後くらいに映画化のお話をいただいて…。嘘なんじゃないかと思いました(笑)。
練馬ジム先生(ネーム担当) 私自身、この作品を描くまではずっとBL作品を中心に描いていたので、BL以外の作品で自分が描ける自信があまりなかったんです。だから、とにかく連載が打ち切られないように必死でした。自分を試すような気持ちでずっと描いてきた作品だったので、まさかこんな展開になるとは夢にも思っていなくて…。何がどうなっているのか、今もまだよく分かっていないような、不思議な気持ちで見ています。
中島颯太 出演した僕も、本当にびっくりしました。ドラマを撮影している時は、映画化の話は全くなかったので。皆さんに作品が届いて、このような展開になったことが本当に嬉しいです。マネージャーさんから映画化の話を聞いた時は、思わずガッツポーズしました(笑)。
原田泰造 僕も本当にびっくりしましたし、嬉しかったですね。自分の中では、沖田誠というキャラクターはアップデートし切ったと思っていたんですが、まだ映画になるほどの物語があったんだなと。
「大地くんが現実にいた」中島颯太の演技に原作者が感動
「沖田誠」を演じた原田泰造 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.
原田泰造 最初に原作を読ませていただいた時、沖田誠という男が、息子の友人である大地くんに出会い、彼を通じて自分自身をアップデートしていく姿が、本当に面白くて感動的だと感じました。自然と頭の中に映像が浮かんできて、「これはドラマになったら面白いだろうな」と。登場人物たちが生き生きとしていて、すぐに「やりたい!」と思いました。
中島颯太 まず、原作のストーリーが本当に面白くて、読み進めるうちに勇気をもらったり、笑わせてもらったりしました。登場人物全員に共感できるし、それぞれがアップデートしていく姿が素晴らしい作品だなと。
――誠、大地というキャラクターについてはいかがでしたか?
原田泰造 ものすごく気持ちが分かりましたね。誠は、これまで彼なりに一生懸命生きてきたけれど、時代の変化についていけず、半ば諦めていた。そこに大地くんという存在が現れて、彼自身も進化していく。その姿にはすごく共感しました。
中島颯太 大地くんという役については、僕自身が「こういう人になりたい」と思いながら生きてきたので、彼が誰に対しても肯定的な姿勢で接するところや、「好き」という気持ちに対する力強い意志を持っているところに強く惹かれました。
この作品が僕にとって初めての連続ドラマ単独出演作品で、最初に大地くんを演じさせていただけたことを、本当に誇りに思っています。大地くんという役は、僕にとって初心に帰れるような大切な存在になりました。
誠と大地の“共闘”に進化を実感 スペシャルドラマの新たな展開
「五十嵐大地」を演じた中島颯太 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.
中島颯太 スペシャルドラマでは、大地くんと誠さんが、昔の誠さんのような考え方を持つ徳重聡さん演じるキャラクターと対峙して、2人でそのキャラクターを変えていく、アップデートさせていくという姿が描かれています。ドラマ本編では、大地くんが誠さんをアップデートしていましたが、今度は2人で…というところにまた新たな進化を感じました。
原田泰造 映画版の話ですが、僕も、誠が随分成長したなと思っていたら、昔自分の言動のせいで退職してしまった部下が、取引先の相手として現れるんです。その時、誠がどう向き合うのか、どうケジメをつけるのか。演じながらも、胸が痛くなるようなシーンでしたね。あと、カルロスがやっぱりグレードアップしていて、彼の成長も観て欲しいですね。
――スペシャルドラマや映画を楽しみにしている方へメッセージを。
練馬ジム先生(作画担当) みんなそれぞれ大切なものや好きなものがあるし、事情は違っても頑張って生きている、ということを思い出してほしいです。映画には新しいキャラクターもたくさん登場しますが、みんなそれぞれ事情を抱えながら頑張って生きている姿に共感できると思います。
練馬ジム先生(ネーム担当) みんなそれぞれ生きづらさを感じていると思うんです。時代の変化についていくのも大変ですよね。でも、それはみんな同じ。沖田家みたいに、好きなものがあっても辛いことはあるけれど、みんな工夫して頑張って生きている。そういう姿を見て、少しでも気持ちが楽になったら嬉しいです。
原田泰造 ドラマも映画も、沖田家のみんながそれぞれ好きなものに向かって邁進していく姿が描かれています。そして、それを周りが「それでもいいんだよ」と理解していく。これが未来の形だったらいいなと思います。ぜひ観てほしいです。
中島颯太 本当に、正解不正解がない世の中なので、自分が好きなものを自分らしく突き進んでほしいです。『おっパン』をみていただいて、何が好きであっても安心して好きでいてほしいなと思います。
取材・文/磯部正和 撮影/草刈雅之
Information
(C)Zim Nerima/LINE Digital Frontier
沖田誠48歳。世間の常識・偏見で凝り固まった彼には“最近の若者”が理解できない。 上司にお茶を注がない女性、メンズブラ愛用の部下、そして引きこもりの息子…。 そんなある日、ゲイの青年・大地に出会う。 初めてのセクシュアリティに思わず拒絶してしまうが、次第に彼の魅力に気付き、友達になることに。 そして知る、「その人の趣味や指向を他人が干渉するのはナンセンスだ」と。 そう正に、おっさんのパンツがなんだっていいように!“人として”の成長を誓うおっさんは、無事に“自分の中の常識”をアップデートできるのか!?
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(C)練馬ジム | LINEマンガ・2025 映画「おっパン」製作委員会
7月4日(金)公開 『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』