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黒島結菜、『夏目アラタの結婚』で見せた怪演のココがスゴい【インタビュー】
映画『夏目アラタの結婚』とは
「原作を読んでいても、脚本を読んでいても、本性が全く見えない、何を考えているか全くわからないキャラクターだったので、本当に私に演じられるのだろうかという不安が最初は大きかったです」。一方で、「やったことがない役だからこそ挑戦してみたいという思いもありました」。
メガホンを取った堤幸彦監督とは、映画『十二人の死にたい子どもたち』(2019年)や配信ドラマ「SPECサーガ」シリーズを経て、今回が5作目。主演の柳楽とは8年ぶりの共演となる。「お二人がいてくださるなら、難しい役だけれども現場を信頼してチャレンジしようと決めました」。
ガタガタの歯並びの再現がスゴい
肥満体型のピエロに変身した特殊メイクがスゴい
原作リスペクトがスゴい
中盤まで柳楽や弁護士役の中川大志らと、撮影の合間に雑談さえしないほど役に没頭していたという。「拘置所の面会室や裁判のシーンは一連で撮ることが多かったので、台詞や細かい演出を覚えるだけで手一杯でした。本番中も面会室はアクリル板で隔てられていましたし、法廷でも一人でポツンといる感じで、常に孤独を感じていました。真珠も寂しかったんじゃないかなって。彼女の言い分に共感できるとは言えないけれど、ちょっとわかるなという気持ちは生まれました。彼女なりに人との関わりの中で、誠実に向き合おうとしているのではないかと感じました」。
完成した映画を観て、「真珠が面会室のガラスを割るシーンなど、現実離れしたキャラクターの心理状態を表現したシーンが映像でしっかりと描かれていて、原作へのリスペクトを強く感じられる映画ができたと思います。自分で演じたのに、自分ではないような感覚があり、とても不思議な気持ちでした。堤監督、スゴい!と思いました」。
本作で黒島が新境地を切り開いたことは、疑いようがない。
女子高生役も「まだいけそう」でスゴい
「以前は、今よりもっと自分に自信がなくて、『私でいいのかな?』という気持ちが強かったですし、うまくできそうもないものは避けてしまいがちでした。でも、最近は『いらないか、そういうの』って思えるようになりました。朝ドラのヒロイン(2020年前期連続テレビ小説『ちむどんどん』)を経験したことが大きなきっかけだったと思います。長期の撮影を乗り切るために、メンタルや体力の維持を考え、たくさんの共演者やスタッフの方々とのコミュニケーションで鍛えられました」。
『夏目アラタの結婚』では女子高生の制服のような衣装も披露しており、インタビュー中には「(女子高生役も)まだいけるかな」といたずらっぽく笑った場面も。一方で、これまであまり縁がなかった職業ドラマについても、「教師、医師、弁護士などの役をやってみたいです。昨年は声の仕事にも初挑戦させていただいたのですが、これからもっと幅を広げていけたらいいなと思っています」と意欲を見せていた。
予告編
監督:堤幸彦
出演:柳楽優弥 黒島結菜 中川大志 丸山礼 立川志らく 福士誠治 今野浩喜 平岡祐太 藤間爽子 / 佐藤二朗 / 市村正親
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)乃木坂太郎/小学館 (C)2024映画「夏目アラタの結婚」製作委員会