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「歯医者に犬?」治療嫌がる子どもと親から反響、「危険はない? 衛生面は?」数々の問題クリアし認められた20年

 歯医者が嫌いな子どもは多く、治療や検診に通わせるのに苦労している親も多いだろう。そんな中、「子どもが喜んで通う」「なかなか帰らない」ほど人気の歯医者が、茨城県に実在した。数少ない小児歯科であり、なんと犬が子どもたちをサポートするという。子どもが犬を抱えた状態で歯の治療を受ける…となると、「危険では?」「衛生的にどうなの?」という声も確かにあった。実際、どのような診療が行われているのか。パレットデンタルクリニック・鈴木伸江先生に聞いた。

歯医者嫌いの子どもたち、ケアできる小児歯科に通わせたくとも数少なく

小児歯科で働く犬の仲間たち

小児歯科で働く犬の仲間たち

――鈴木先生は20年前に犬のいる小児歯科を始めたとのことですが、当時はどんな状況だったのですか?

鈴木先生 定期健診なども多くなった現在と違い、当時はやはり「歯が痛くなったらくる」という人がメインでした。とくに子どもは嫌がる子が多く、なんとか治療に来ても我慢ばかり。小児歯科医としては、歯医者さんってそんなに嫌なところじゃないよ、と思いながら治療していました。

――実際、今も歯医者さんが嫌いな子どもは多いですよね。

鈴木先生 そうですね。小児歯科医は子どもの心理についても勉強して、歯科治療に対してのマイナスのイメージを抱かない工夫をしますが、一般歯科の先生方は大人の治療で大変ですから仕方ないかもしれません。それであれば、できることなら小児歯科医に通わせたいと思うかもしれませんが、専門医が少ないのが現状です。

――親御さんにとっては小児歯科というだけでもありがたいのに、先生のクリニックには犬がいて、お子さんたちが喜んで通っていると。

鈴木先生 半分遊びに来ているような感じです(笑)。治療前は待合室で犬が子どもたちの対応をしてくれますし、診療室ではユニット(診療用チェア)に上がって、ずっと応援してくれる。治療が終わったあとも犬と遊んで、なかなか帰らない子がいるくらいです。今では5頭の犬たちが当番制で担当しています。

子どもを見守るセラピー犬や救助犬、20年間「子どもを咬んだり傷つけたことは一度もない」

  • 鈴木伸江先生と“ちにた”

    鈴木伸江先生と“ちにた”

――治療のときに犬がそばにいると、危ないのではないかという気もしますが。

鈴木先生 犬はほぼ動きませし、これまで子どもを咬んだり傷つけたことは、一度もありません。犬たちは子どもの上にうつ伏せや仰向けの姿勢で乗ったり、お股の間に入ったり。犬の温かさを感じるだけで、子どもたちは安心して治療に臨めるようですね。

――たしかに、大人でも安心しそうです。

鈴木先生 しかも面白いもので、犬は本当に治療が怖い子には寄り添うのですが、単にわがままで嫌がる子には寄り添わないんです(笑)。そうした見抜く力があるから、こちらが教えられることもあります。あと、セラピー犬(病院や老人ホームなどで人間を癒す犬)でもあるせいか、障害のあるお子さんのことはすぐわかるよう。こちらが気づく前に、車までお迎えに行ったりするんですよ。

きっかけはセラピー犬との出会い、歯科特有の強いにおいや音もなんのその

  • 犬との治療で笑顔になる子どもたち

    犬との治療で笑顔になる子どもたち

――そもそも犬を導入したのは、どんなことがきっかけだったんですか?

鈴木先生 私がもともと犬を飼っていたのですが、その流れでセラピー犬のことを知り、飼い主さんと出会ったんです。当時、子どもたちを笑顔にするには? 犬を治療室に入れるのはどうかな?と考えていて、相談したところ快く協力ししてくださいました。

――それが、初代のフローラという犬ですね。

鈴木先生 はい。とはいえ、歯科では強いにおいのある薬剤を使うし、歯を削るキーンという音もする。犬には耐えられないのではないかと思ったのですが、まずはお試しとしてフローラに短時間来てもらいました。そうすると、薬にも音にも反応しない。事情をご理解いただいた親御さんも、お子さんもすごく喜んでくれました。

――まさに、子どもたちが笑顔になった。

鈴木先生 そうですね。フローラだけでは寂しいと思い、もう1頭、救助犬として訓練されたミニチュアダックスのジュンにも入ってもらいました。フローラはゴールデンレトリバーで大型なので待合室で、ジュンは小型犬なので子どもたちが抱きかかえる形に。ジュンの飼い主は看護師さんでもあったので、みなさん安心されていました。

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