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(更新: ORICON NEWS

大混戦の有馬記念! 「”競馬の本質”と向き合い楽しさ実感してほしい」プロ馬券師の想い

2021年有馬記念でラストランを飾ったキセキ

2021年有馬記念でラストランを飾ったキセキ

 競馬界で一年の総決算となる有馬記念。今年はクリスマスイブの開催予定となっており、同レースが24日に開催されるのは2017年以来、およそ6年ぶりのこと。だが今年は、昨年の同レースを制し、ファン投票でも1位となったイクイノックスが引退を表明。そして11月のジャパンカップでイクイノックスと熱戦を繰り広げたリバティアイランド(ファン投票2位)も年内の休養がアナウンスされた。上位2頭が不参加となった現状を踏まえて「今年の有馬記念は大混戦になる」と予想するのは、登録者数11万人超えの人気YouTubeチャンネル「競馬全レース予想TV」である。そこで今回は同チャンネルの運営者に、今年の有馬記念の見どころとともに、近年の「競馬ブーム」への熱い思いを聞いた。

「応援している馬が勝つとうれしい」ファン心理、有馬記念が盛り上がる理由

 これまで数多くの名勝負、名レース、そしてドラマが生まれてきた有馬記念は、なぜここまで人々を魅了するのか。同氏は「“競走馬に感情移入をしやすいレースである”というところが大きいと思います」と話す。

「競馬って単なるギャンブルのように思われがちですけど、多くの競馬ファンは競走馬のストーリーに感情移入している方が多いです。例えば伝説の名馬、トウカイテイオーは、大怪我を乗り換えて1年ぶりの復活劇を成し遂げたり、その他にもディープインパクト、オルフェーヴル、有馬記念は数々の名馬が選んだ引退レースにもなっています」
 有馬記念のファン投票というシステムはある種、“推しの馬”を応援するという行為とも言える。それは昨今の「ウマ娘」ブームなどにも通じるところがあるのかもしれない。

「やはりファン心理としては、自分が応援している馬が勝つと嬉しいですよね。それはその馬が持つ物語に感情移入しているからだと思うんです。『ウマ娘』も、馬を擬人化したことによって、競走馬たちにはこんな思いがあったのか…というような、感情移入ができる仕組みになっていた。だからこそ、あれだけ流行ったと思うんです。競馬だってそうですよね。その馬のストーリーを知っていくと、気付いたらその馬を目で追っていくようになる。競馬好きな人って自然にそうなってしまうものなので(笑)」と同氏。

 ファン投票上位2頭は不在だが、今春の天皇賞を制したジャスティンパレス(人気投票3位)や、今年の有馬記念でのラストランを表明しているタイトルホルダー(人気投票4位)など、出走を表名している注目馬は目白押しとなっており、実力は伯仲。混戦模様となった。「競馬ファンとしては、イクイノックスが出走する姿を見たかった。どんな脚質でも、どんな競馬場、どんな相手でも、すべてを打ち負かす能力を持っています。ガチガチの大本命だったことは間違いないです。しかし、今年は大混戦になると思うので、予想家としてはオッズ面で期待ができそう。先が読めなくなったからこそ、今から予想するのが楽しみというのが正直な感想です」。

エンタメとして広がる競馬コンテンツ、「本物」の予想家を見抜くコツとは

 ひと昔前の馬券予想師のイメージといえば、地方競馬場にいる「場立ち」と呼ばれる予想家を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。その日のレース展開などを独特なリズムとテンポで朗々と語りあげる「口上」には、多くの競馬ファンが引き込まれていった。だが今はSNSやインターネットの発達により、競馬予想を発信する人たちの傾向にも様々な広がりがある。

 YouTubeコンテンツに関していうと、過去の名レースに焦点をあてたもの、競走馬に愛着がもてるような流れで作られている動画も数多い。また、霜降り明星・粗品氏のように、独自の予想に高額な資金を突っ込んでその様子を報告する破天荒なスタイルも人気を集めている。競馬予想を自身のライフスタイルと合わせて発信する人々も登場し、競馬というコンテンツ自体が“ギャンブル”の枠にはとどまらず、“エンターテインメント”の領域にまで広がっている。

 コンテンツとして幅を広げた一方、「色んな予想家が増えることにより、視聴者様からすると"本物の実力がある予想家を見抜く必要性"が出てきた」と同氏。現在YouTubeでは11万人以上もの登録者に加え、オンラインサロン"プロ馬券師養成所"には1500名を超えるメンバーが在籍している。競走馬とレース展望を徹底的に分析、熱量のある解説を繰り広げ、オンラインサロンでは予想の方法や競馬で勝つための取り組み方、考え方まで明かしている。予想家としては、自分たちの手の内を明かさないのが定説なイメージがあるが、情報を発信する意義をどのように捉えているのか。

 YouTubeで投稿を開始し、情報をアップしていくうちに、次第に視聴者から「もっと詳しく教えてほしい」といったリクエストが届くようになったという。「他YouTubeの予想家は魅力的な方も多いのですが、複勝に大金を賭けたり、根拠の薄いデータ予想をアップしたり、エンターテイメント性が強いなと感じていました。それはコンテンツとして楽しめますが、逆に我々は現役のプロ馬券師だからこそできる“競馬の本質”を世に発信したいと思ったんです。それこそ競走馬の馬体の見方や馬券の買い方、予想の仕方、分析方法…論理的に頭を使えば、競馬は飛躍的に上手くなります。

 ネット上には『一攫千金で一発逆転』『穴馬券で大もうけ』といったような刺激的な文言の情報が多いからこそ、そうした“裏技”的な情報におどらされるのではなく、実直に“プロの勝ち方"を見て競馬の楽しさを知ってほしい」。

 「手の内を明かすことは、怖くもなんともない」と同氏。

「私達も、どれだけの失敗をしてきたことか…(笑)。たくさん負ける時もありました。でも、何でこんなに負けるんだろうと考えた時に"明確な理由"があった。これに気付けるかが競馬の勝負の世界では鍵になる。そういった内容をオンラインサロンでお伝えしています。我々の最大の武器は総合的な観点から予想ができることです。しかし、この“総合的な観点から予想する”ことは正直、予想家でも殆どの方ができていない部分なんです。なにせ膨大な知識量が必要となるので。そこを教えられるのが自分たちプロの強みだと思います」

 予想ができるようになるまでには、どんなに少なく見積もっても2〜3年はかかるという。「すぐに勝てるということはありません。そんなことができるなら、今ごろ誰でも億万長者になれますからね。長期的な取り組み方で小さな積み重ねと経験を増やしていくことが大切だと思います」と同氏。

「我々の世界で一番困るのは、自分が賭けた馬のオッズが下がることなんですけど、今の競馬の規模感ってものすごく大きいので、そこまで影響はないというのが正直なところなんです。予想の手法を明かしてもデメリットがない。むしろ競馬界全体で見れば、メンバーの方々の予想が上手くなって、「競馬が昔より楽しいです!」とコメントをいただけることが増えました。これは自分たちの大きなモチベーションになります」

 今週末には1年の総決算レース、有馬記念が控えている。

「1年で1番結果が求められるレースです。最高の結果で終えられるように一生懸命考察します。そして、新しい競馬ユーザーの方々には有馬記念で、ぜひ競走馬との出会いを感じてほしい。今年も全馬無事に、熱く、感動で震えるようなレースを楽しみにしています」

取材・文/壬生智裕
競馬全レース予想TV

PROFILE 競馬全レース予想TV

YouTubeチャンネル登録者11万人超えの人気競馬YouTuberであり、現役プロ馬券師。月額4290円のDMMオンラインサロンプロ馬券師養成所には1500名を超えるメンバーが在籍。10年以上競馬に注力。競走馬とレース展望を徹底的に分析、熱量のある解説を繰り広げ、オンラインサロンではリアルタイム推奨に加え、予想の方法や競馬で勝つための取り組み方、考え方を発信している。

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