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大手コンビニ3社が相次ぎ「公式本」を出版、高まる“ファンブック”需要 出版界×多企業コラボ急増の背景

Famichiki SPECIAL BOOK/LAWSON OFFICIAL BOOK/セブン‐イレブン 50th Anniversary FANBOOK

Famichiki SPECIAL BOOK/LAWSON OFFICIAL BOOK/セブン‐イレブン 50th Anniversary FANBOOK

 1つの冊子で多彩なテーマが楽しめる、ファッションの最新トレンドを追える…そうした醍醐味から愛されてきた雑誌だが、趣味が多様化し、流行にとらわれないライフスタイルが広がる中、出版界にも変化があるようだ。これまではアパレル・コスメ業界との繋がりが強かったが、近年では飲食店、コンビニ、航空会社など、多種多様な企業とコラボし、それぞれのファンブック、豪華付録付き本を作る動きが活発化している。「本離れ」が囁かれてから久しいが、あらゆる企業が出版社と組みたがる背景に何があるのか。

航空会社に飲食店も… 人気チェーン店ファンブックシリーズは累計80万部を突破

 6月にローソンの公式ブックが発売されると、9月にファミリーマートの「ファミチキ」公式ブックが発売され、11月には「セブン-イレブン」の50周年記念ファンブックが、いずれも宝島社より出版された。
 ローソンの『LAWSON OFFICIAL BOOK』は、おなじみのミルク缶の看板ロゴをあしらったルームライト(3,289円)、トークバック(2,299円)、ポーチ(2,189円)がそれぞれ付録となった3種で、誌面では牛乳屋から始まったローソンのルーツや豆知識を紹介。
 また、ファミリーマートの『Famichiki SPECIAL BOOK』は、ファミチキのパッケージそっくりなエコバック(1,639円)とポーチ(1,969円)が付録の2種展開。ファミチキが100円引きになる割引券2枚付きで、誌面にはファミチキにまつわるトリビアが掲載されている。
 そして、『セブン‐イレブン 50th Anniversary FANBOOK』は、2種デザインのエコバッグ(各2486円)が付録で、誌面ではHIKAKINがイチオシ商品を紹介するインタビューや、50年のあゆみすごろく、歴代ユニフォーム、世界の店舗などが紹介された。
 馴染みのあるコンビニの看板や商品、ユニフォームなどがあしらわれた限定付録は多世代にリーチし、SNSでも話題に。コンビニだけでなく、3月にはANA公式ブック、7月にANA×ロイヤルハワイアンのブランドブック、11月にはJALと共同開発した多機能バッグ付きの本が発売されるなど、航空会社とのコラボブックも相次いで登場。
 そのほか、会計がお得になるパスポート付きのCoCo壱番屋、PRONTO、ステーキハウスブロンコビリーなどの公式ファンブックも今年次々と発売された。飲食をはじめとする人気チェーン店とのコラボは2020年頃から開始しており、これまでリンガーハット、串カツ田中、はま寿司、はなまるうどん、一風堂、銀だこ、吉野家、BIG ECHO、星野リゾート、2nd STREETなどのファンブックも出版され、累計80万部超を記録している。

出版社コラボは企業側にも販路確保、新規顧客開拓のメリット 書店も客層に広がり

 多様なコラボラインナップが拡大した背景には、コロナ禍があった。元々はファッション誌とのつながりから、アパレル・コスメブランドとのコラボが多かったが、外出自粛を受け、人々の関心は“外出時のおしゃれ”から“おうち時間への充実”に移った。それを受け、冊子付録もタンブラーやルームライトなど、家で楽しめる物、生活用品、推し活グッズなどにシフト。アパレル・コスメ企業以外でのやり取りも増えていくようになったという。

 同時に、YouTubeやVODの普及により、情報を「受け取る」のではなく、「選ぶ」風土が定着。自分の好きな物を、好きな時に、好きな分だけ楽しみたいというマインドが強まる中、出版界においても、数多くのテーマが詰まった雑誌よりも、1つのテーマをとことん深掘りしたムック本やファンブックなどで、好きな人にだけ届ける動きが活発化した。
 企業にとっても、流通の確保ができている出版社とのコラボのメリットは大きい。出版物とコラボすることで、商品を全国のコンビニや書店で大規模に販売することができ、ブランドの認知向上や新規顧客の開拓も見込めるからだ。ファンにとっては、身近な販路で、お気に入りのブランドや企業の商品をお手頃に購入できる機会となる。加えて、コンビニや書店にとっても客層を広げる好機となり、出版×企業コラボは三方良しの施策なのだ。

 その上で、特に宝島社が注力しているのが付録。もはや「本を買いに行く」というより、「付録を買いに行く」感覚の読者も多いだろう。様々なアイテムをA4サイズのパッケージに梱包することで、ブランドブックのターゲット層と近い雑誌やムックエリアへの陳列を狙うことができる。一方、コンビニエンスストアでは中身が見える透明のパッケージを採用し、目的客以外の目にも留まりやすく、売上を伸ばすことに成功した。
 中でも、ホテルマイスター監修の枕付き「天使の深睡眠マクラ」シリーズは、縦31×横50×高さ14cmのどでかサイズで、コンビニや書店で一際目を引く存在感を放っていた。低反発も高反発も合わないという人でも、一流ホテルの上質な眠りを自宅で体感できるのが売りで、シリーズ累計145万部を突破。

 雑誌同様、付録ならではのお得感も重視している。同商品についても、3000円ほどでホテル仕様の枕が手に入ると考えれば、かなりお値打ちだろう。
 今月も新たに、山崎製パンのロングセラー商品『北海道チーズ蒸しケーキ』のぬいぐるみ付きファンブックが発売されると、予約開始後、即日完売。その2日後に発売前重版を決定するなど、話題を呼んでいる。人々の趣味や関心がますます細分化していく中、ブランドやお店だけでなく、1商品にフォーカスした本も、今後ますます増えていくのかもしれない。

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