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出荷率わずか0.3%以下…メリットほぼゼロの“和式トイレ”はこのまま絶滅するのか? TOTOに聞く
1977年には洋式と和式の出荷数が逆転 2015年にはJIS規格から除外も…
ただし洋式トイレそのものは明治時代から日本に存在しており、主に外国人の利用の多い高級ホテルや洋館、帝国議会議事堂などに設置されていた。
「1917年創立のTOTOが日本で初めて国産化に成功したのが、実は洋式トイレだったんです」と明かすのはTOTO広報の松竹博文さん。TOTOの前身は高級食器メーカーのノリタケであり、創立者がヨーロッパ視察で知見を得た衛生陶器(浴槽、洗面台、便器など)を、「日本人の衛生的な生活文化のために」と研究に乗り出したのがその始まりだった。
2015年には和式トイレがJIS規格から除外。もはや工業製品として“なきもの”とされているのが和式トイレの現在地だ。
一方、全国の小中学校における洋式化は57%、我慢する子の増加&衛生面からも“洋式化”求める声
一方で全国の公立小中学校のトイレの洋式化は2020年時点で57%(文科省調べ)にとどまっており、子どもたちがトイレを我慢するなど健康にも影響を及ぼしている。
「私たちが参加している『学校のトイレ研究会』でも、洋式化を推奨しています。和式トイレは便器の周りに飛沫が飛びやすいため、臭いの原因になるだけでなく、靴で踏むなどして菌を外に拡散させてしまいがち。また濡れた床も菌が増殖しやすい要因です。感染症対策のためにも学校をはじめとする施設のトイレの洋式化、床面清掃の乾式化は強く勧めたいところです」
コロナ禍には「誰が座ったかわからない洋式トイレに抵抗感がある」との声も一部にあったが、TOTOの調査によると「便座面よりも手の方が雑菌の数が多かった」とのこと。さらに「スマホの表面には便座の10倍の菌が付いている」といったアメリカの大学の調査もある。和式or洋式に迷うよりも重要なのはやはり手洗いのようだ。