韓国ミュージカル特集『若者文化の発信地、韓国・テハンノで活況を呈する創作ミュージカル』
どうとらえてどう受け入れてくれるのか楽しみ―― チ・チャンウク
現在日本で放映中のドラマ『蒼のピアニスト』(TBS系)や『僕らのイケメン青果店』などへの出演ですでに日本でも人気のチ・チャンウク。今年は韓国で話題のミュージカル作品への出演が続くが、『兄弟は勇敢だった?!』のメインキャストのひとりとして日本上陸! その直前、韓国・テハンノの稽古場で話を聞いた。
――大学時代からミュージカルをやっていたそうですね。【チャンウク】 21歳の学生のときにテハンノの小劇場のオーディションを受けて、出演しました。ミュージカルは、学生の頃から漠然と楽しそう、おもしろそうと興味を持っていて。歌はもともと大好きでしたが、ダンスは出演するなかで訓練していきました。
――ドラマにも出演していますが、映像作品とミュージカルとの違い、魅力とはどんなところでしょう? 【チャンウク】 映像は瞬発力が重要。与えられたものをその瞬間瞬間できっちりと演じて、そこからは編集の力もかりて作品として完成します。ミュージカルは、稽古に加えて3ヶ月の公演期間を通して、日々なにかを模索したり自分のなかで新しいものを見つけ出したりします。そこには葛藤もあり、長い時間のなかで大変な思いもするけれど、それがすべて表現の形になります。ミュージカルのほうには、自分のなかで探していくものがあるという違いがありますね。
――日本にもたくさんの韓国ミュージカルが入ってきています。韓国ミュージカルの魅力とは? 【チャンウク】 日本のミュージカルをあまり観たことがないので難しいですね……。でも、魅力のひとつは役者がもつエネルギーだと思います。それが『兄弟〜』にはよく表れています。一人ひとり実力のある人たちが力をあわせて楽しく稽古をして、そのなかで楽しい作品を作り上げているので、それが魅力につながっているのでは。『兄弟〜』は、本家の長男という特殊な環境にある家族の話で、とても韓国的な物語なので、日本のお客さまがどうとらえて、どう受け入れてくれるのかをとても楽しみにしています。
――日本のステージに立つことについてはどんな心境ですか? 【チャンウク】 初めての日本での公演になりますので、もちろん緊張しています。でも、稽古場でがんばればがんばるほど、その緊張がいい成果としてステージに出るということもわかっていますので、今は必死に稽古をがんばっています。たくさんの方に観ていただいて、その方々によろこんでいただくことが一番の望みです。
――役者として大事にしていることとは? 【チャンウク】 すべてに対して一生懸命になること。それがいい意味でいろいろなことにつながっていくんじゃないかと思います。
――今年に入ってミュージカル3作品に出演していますね。 【チャンウク】 1月から『あの日々』の稽古がスタートして、夏は『兄弟〜』、そのあと9月まで『ジャック・ザ・リッパー』の公演があって、ずっとミュージカルづいています。それ以降は未定ですが、いい作品の話があれば、ミュージカルに限らずドラマや映画でも挑戦したいと思っています。
――忙し過ぎないですか? 【チャンウク】 忙しくて、最近は医者と仲良くなっています(笑)。自分で健康管理はきちんとしなくちゃいけないので、最高のパフォーマンスをお見せできるように気を配っています。なので、日本公演が決まって、最初に聞いたのは病院のことです(笑)。
――日本でおいしいものを食べる予定は? 【チャンウク】 スタッフの方が役者を連れておいしいものを食べに行くのが恒例だと聞いているので、それを楽しみにしています(笑)。
(文:武井保之)
公演情報
兄弟は勇敢だった?!
韓国ザ・ミュージカル・アワードのベスト小劇場ミュージカル賞受賞作品。これまでに5回の再演を重ね、観客が選ぶ一番人気のあるミュージカルにも選ばれている。
ストーリー:
兄のソクボンと弟のジュボンは父親の訃報を聞き、3年ぶりに安東の実家に帰ってくる。久しぶりの再会にもかかわらず、2人は会うや否や口げんかを始める。葬式が行われる日の夜、美しく神秘的な女性オ・ロラが兄弟を訪ねてくる。法律事務所から来たというロラは、亡くなった父親が宝くじの1等を当て、実家のどこかにその当選券が隠されていると告げる。
見つけたものが賞金を独り占めしてもいいという遺言に、事業に失敗したソクボンと、就職に失敗したジュボンは、人生の逆転を夢み、宝くじとロラを手に入れるため壮大な兄弟げんかを繰り広げる。やがて2人がみつけた真実とは……。
作・演出:チャン・ユジョン
出演:キム・ドヒョン チ・チャンウク <7/30(火)〜 8/15(木)>
キム・ジェボム チョ・カンヒョン <8/16(金)〜 9/1(日)>
公演スケジュール、チケット情報など詳細は【公式サイト】へ
(C)AMUSE
韓国エンターテインメント 特集&インタビュー 一覧
関連リンク
・テハンノ現地レポート!先鋭的な演劇文化の発信地
・チャン・ユジョン[演出家]ヒット作を続々!演出ポリシーとは!?