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猫もマダニに注意、ノミによる貧血で命の危険も…「猫を外に出すことはおすすめしない」
猫の目にマダニが…、外飼いだけでなく一軒家にも注意が必要
ある猫には、目の上に何か出来物があるのが見て取れた。イボか何かかと思われたが、よくよく見るとぷっくりと血を吸ったマダニ。すぐに薬を付けてマダニを駆除したが、このような例は多く、野良猫に限らず飼い猫でもよくあるという。
「中外自由飼いの場合はもちろんですが、外に出していなくとも、一軒家の場合はどこかからマダニが入ってきて、猫にくっつくことは多いです。マンションではあまり聞かないですね」
マダニは人間の血も吸うが、猫の血も吸う。
「そこは猫も人間も共通です。血を吸われたことに気づいても、無理に取ろうとしないでください。そうするとクチバシの部分が体内に残ってしまい、膿んでしまいます。マダニを殺してから取り除くように、病院で処置してもらうのが良いと思います」
ノミの巣窟になったガリガリ猫、ひどい貧血に「猫を外に出すことはおすすめしない」
「この子は四国の島にいた猫で、捨てられたか迷ってしまったのだと思われます。すごく馴れていたのですが、エサ場を探すことができなかったのか、ガリガリで。大量のノミにたかられて血を吸われ、ひどい貧血のために去勢手術ができないくらいでした」
その名も「ガリ山ノミ男」と名付けられたこの猫は、「手術できないならこのまま元いた場所に戻す」と言われたが、それでは生きていけないと、ボランティアたちの尽力で『ねこけん』が引き取ることに。その後、ガリガリの貧血状態から回復し、やっと手術を受けることができた。
「一口にノミと言っても、子猫の場合などは血を吸われて貧血がひどくなり、輸血が必要になったり、最悪死に至ることもあります。人間でも、刺されてかゆみが出ることもありますよね。ノミが媒介する瓜実条虫という寄生虫もいます。ノミは外から少しでも家に入ってくると、繁殖してしまいます。とくに温かいところで増えやすいので、多頭飼育の現場などでは冬でもノミだらけ、という事例は多いですね」
マダニにしてもノミにしても、猫はもちろん人間にも影響を及ぼすだけに、注意したいところ。最近では、奈良公園の鹿にマダニが付いているため不用意に触りすぎないように…との注意喚起も話題になったが、猫とてそれは同じ。野良猫だけでなく飼い猫だとしても、普段外に出している場合は、とくに気を付けるべきだろう。
「こうした問題もあるので、基本的に猫を外に出すことはおすすめしません。できるだけ室内飼育を心がけてもらえたらと思います」
ちなみに「ガリ山ノミ男」と名付けられた猫は、『ねこけん』ですっかり元気を取り戻し、すでに譲渡会にも参加。ノミだらけだった保護当時とは打って変わり、意外に美形なことも判明した。“前髪”のような顔の模様もキュートで、譲渡会に訪れた人たちから「かわいい!」という声が多く上っていたという。ノミに蝕まれ、ガリガリで汚れきっていた「ガリ山ノミ男」は、やっと本来の姿を取り戻した。これからきっと、外の世界で味わった苦しみを忘れるほどの幸福が待っているはずだ。
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— KIRIMIちゃん.【公式】 (@kirimi_sanrio) July 21, 2023