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(更新: ORICON NEWS

行先不透明だからこそ“ポイ活”にハマる男性が急増 “節約”だけでなく“投資思考”も後押し

 日々の生活を通してポイントを貯め、賢く利用していく「ポイ活」。女性が節約のために活用しているイメージが強かったが、テレビや雑誌、WEBなどのメディアでも特集され、ポイント貯めに勤しむ男性が急増中。背景には、コロナ禍や値上げラッシュなども大きく影響しているようだ。節約術からスタートした「ポイ活」に男性がハマる理由と、今後のトレンドについて、ポイ活サイト『ワラウ』を運営するオープンスマイルのメディア事業部・白畑眞澄さんに聞いた。

節約意識の高いユーザーに注目され「貯めて賢く使う」がメインに

  • 『ワラウ』サイトより

    『ワラウ』サイトより

 「ポイ活」とは“ポイント活動”の略で、ポイントを貯めたり使ったりすることで、暮らしを豊かにする活動のこと。貯める方法は、商品の購入やサービス利用時など様々で、利用方法もポイントで日用品の購入ができたり、マイルへの交換ができたりと多岐にわたる。

 1999年に懸賞サイトとしてスタートした『ワラウ』は、もともと企業が提供するプレゼントや景品にネット経由で応募し、当選すると賞品や旅行が当たるシステムを運営。しかし2000年中盤からは、懸賞より確実にポイントが貯まるポイントサイトが、節約意識の高いユーザーから注目されるように。そのため、同サイトも2003年にポイントサイトとしてリニューアルした。

 同サイトを例にとると、ポイントが貯まる仕組みは主に5つ。1つ目の「広告利用で貯まる」ものは、サイトを経由して提携する際とで買い物をすると、同サイト内のポイント(ワラウポイント)が貯まる。それをTポイントやdポイント、Pontaポイント等に交換し、商品購入等に利用ができるのだ。

 ほかにも、クレジットカードの発行、銀行口座の開設、アプリゲームの利用などでポイントは貯めることが可能。他の仕組みとしては「アンケートに答える」「雑誌を読む」「レシート投稿」「ゲーム」などがある。

 同サイトの現在のユーザー数は260万人で、男女比は女性が約65%、20〜30代が全体の約半数を占める。高年齢層のほうが、広告利用以外の貯め方も利用している印象があり、「年齢ごとに余暇時間が異なるため」と白畑さんは分析する。

「ポイ活=節約」の概念に変化、男性へのハードルも下がった2つのきっかけ

  • 自らも将来を考え、ポイ活に取り組んでいるという白畑さん

    自らも将来を考え、ポイ活に取り組んでいるという白畑さん

 節約というイメージから女性、特に主婦層から注目されていた“ポイ活”が、男性にも広まってきたのは、2020年頃からだと白畑さんは指摘する。主なきっかけは2つ。1つ目は、QRコードやその他スマホ決済の普及でポイントに触れる機会が増えたことだ。それまであまりポイントを気にしていなかった男性も、ポイントを貯める体験をし、ポイ活をはじめるハードルが低くなったのだ。

 そして2つ目は、2020年頃から各社証券会社を筆頭にポイントで投資できるようになったこと。
「コロナ禍で先行き不安なこともあり、投資を始める20〜30代が増えました。大きな金額を投資に回すのは難しいため、“ポイントで補いながら将来に備えよう”という方が、一定層いるのではないかと考えております」

 『ワラウ』では、2018年頃に25%程度だった男性が、現在は35%程度へ増加。ポイントを貯める嬉しさや楽しさを経験したことが、男性がハマるきっかけの大きな要因になったのではと、白畑さんは分析する。
「近年は、若い男性も節約や貯蓄の意識が強い方が多く、実際に証券口座の開設数が伸びていることからも、その傾向が見て取れます。ポイ活は節約だけでなく、貯めたポイントで投資まで出来るため、節約・投資思考の方との相性が非常に良く、必然的にハマっていくと感じております」

 白畑さん自身も、2019年から将来の資産形成を考え、株式投資を始めてから本気でポイ活に取り組むようになったという。
「例えば、『この1万円分のポイントを、投資信託に回して、年利5%で運用できたら、20年後には、2.5万になっている!』…こんなことを想像しつつ、ワクワクしながらポイ活をしております(笑)」

 男性に特化した商材として、スーツショップや男性向けカミソリ等はあるが数は多くない。それよりも人気は、スマホアプリやゲームに関する広告。それに加え、男性ユーザーは、クレジットカードの発行に関する広告などは大量のポイントが獲得できるため、特に若い世代には魅力的な案件となっている。節約思考の女性とは異なり、ポイントの還元率や投資目的というマインドが、男性のポイ活のモチベーションとなっているようだ。

ウエル活・ポン活・陸マイラー…次に来る“ポイ活トレンド”は?

  • レシートを利用したポイ活も徐々に広まりつつある

    レシートを利用したポイ活も徐々に広まりつつある

 昨今、ポイントを使ったり貯めたりできる店舗も多く、それが新規顧客の獲得や来店促進につながることも。ユーザー側もポイントの種類により、その日来店をする店を決める、という選択肢にもなっている。

 Pontaポイントを使った“ポン活”や、ウエルシア薬局でお客様感謝デーに商品をTポイント決済すると実質33%オフになる“ウエル活”など、次々と生まれる人気の「ポイ活」。また、クレジットカード決済やポイントサイトを活用して、飛行機に乗ることなくマイルを貯める“陸マイラー(おかまいらー)”という言葉も、多くの人に知られるようになっており、SNS上でお得術を公開する配信者も散見される。

 サイト運営から20年以上経つ『ワラウ』に次にくるポイ活トレンドを、レシート投稿でポイントが貯まる“レシ活”だと予想する。レシ活とは、対象商品をスーパーやコンビニで購入し、アンケート回答とレシート投稿をすると、後日ポイントが付与される仕組みだ。

「サービスのリリースと同時に、サッポロビールを購入してレシートを投稿することで、商品価格と同じ値段のポイントを進呈したのですが、お申込みが殺到いたしました。お客様にとっては、大人気のビールが実質無料でもらえるという部分に価値を感じていただいたと思います」(白畑さん)

 昨年、横浜市では「レシ活VALUE・レシ活チャレンジ」というキャンペーンを実施。アプリや各店舗で行なっていた「ポイ活」が市区町村を巻き込む取り組みにも発展してきている昨今。主婦の節約術という概念はもうなくなり、楽しく、賢くポイントを貯めたり使ったりすることが年代を超えて広まっている。コロナ禍も落ち着き外出が増えたタイミングで、「外出時にもらったレシート」が使えることが、次のポイ活トレンドの大きな鍵になりそうだ。
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