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“初体験”に失敗し、トラウマ抱える元カップルが再会…長編初挑戦の作者が描く“恋愛の障壁”の向こう側
“初体験”の時に交わした言葉が、長年引きずるトラウマに
――本作では、恋愛に未熟な二人が初体験の場で交わした言葉の行き違いが、それぞれのトラウマとなります。それは長い間、二人の関係のわだかまりになるだけでなく、お互い“恋愛”において一歩を踏み出せない障壁となってきたわけですが、先生は、恋愛におけるそうしたシチュエーションでのトラウマは、心に長く傷を残すと思いますか?
里村さん初体験なんてセンシティブな場面で、“あんなこと”を言ったら、そりゃトラウマになっちゃいますよね…。本作の場合、お互いがずっと思い合ってきた幼なじみであったが故に、余計傷が深かったのだろうと思います。やっぱり自分が言われて嫌だなと思うことは他人に言っちゃダメです。
――タイトルもインパクトがありますが、どのように決められたのですか?
里村さん『デキないふたり』といっても、(初体験の)行為そのものだけを指しているわけではなく、素直になることがデキない、恋愛がうまくデキない、過去を忘れることがデキないなど、いろんな意味がこもっているんです。担当さんと一緒にいろんな案を出しながら考えて、結局シンプルでインパクトのある「デキないふたり」というタイトルになりました。
――人生初の長編マンガとは思えないほど、読み応えのある作品に仕上がっていますね。
里村さんありがとうございます。本作のプロットは連載のお話を頂いてから、新たに考えたものです。それこそ、長編のストーリーを考えるなんて初めてのことだったので、まず何かインパクトがある出来事を主軸に物語を作っていこうと思いました。それが初体験での出来事です。
トラウマを乗り越えて近づく二人「試練を乗り越えてどうなっていくか見届けてほしい」
里村さん頭の中でキャラクターに自由に動いて恋愛してもらうことですかね…。あんまり胸キュン描こうと意識しない方がいいもの描ける気がします。私の場合。胸キュンは本当難しいです。
――“胸キュン”シーンが難しいとは意外でした。他に初の長編ゆえに苦労されていることはありますか?
里村さん絵を描くのは好きなんですが、得意ってわけではないのでとにかくマンガを描き上げることに未だに苦労してます。
――連載していくことの難しさを感じます。でも作品では登場人物の過去が明らかになりながら、“今”の関係や気持ちが複雑に絡まりつつ進んでいく物語が緻密に描かれています。物語の展開を考える上で注意していることは?
里村さん読んでて「ん?」とならないようなるべくキャラクターの心情は分かりやすく丁寧に描くようにしています。特にこだわっているのは、黒瀬のキャラクター。それでこの物語の面白さが結構左右されると思うので。ヘタレだけどかわいい奴って気持ちを常に持ちながら描くんですが、たまに黒瀬がイケメンであることを見失うので、そこは気をつけないとな…といつも思っています。
――今後二人の関係はどのようになっていくのでしょうか?
里村さんこれから最終章に入り2人に試練が訪れます。心身共に通じあった2人がどう向き合っていくのか、最後まで皆さんに見届けて頂きたいですね。
――本作は先生にとってデビュー作ながら、昨年山本舞香さんと板垣瑞生さん主演で実写ドラマ化されました。
里村さんスペシャルドラマなので、短い時間の中で物語を収める必要があり、どうしても原作通りとはいかなかったんですが、それでも実写ならではの楽しいドラマにしていただいたと思います。主演のお二方とも奈緒や黒瀬のキャラクターを汲み取って、素敵に演じてくださいました。「ありがとうございました!」という気持ちでいっぱいです。
不器用な人間が好きなので描きやすい「器用にこなせないから努力する」
里村さんとにかく楽しんで欲しいです!私も昔からマンガが大好きでワクワクやドキドキをたくさん頂いたので。私のマンガを通して笑ったりキュンとなったりして貰えればこれ以上ない幸せです。
――本作や、先生の他の作品を拝見すると、さまざまな“不器用な人たち”の恋愛を描かれているように思いました。ご自身の中で、なにか意識をしてこういった作品を描かれているのですか?
里村さん意識してというよりは、私が好きなだけです。私も不器用な人間なので、描きやすいのかもしれません。器用にこなせないのでみんな努力するんですよね。私はそういう人を見ると「頑張れ!」って気持ちが湧いてくるので、相手を想って精一杯一生懸命に恋愛している人を描こうと常に思ってます。
――最後に、今後の目標は?
里村さん今が精一杯なのでこれからのことはあまり考えていませんが、自分が生み出した大好きなキャラクターたちを、もっともっとたくさんの方に愛してもらえるように、マンガを描き続けていきたいと思います。