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マンガも“タイパ”が大事? 復讐や無双など「スカッと」展開が好まれるwebtoon、相次ぐ新規参入で変わる未来

韓国発webtoonが席巻するなか、クオリティ求める日本マンガのDNAが芽吹く

 一方、年間ランキングの上位のほとんどを韓国発のwebtoon作品が占めているのも特徴的だ。とはいえ、今年も終わりに近づいて早くも新たな動きが見られるという。

 「すでに今年ランクインしている『かたわれ令嬢が男装する理由』のほか、『先輩はおとこのこ』が大ヒットしたぽむ先生の新作『ノアは方舟』、『路上伝説』、『神血の救世主』、『まぁるい彼女と残念な彼氏』など、日本発webtoonの人気が急激に加速しています。この背景は、今年になって日本でもwebtoonスタジオが急激に増加したこと。大手出版社のほかにも、ゲーム会社やアニメ会社といった他業界からの新規参入が相次ぎ、さらに個人のwebtoon作家も増えています」

 ラインナップはまだまだ韓国作品が多いが、クオリティに遜色はなく、むしろ日本のマンガファンを満足させている側面もあるようだ。

 「韓国のwebtoonスタジオは成熟しており、人気作品の安定供給を可能にしています。一方で日本のマンガの良さは、やはり作者と編集者の二人三脚体制。綿密に取材を重ね、ストーリーを練り上げるといった作品作りで多くの歴史的名作を生み出してきました。そうした日本のマンガのDNAを受け継いだwebtoonが、今後さらに増えそうな兆しがあります。どちらが良い悪いではなく、作品の多様性が増していくことが何より楽しみです」

 当初、横読みマンガに慣れ親しんできた日本のマンガファンの中には、webtoonに懐疑的な声も少なくなかった。しかし今では「縦/横」といったフォーマットへのこだわりよりも、「面白いマンガが読みたい」という共存の姿がランキングからも窺える。日本のマンガ業界にさらなる活性化をもたらすであろうマンガアプリと、webtoonの今後の動向に注目したい。

(文:児玉澄子)

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