ORICON NEWS
大手術で「両足バキバキ」から完全復活した子猫、おばあ猫と仲良し生活
骨が飛び出してしまう可能性も…両足骨折の子猫、相談者のがんばりで大手術に臨む
『ねこけん』は受け入れ先を探し、また手術費用も工面しようとしたが、相談者から「何十万する手術代はなんとかこちらでかき集めます!」との申し出があった。
「猫を保護したくても、家庭や仕事の事情で難しい人もいます。それでもこの相談者さんは、いろいろなところからお金をかき集め、少しずつ協力して出し合ってくださったと聞きました。たまたま出会っただけなのに、そこまでがんばってくださった。むーちゃんは本当に幸運でした」
こうして、無事に手術にこぎつけることができたむーちゃん。調べてみると、後ろ脚の関節部分の骨が折れ、もう一方の足も太い骨が折れていた。複雑で時間のかかる手術だったものの、外科の腕は日本でも指折りだという動物病院の院長が手術をしてくれることになった。
「本来であれば100万程度はかかる手術を、『ねこけん』と保護主さんの愛護精神に免じて先生が安くしてくださいました。これもまた、むーちゃんの幸運です。大手術ではありましたが、うまくいって本当によかった」
折れた骨をビスとスプリント(医療装具)で固定されたむーちゃん。術後は『ねこけん』ですべて引き受けることとなったが、大手術だったわりに意外にもむーちゃんは元気だった。不自由な体のまま、立ち上がって歩き、スプリントを外したがる。よく動く子猫だったが、こうして無事でいられるのも、相談者や獣医師たちのおかげだ。だが、その後、むーちゃんの受け入れ先について問題が起こった。
「救いたい」の思いを繋ぎついに完全復活、半身不随のおばあちゃん猫と仲良しに
こうして、両足がバキバキだった子猫むーちゃんは、やっと落ち着ける場所を得ることができた。最近では完全復活し、Iさん宅にいる半身不随のおばあちゃん猫「キューピー」とべったり。優しいおばあちゃんにくっつき、いつも一緒にすごしているのだとか。同じく、脊髄損傷の猫「うずら」、保護犬たちとも仲良しだ。
大変なケガを負っていたむーちゃんだったが、相談者、獣医師、預かりボランティア、そして『ねこけん』と、多くの人々の連携により救われた。ラッキーだったというのは簡単だが、その根底にはそれぞれの「救いたい」という思いと努力があり、愛があっただろう。そして、いよいよむーちゃんをめぐる愛のバトンは、次の手に渡る準備に入った。
「元気になったむーちゃん。もうそろそろ里親募集ができると思います」
次のバトンを受け取るのは、きっとむーちゃんの新しい家族。つながった愛と命が、しっかりと幸せに歩きだすことを願いたい。
■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)
■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)