今年で創業45周年を迎える大手芸能事務所・アミューズが16日、富士山麓の新本社『AMUSE VILLAGE（アミューズ・ビレッジ）』をグランドオープンさせた。昨年7月に本社移転を発表して以来、注目を集めていたこの本社移転。都心のオフィスとは違う環境作りを目指し、長い構想期間を経て完成した『AMUSE VILLAGE』を訪問した。

オープニングセレモニーの様子

結束力を高めて新たなモノづくりを、個性豊かな施設の数々

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  オープニングセレモニーに登場した中西正樹社長（左）と山梨県知事・長崎幸太郎氏

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  『AMUSE VILLAGE』外観　写真：片山よしお

　『AMUSE VILLAGE』がオープンしたのは、富士山を臨む山梨県の富士河口湖町、西湖のほとり。雄大な大自然に囲まれた、静かで落ち着いた場所に位置する。もともとホテルだった場所を活用しつつ、社員たちとディスカッションを重ね、徹底的にこだわって完成に至った。16日のオープニングセレモニーで同社・中西正樹社長は、「心と身体の健康を第一に考え、その上でコミュニケーションを深め、絆を強め、感動を創っていく」と宣言。「これまでの渋谷オフィスを活用したリモートワークと連動しながら、アミューズらしい働き方を実践し、よりモノづくりに集中して想像力を高める場所にしたい」と、抱負を述べた。

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  レイクオフィス

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  UFOキャチャーをアップサイクルした個室　写真：片山よしお

　そんな同所は、さまざまな個性的な施設が、自然あふれる広々とした敷地内に配されている。まず、「モノづくりの強化、チームの結束力を高める」ことを目的とした施設としてあるのが、アイデアが生まれるきっかけを作る「レイクオフィス」。ここには、使われなくなったUFOキャッチャーをアップサイクルした個室デスクなどもあり、ユニークで快適な空間となっている。

　また、体育館として使われていた建物をリノベーションした開放的なラウンジ空間「TAI-IKU-KAN」や、「レイクホール」、「撮影スタジオ」、「レッスンルーム」は、まさにモノづくりにはぴったりな場所に。ほかにも、SDGsを体現する素材を生かした宿泊施設、BBQなどが楽しめる屋外施設、ジムなど、アーティストや社員、その家族の心身の健康に寄与する施設が数多く存在する。

　また、施設のところどころにアートが配され、感性を刺激してくるのも『AMUSE VILLAGE』らしさ。なかでも、屋外の芝生エリアに建てられた、キノコの世界をモチーフにしたコンビネーション遊具は圧巻だ。子どもたちが楽しめる遊具はもちろん、ライブやイベントで舞台としても使用できるウッドデッキ、ツリーハウスのような建物など、見ているだけで心が躍る。芝生エリアは今後、地元の子どもたちに開放することも考えているそうだ。

山梨からエンタメやカルチャーを発信、西湖では独自の水遊び「HOBIE」も

　一方で、「山梨から新しいエンタテインメントやカルチャーを発信したい」との思いも、同所には込められている。西湖キャンプ場にある「ホビースペース」では、燃料を使わない独自の足漕ぎ装置で水遊びできる「HOBIE」も。それ以外にも、同社アドベンチャー事業部が中心となり、大人から子どもまで楽しめる”FUN OUT！プロジェクト”がすでにスタート。テーマパーク・富士すばるランドの敷地を活用したイベントなども実施している。中西社長が、「魅力的なコンテンツがたくさんある山梨について学び、研磨していく。地元の方々と山梨を、日本を盛り上げて、世界に発信したい」と語った通り、山梨県との地域経済の活性化へ向けた拠点となりそうだ。

　『AMUSE VILLAGE』のレイク1Fには、ネオンアーティスト・Waku（ワク）氏による、こんな言葉が掲げられ、光りを放っている。「IT’S COMING SOON.」、新しい世界は、すぐそこに。『AMUSE VILLAGE』がエンタメと地方創生の両面でハブとなり、どんな新しいものを作り出すのか、注目したい。