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「肉球が大変なことに!」汚れきって保護された猫、迎えた家族に幸せな思い出のこす「出会ってくれてありがとう」
「肉球が大変なことに!」、汚れきった猫がうずくまっていたワケ
「通報してくれたのは、シェルターを無料で提供してくれた、とてもお世話になった方でした。その方が、『うずくまって動けない猫がいる』と教えてくれました」
保護に向かってみると、その動けない猫の毛はボサボサでガリガリに痩せている。口からはヨダレをたらし、お尻のあたりはウンチやオシッコ、何かよくわからないもので大層汚れていた。連れて帰る車でも、窓を開けないと苦しくなるほどのにおいが充満するほどだったという。
「猫は本来きれい好きなんです。それがここまで汚れきってしまったのは、この猫の肉球が大変なことになっていたからだと思われます」
実際、すぐに動物病院で診察してみると、肉球が破裂したようなひどい状態になっていることが判明。これでは、痛くて動けず、汚れてうずくまることしかできなかったこともうなづける。また、ヨダレをたらしてしまっていた理由も判明。口腔内や唇が腫れあがり、歯もない。おそらくゴハンも痛くて飲み込むことができず、ガリガリに痩せてしまったのだろう。
汚れを落とすため、何度も何度もシャンプーしてきれいにしたこの猫は、同じような肉球の症状があった猫ピーポーにちなみ、ピッピと名付けられた。そして、肉球の治療も開始。診察によると、ピッピの肉球はケガなどではなく、アレルギー性のものとのことだった。
「実は猫にはよくある症状なんです。ビブラマイシンという薬を4週間ほど服用すれば、だいたいよくなります。繰り返し症状が出ることもありますが、多くは問題なく過ごせますね。ピッピはよく人馴れしていたので、飼い猫だったのかもしれません。もしかしたら、症状が出たせいで捨てられてしまった可能性もあります。薬さえ飲めば治ること、飼い主さんには知ってほしかったですね」
最期は温かい家族のもとで猫生をまっとう、「幸せになることに、年齢は関係ない!」
肉球を腫らし、汚れ切ってうずくまっていたピッピ。保護されてからは痛いところもなくなり、あまつさえ優しい家族を手に入れた。きっと、幸せを感じることができたに違いない。そんなピッピは5月24日の夜、虹の橋へと旅立っていった。腎臓が悪くなっていたということだ。
ピッピの家族は、「ピッピと出会わせていただき、ありがとうございました」と、「ピッピの猫生を託してくれてありがとうございます」と、『ねこけん』に感謝の言葉を告げた。『ねこけん』も同じ思いだったと、ブログに綴られている。そして、「幸せになることに、年齢は関係ない!」とも。
「高齢の猫ちゃんの譲渡は簡単なことではありません。非常に難しい、と言ってもいい。ただ、人間と同じように猫の寿命も延びています。ハードルは高いですが、なんとしても最後まで幸せに暮らせるようにしてあげられたらと思っています」
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