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芸能人の利用者も増加…僕らが半年で”アプリ婚”した理由「コロナ禍で出会いが激減」

アプリ上でマッチングしてから半年ほどで結婚した池田大地さん・裕子さん(仮名)

アプリ上でマッチングしてから半年ほどで結婚した池田大地さん・裕子さん(仮名)

近年、拡大傾向にあるマッチングアプリ市場。先日もタレントの新山千春と交際男性との出会いがアプリだったことが話題になるなど、一般社会だけでなく芸能界にも広がりをみせている。一方でその利用には「どこか不安」「真面目な出会いができなそう」といった否定的な意見も根強くある。マッチングアプリの実態とはどのようなものなのか。実際に“アプリ婚”したカップルと、アプリ運営会社に話しを聞いた。

利用には抵抗なし、一方で年配者には報告しにくい“アプリ婚”

 市場の拡大と利用者の増加がうたわれるマッチングアプリだが、その認知度や印象は、年代によって分かれる。若い世代ほど認知・利用状況ともに高い傾向にあり、高齢になるほどネガティブなイメージが強い。先日、アプリ婚した都内在住の会社員・池田大地さん(仮名・26歳)と会社員・池田裕子さん(仮名・27歳)も、夏に予定している挙式を前に祖父母や親族への説明に悩んでいるという。

「8月に挙式を予定しているんですが、出会いのエピソードをどうしようかなって…。友達や同僚、両親には言えるけど、祖父母や親族にはなんだか言いにくくて…」(裕子さん)

 もともとアプリの利用にまったく抵抗がなかったというふたり。「先輩にすすめられて利用した」という大地さんも、マッチングアプリは身近なサービスで、出会いの選択肢のひとつだと話す。それでも年配の身内に報告しにくいのが現状だ。

 その要因のひとつに、マッチングアプリがトラブルの温床になりやすいという負のイメージが挙げられる。実際、一部の悪徳業者が営業目的のために恋活・婚活マッチングアプリを使っている報告や、プロフィール詐称によるトラブルなども耳にする。お互いに出会うまで、いくつかのアプリを利用していたという大地さんと裕子さんのカップルも被害を口にする。

「学歴詐称していた人と会ったことがあります。公開しているプロフィールで高学歴だったのが印象的だったので、すごいですねって話題にしたら、本人が自ら学歴はウソだと言ったんです。ウソをつくような人は信用できませんから、1回で会うのやめましたね」(裕子さん)

「僕は、明るい女性が好みなんですが、実際に会うと想像以上におしゃべりで、明る過ぎる方が来たこともありましたね(笑)。あと怖かったのが、遠い知り合いの女性が他人を装ってマッチングしてきたことがありました。どうやらどうしても僕に会いたかったみたいで…」(大地さん)

 ふたりとも1歩間違えれば大きなトラブルになりかねないケースだ。そんな状況を恋活・婚活マッチングアプリ『with』の運営会社に問い合わせると「プロフィール詐称はもちろん、本来の目的以外の出会いにサービスを使う利用者は許せません」と担当の望月さんは憤る。しかし、実際問題としてリアルよりもアプリ上の方が嘘をつきやすいのは事実だ。運営側はどのような対策をとっているのだろうか。

登録するアプリは比較サイトで厳選、自衛のためにSNSチェックは必須

「現在、多くのサービスで登録時には身分証明の提出がマストになっています。一方で、学歴などの自己紹介は本人の申告制で、どの運営側もそこまで詳細な事実は確かめようがないのが現状です。『with』では、個人の特定の防止、さらに表面的なスペックではなく内面でのマッチングに力を入れているため大学名記入の欄はありませんが、虚偽の情報を掲載することは利用規約の禁止事項として定めており、このような利用規約違反行為が発覚した場合は、是正対応または場合によっては利用停止処分をするといった対応を行っています。そのほかにもトラブル防止のため、24時間体制でのサポートも行っています」(with・望月さん)

 さらに、大手のマッチングアプリでは「各社ともにトラブル防止に全力をあげて取り組んでいるはず」と望月さん。今後のさらなる市場拡大のためにも、業界をあげてネガティブなイメージの払しょくが必要なのだと話す。

「かつて決して真面目とは言えない出会いを目的とした“出会い系サイト”が横行し、それを知っている40代以上には、マッチングアプリもその延長線上ととらえていて“いかがわしい”イメージがあるようです。現在ではそういったアプリはかなり減ってきていて、健全で安心なマッチングアプリが増えてきたことを伝えていきたいですね」(with・望月さん)

 大小さまざまなマッチングアプリが登場している今、「利用者もトラブル回避のための自衛、優良サービスを見極める目を持つのが大事」と話すのは裕子さん。

「学歴詐称の人に会ってから、やはりアプリ上の情報だけを鵜呑みにするのは不安だな、と思うようになって。それからは会う前にSNSを使って相手をいろいろリサーチしました。Facebookやtwitterなどから相手のことが意外とわかる場合もありますから」

 数あるマッチングアプリの中から口コミの評判や比較サイトを参考にしながら、登録するアプリを絞ったという。大地さんも登録アプリは会社の先輩からすすめられたものだった。そんなふたりがマッチングしたのは、登録時の入力事項が他社よりも圧倒的に多かったアプリだ。

「いろいろな質問項目があると入力は面倒かもしれませんが、婚活に真剣な人にとってその手間は大きな障害にはなりません。むしろ、手間がかかる登録があればいい加減な気持ちで入会しようとする人は減るでしょうし、そういう人がいたとしても登録情報が少ないためにマッチングしにくくなるので、恋愛や婚活の本気度の見極めはできそうです」(大地さん)

スピード婚ができたのは「内面や価値観を知っていたから」

 大地さんと裕子さんは、アプリ上でマッチングしてから2週間で会う約束をし、初デートから3ヵ月で同棲、半年後には結婚の話しになったという。超スピード婚が叶った背景には「アプリでの事前情報」と裕子さん。

 マッチングアプリの一般的な流れは、アプリ上で好みの異性を見つけ、マッチングが成立するとメッセージのやりとりが可能になり、その後、一定期間のやりとりを経て、対面デートとなる。

「私たちがマッチングしたアプリは性格や内面がわかるような設問、心理テストなどのサービスが充実していて、会う前からなんとなく価値観が似ているのが分かっていたんです。実際に会ったら話題はあうし、メールなどの連絡のタイミングとかもちょうどよくて、距離がぐっと縮まりました」(裕子さん)
 
 恋愛において、いざ付き合い始めたら価値観や性格の不一致でうまくいかなかったというケースはよくある話しだ。今回ふたりが利用したアプリでは、そういったミスマッチを防ぐ機能が整備されていた。それによって大きなトラブルなく、短期間の交際ながら結婚の意思が固まったという。

 学歴や職業、収入、容姿、性格…人によって相手に求めるものはさまざまだ。アプリのジャンルも友達探しのライトなものから、恋人探し、婚活系と幅広い。自身が相手に望むものを明確にし、各社アプリの特性を見極めて利用することが、良縁を引き寄せる近道なのかもしれない。

 それにしても大地さんは某有名大学卒のいわゆる3高、裕子さんは華やかな顔立ちと明るい雰囲気が魅力的な女性。ふたりとも客観的にみて「モテそう」だ。職場や友人関係など自然な出会いも多くあるように見えるが、金融系で営業職として働く裕子さんは「職場で探す気がまったくなかった。友人たちがどんどん結婚して、私もとにかく早く結婚相手を見つけたかった」とアプリ登録のきっかけを明かす。

 職場は男性比率の高い開発職という大地さんも「もともと職場では出会いがありませんでしたね。コロナ禍で食事会や飲み会もなくなって、出会いは激減って感じでした」と話す。
 
 他者との不要な集まりや接触を控えざるを得ないコロナ禍、恋愛・婚活市場においてマッチングアプリは有効な手段であることは間違いない。さらに言えば、地縁の紹介に頼っていたお見合い制度が、いつの間にかシステマテックな会員制の結婚相談所となったように、婚活をサポートするデジタルシステムがマッチングアプリだということもできるだろう。

 しかし、普段の生活で全く接点のない人々が何十万と集まるアプリ上でパートナーを探すという行為に危険性がゼロだとは言い難い。利用者側もその意識を十分に持ったうえで活用することが望ましい。今後、利用者の増加にあわせ、そのサービスの質と安全性においてサービスが淘汰され、より健全な業界になっていくはずだ。それによって、幅広い層への普及と理解がすすみ、出会い・婚活の最有力ツールとなるだろう。

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