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菅田将暉に松本まりか…相次ぐ俳優の“休業宣言” 俳優に依存し過ぎないことが令和の正しい在り方に?

コンプラ強化に暴露系の台頭…セルフブランディングこそが“予防措置”として機能

撮影:田中達晃(パッシュ)(C)oricon ME inc.

撮影:田中達晃(パッシュ)(C)oricon ME inc.

 だが昨今は芸能界でも働き方改革が起こっている。そもそも役柄に没入する、芝居をする役者業は、かなり精神を圧迫するものであり、その均衡を保てず悲劇の道を選んだ俳優も多い。肉体的・精神的ケアやマインドリセットが重要なのだ。「内田有紀さんも休養期がありましたが、そこで虚像であった今までの自身に気づき、復帰後は自分と向き合えたと語ってくれました。それが今のお芝居の評価につながっているのだと思います」(衣輪氏)
  • 女優だけでなく映画監督、モデルとして活躍する池田エライザ

    女優だけでなく映画監督、モデルとして活躍する池田エライザ

 また作品で語られることの多かった“俳優としての価値”が、SNSの普及や多角的な活躍により変化。本業とはまた別の軸でしっかりと価値を見出せるようになった。SNSで言えば、広瀬アリスや吉高由里子などが積極的に投稿。セルフブランディングで言えば、菅田将暉、池田エライザ、北村匠、星野源、松下洸平などはアーティスト、映画監督など俳優一筋ではない表現を魅せている。これには俳優以外での活躍に価値を築くことで、自分のペースで自分の価値を作ること、そして俳優に必要以上に依存せずにいられるというメリットがある。

 またSNSの普及によりプライベートを露呈する機会も増えたことにより、炎上問題など、自制が求められ自分で自分を追い詰めるパターンもある。昭和の時代には破天荒な“伝説”として語られてきたが、今のご時世、ストレス発散のために繁華街で乱痴気騒ぎを起こそうものなら、即座にネットに晒されてしまい、俳優生命を脅かしかねない。

 そういったストレス発散すらままならない俳優たちが長く活動するための予防措置として、俳優である自分を否定する(いったん立ち止まる)ことがより重要になってくる。菅田将暉もインタビューで「立ち止まったことで、周りの声が聞こえるようになり、よりエンタメに向き合えるきっかけとなった」と話しており、そうした意味では菅田は、例え旬の時期でも「未来のためには自ら立ち止まることは大切だ」ということを広く世に伝えた、エポックメイキングな存在と言えるだろう。
 売れっ子になればなるほど、役を演じる重責や肉体的・精神的疲労は大きくのしかかっていく。もはや、今は役者が役を演じることだけが美徳とされた時代ではない。「無理をしないこと」で、彼らが休養によって得たものが芝居や作品に深みを与えるはず。そして、彼らの動きが、芸能界の在り方に、さらにポジティブな変化をもたらすことは間違いないだろう。
(文/西島亨)

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