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神木隆之介、“他人視点の自分”と出会う「不思議な体験」 『撮休』シリーズインタビュー

 俳優の神木隆之介(28)が“架空の神木隆之介”を演じる『WOWOWオリジナルドラマ 神木隆之介の撮休』が、WOWOWプライムにて放送中・WOWOWオンデマンドにて配信中(各話放送終了後、アーカイブ配信<全8話>)。このドラマを見て、「同業者にニヤニヤしてもらいたい、そんな初めての感覚があります」と、笑みを浮かべる。

 神木といえば、1995年のデビュー以来、数々のドラマ・映画・CMなどに出演。映画『桐島、部活やめるってよ』、ドラマ「SPEC」シリーズをはじめ、2021年現在、歴代邦画興行収入ランキングの第2位『千と千尋の神隠し』、第3位『君の名は。』、第5位『ハウルの動く城』のいずれにも出演しているなど、数々の話題作で確かな演技力を発揮してきた。

 2021年は、ドラマ「コントが始まる」、映画『るろうに剣心 最終章The Final』、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、映画『100日間生きたワニ』、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』、舞台「パ・ラパパンパン」など、映画、ドラマ、アニメ、舞台と幅広いジャンルの作品で、目覚ましい活躍を見せた。

 2022年の活躍にも注目が集まる神木にとって、昨年後半に撮影した『神木隆之介の撮休』は、“他人視点の自分”と出会う「不思議な体験」だったという。そして、「ニヤニヤしてもらいたい」と「同業者」とは主に、菅田将暉(28)や仲野太賀(28)ら同年代の役者たち。「彼らに『○○に出ている神木、なんかいいじゃん』って言ってもらえるような役者になりたいんです」と話す。


ドラマの中の“神木隆之介”がうらやましい

――俳優の知られざる“オフの姿”をクリエイターたちが妄想を膨らませて描き、主人公となる俳優を本人が演じるパラレルストーリーのオムニバスドラマ「撮休」シリーズ。『有村架純の撮休』(2020年3月〜5月)、『竹内涼真の撮休』(2020月11月〜20年12月)に続く、第3弾にして、過去一の“リアリティ”を感じたのですが、ネタ出しみたいなことはされたんですか?

神木休みの日の過ごし方や好きなことやものの話はたくさんしました。しばらくしてあがってきた台本を読んだら、どれもすごく面白かったです。自分はこんなふうに思われているんだなというのがひしひしと伝わってきましたし、こういうイメージがあるからそれをひっくり返したいんだな、というのも透けて見えたりして(笑)。自分以外の人が抱いた僕のイメージが作品として表現されるなんて初めてのことなので、不思議な体験でした。

 フィクションなのかノンフィクションなのかわからないようにするというのは、意外と難しかったところではあったんですが、役作りみたいなことは一切していないんです。いつもの自分のまま撮っていったので、それがすごく良かったのかなって、完成したものを見て思いました。

 全8話ありますけど、全部思い出に残るような撮休で、こんなふうに過ごせたらいいですよね。このドラマの中の“神木隆之介”がうらやましい限りですよ。

――実際の撮休とは違うんですか?

神木違います。こんなに充実した撮休はないですね(笑)。悪天候とか、前日撮り切れなかったシーンを優先させたいとか、いろんな理由で撮休になったりしますけど、そんなに気を抜けないですからね。明日は休みでも、明後日は撮影があるわけですし。どこか出かけて、帰ってこられなくて、翌日の撮影に穴をあけるわけにはいかないから、ちょっとゆっくりできるね、くらいの感覚。映画やドラマがクランクアップして、お休みをいただくのとは全然違います。第8話「遠くにいる友人」ではだいぶ遠出していますけど、「ちゃんと帰ってこられるかな?」って思ってしまいました(笑)。

――池田鉄洋さんが演じるマネージャーの祝崎から「明日撮休になった」と伝えられる各話オープニングシーンの掛け合いも見どころですね。

神木オープニングシーンは台本がなかったんです。例えば、撮休になって「彼女とデートに行ける」と実は喜んでいる祝崎とか、土下座する祝崎とか、テーマを決めて、あとはエチュードでした。

カメラで撮ったらどんな映像になるか想像してしまう癖

――共演経験もあり親交の深いお二人だからできる息の合ったお芝居だったと思いますが、一方で今回、初共演がかなった人もいる。それが安達祐実さん!

神木ドラマ『集団左遷!!」(19年)の撮影中、スタジオで1回だけすれ違ったことがあったんです。その時、とりあえず「お疲れ様です」とあいさつして、安達さんは会釈を返してくれたんですが、楽屋からスタジオに向かうところでたぶんスイッチが入ったタイミングだったと思うんです。ものすごい気迫を感じて、「うぁ、安達祐実だ! 気迫すげー」って心の中で思っていました(笑)。だから、今回もあの気迫で安達さんは現場に入ってくるんだろうな、と思ってすごく緊張していました。でも、すごく優しい方でした。撮影直後のコメント撮りで、ご本人を前にして、『うゎ、すげぇ、安達祐実がいる!って思ってました』と言ったら笑ってくれて、『別にそんなんじゃないから』って謙遜されていました。
――安達さんがゲスト出演する第1話「はい、カット!」は、何をしていてもなぜかカットがかかり、撮影スタッフが現れ、撤収していく幻を見るという、“子役出身”ならあるのかも…?と思わせる架空の“シンドローム”を題材にしていますが、実際はどうなんですか?

神木ありそうですよね(笑)。ネーミングがうまい! 僕は、街中で信号待ちをしている時や電車に乗っている時に、今、横からカメラで撮ったらどんな映像になるかなぁというのをイメージしてしまう癖があるんですが、それを極端に描くと、「はい、カット!」シンドロームみたいなことになるのかもしれないですね。

――第8話「遠くにいる友人」も子役からキャリアがある神木さんらしいエピソード。何年も会っていない子役時代をともに過ごした役者仲間でもある友人の役を仲野太賀さんが演じています。どんなに仲が良かった友達でも、一生同じ道を歩んでいくわけではない、という誰にでも当てはまる部分もあり、俳優という職業ならではの苦悩も描かれていて、とても見応えがありました。

神木第8話の神木と吉田(仲野)は、お互いに嫉妬し合ってるし、尊敬し合っている関係性で、それを太賀くんと演じられたことですごくいい雰囲気の作品になったと思いますし、撮影しててすごく楽しかったです。僕も本当に太賀くんのことを尊敬しているし、ドラマ『コントが始まる』で共演した時に、嫉妬しちゃうくらい「すごいな」って思ったので。この『撮休』は、『コント〜』の直後の撮影だったので、自分に重ねてしまうところがありました。
――神木さんが嫉妬することもあるんですか?

神木ありますよ! なんか、うらやましいです。太賀くんも、菅田(将暉)くんも。同年代には怪物ばかりそろっているんですよ。うまく言葉にできないけど、とにかく「すごいな」「ズルいな」と思わせるものをみんな持ってる。

――その感情がご自身のモチベーションにつながっているですか?

神木そうですね。僕も頑張ろうって思いますね。彼らの挑戦している姿を見ると、自分ももっとぶっかましたいな、と思うようになりました。いままで堅実すぎたのかな、って。ドラマ『コントが始まる』で共演した菅田くんや太賀くんからは大いに刺激を受けました。彼らといろいろ挑戦して、失敗したとしても「面白かった」「ナイスチャレンジだった」と称え合い、うまくいくと「すごく良かった」と喜び合い、それがすごく楽しかった。挑戦しなければ、失敗はしないのかもしれないけど、何もしなければ、何のリアクションもない。それより、失敗してもいいから、果敢に挑戦して、彼らからリアクションがあった方がうれしいなぁと思うんです。
――同年代の俳優の演技を心から楽しみ、互いに称え合えるっていいですね。最後に2022年はどんな年にしたいですか?

神木基本は今まで通り。皆さんに楽しんでいただける良い作品を作るために、自分の役割をしっかり果たしていくのが第一。一方で、菅田くんや太賀くんを驚かせるくらいの芝居ができたらいいですね。同年代の役者たちがニヤニヤしながら「なんか、いいじゃん」って言ってもらえるような役者になりたいです。そんな初めての感覚があります。

――『神木隆之介の撮休』はニヤニヤしてもらえそうですか?

神木どうだろうな(笑)。でも、面白いことをやれたな、って自分では思っているので、ニヤニヤしてくれたらいいですね。

『WOWOW オリジナルドラマ 神木隆之介の撮休』

WOWOWプライムにて1月7日スタート、毎週金曜 午後11:00(※第1話無料放送)
各話放送終了後、WOWOWオンデマンドにてアーカイブ配信
監督:瀬々敬久、森ガキ侑大、三宅唱、天野千尋、枝優花
脚本:狗飼恭子、高田亮、篠原誠、ふじきみつ彦、竹村武司、玉田真也・天野千尋、山崎佐保子(※崎はたつさき)、山田由梨
出演:神木隆之介
安達祐実/成海璃子、藤原季節/MEGUMI、矢本悠馬/長澤樹/木竜麻生/松重豊、大塚明夫、田中要次/萩原みのり、井之脇海、北村有起哉/仲野太賀、坂井真紀/池田鉄洋
(C) WOWOW
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