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松下洸平が“格闘技沼”にガチハマり 生き方にしびれ、泣いた「ベストバウト」3選

この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
⇒この記事をオリジナルページで読む(12月23日掲載)

松下洸平

NHK連続テレビ小説『スカーレット』で十代田八郎役を好演し、「八郎沼」なる言葉が生まれるほど視聴者をハマらせた松下洸平さん。その後もドラマ『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』では「あおちゃん沼」、さらには12月17日に最終回を迎えた『最愛』でも「大ちゃん沼」と称され、演じるキャラクターに感情移入させる表現力の豊かさが大きな話題となっています。そんな松下さんがご自身で“ガチハマり”しているのが、意外にも格闘技だそう。「暇さえあれば、いろいろなジャンルの過去の試合の映像を見ている」という松下さんに、ベストバウト3選と格闘技の魅力を伺いました。

撮影:田中達晃(Pash) 取材・文:磯部正和

格闘技に魂を捧げるメンタルに興味がわいた

――歌にダンス、絵画に俳優業と芸術的なイメージが強い松下さんですが、格闘技にハマっているとお聞きしました。どんなきっかけだったんでしょうか?
3〜4年前にネットで動画を見ていたとき、たまたま関連リンクでボクシングの試合の動画が出てきたんです。そのときは何気なく見ただけで「こんな世界もあるんだな」くらいの印象でした。一方で、試合の内容というより「この人たちってどういう思いで闘っているんだろう」という部分に興味があって、そこから少しずつ格闘技の動画や映像を見るようになったんです。そうしたらいつの間にか夢中になっていて(笑)。

――お好きな格闘技のジャンルはありますか?
特に“これ”というジャンルはなく、ボクシングから総合格闘技まで幅広く見るようになりました。僕はいったんハマると結構グッとのめり込んでしまうので、いまは暇さえあれば、いろいろなジャンルの過去の試合の映像を見ています。

松下洸平の心を動かした「ベストバウト」3選

【1】衝撃を受け、生き方に魅了された…山本“KID”徳郁VS宮田和幸
総合格闘技「HERO'S2006」ミドル級世界最強王者決定トーナメント開幕戦

――では、そんな松下さんに、過去の試合を含めて、心を動かされたバトルを3つ挙げていただきたいと思います。まず、どの試合を選びますか?
難しいな……たくさんありますからね。でも一番衝撃を受けたと言えば、2006年5月3日に国立代々木第一体育館で行われた「HERO’S2006 〜ミドル級世界最強王者決定トーナメント開幕戦〜」の山本”KID”徳郁選手VS宮田和幸選手の試合ですかね。1R開始4秒でKID選手が宮田選手の顔に膝を入れてKOしたんです。それを見たとき、率直に「怖い世界だな」って思うと同時に「この世界で闘う人たちのメンタルというのはどういうものなんだろう」と強く惹かれました。

僕自身、幼少期から「誰かを倒すんだ」とか「絶対誰かに負けたくない」という闘争心みたいなものがまったくなかったので、選手たちはなんでここまでして自分の肉体を酷使して闘うんだろうということに興味がわき、その生き方に魅了されていきました。この映像を見てからKIDさんが大好きになり、僕のなかで、とても大切な撮影や、ライブなど「成功させたい」と思うときには、この試合を見るようにしています。
――お守りのような試合なんですね。では、2つ目をお願いします。

【2】スケールの大きさにドキドキ…メイウェザーVSパッキャオ
ボクシング 世界ウェルター級王座統一戦12回戦 2015年5月2日@米ラスベガス

2015年にアメリカのラスベガスで行われたボクシングのフロイド・メイウェザー選手VSマニー・パッキャオ選手の試合ですかね。パッキャオ選手ってフィリピンの英雄で、国内で暴動や内乱が起きていても、彼の試合があると、敵味方関係なく、争いをやめて試合を見るというぐらい国民的なヒーローなんですよね。

一方のメイウェザー選手も世界のスポーツ選手のなかで、最も稼ぐと言われているほどの人物。二人とも背負っているものが想像できないぐらい大きくて……。そんなスケールの大きな二人が、拳一つで戦うと考えるだけでもドキドキしました。この試合も、自分のモチベーションを上げたいとき、移動中とかにこっそり見ています。
――どちらも自身の気持ちを高めるためには欠かせない試合なんですね。最後の一つをお願いします。

【3】感情移入して泣いた…木村“フィリップ”ミノルVS和島大海
「K-1 WORLD GP 2021 JAPAN」スーパーウェルター級タイトルマッチ

先日行われた「K-1 WORLD GP 2021 JAPAN」でのスーパーウェルター級のタイトルマッチ。木村“フィリップ”ミノル選手VS和島大海選手の試合です。この試合は見ていて泣いてしまいました。
――どこにグッと来たのですか?
木村選手は今回がK-1のラストマッチでした。両選手ともずっと試合を見てきた人で、そんな二人の戦いというだけで痺れましたし、今回は過去2戦とも勝利していた木村選手が敗れてしまったのですが、最後の最後にダウンをとられて、10カウントの中で立つことができなかったんです。そのときの木村選手の思いみたいなものに感情移入して、勝手に一人で泣いてしまいました。

格闘技は「自分を鼓舞し、刺激を与えてくれる」

――かなり熱い思いを吐露していただきましたが、松下さんが思うにとって格闘技の魅力はどんなところですか?
自分を鼓舞してくれたり、刺激を与えてくれるところですかね。先ほども話しましたが、自分には闘争心というものが本当にないので、格闘家の方々がどんな気持ちで勝負に挑むのかという気持ちにすごく興味があるんです。いつか現役の選手の方々に、メンタル面のお話とかを直接聞く機会があればなと思っています。実生活でも活かせるようなトレーニングなんかも聞いてみたいんです。

――勝負へのメンタルといえば、松下さんにとって負けられない闘いに挑む前に、ゲン担ぎのようなルーティンで行っていることはありますか?
“ここ一番”のときは、先ほど話した試合の動画を見たりして、モチベーションを上げることはしていました。でもなんか難しいところで、あまり気負いすぎると空回りしてしまうことも多くて。だから基本的にはいつもと変わらない日常を送ろうとは意識しています。いかに自然体で現場に臨めるかが大切だなと思っています。
――格闘技をご自身でやってみようという思いはないのですか?
それは1ミリもないですね(笑)。拳で誰かを負かしてやろう……みたいな根性は僕にはまったくないんです。だからこそ、格闘家のそういう姿に刺激をもらって、自分の背中を押してもらっている感じです。もし自分でやろうと思うような人間だったら、逆に僕はここまで格闘技にハマっていないと思います。

岡田准一さんは格闘家みたい 倒されて泣きそうでした(笑)

――でも、俳優として格闘家の役などに巡り合うかもしれませんよね?
僕に格闘家の役とか来るかな(笑)。『燃えよ剣』(2021年10月公開)という映画で、岡田准一さんとご一緒したのですが、岡田さんって僕的には、格闘技の師範というか、格闘家みたいな存在だったんです。

一度現場で、格闘技の技を殺陣に交えて教えていただいたことがあったのですが、対峙した瞬間、“グルン”と回されて地べたに倒されたんです。すごく優しく教えていただいたのですが、それだけで「怖い」と思って泣きそうでしたからね(笑)。やっぱり僕は見る専門ですかね。

――芸能界にも格闘技ファンはたくさんいますが、交流などはありますか?
撮影の現場では、総合格闘技やK-1の話題がよく出るので、話すことは多いですね。千鳥のノブさんも格闘技がお好きなので、「ゴチになります」(日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』の人気コーナー)の現場などではいろいろ話したりします。

「ゴチ」でのショット(左から)ノブさん、松下さん、中条あやみさん

――格闘技への熱い思いをお話いただきましたが、松下さんにとって格闘技とは?
自分を高めるために必要不可欠な存在ですかね。仕事やプライベートでも、“男らしさ”みたいなものが必要なときってあると思うのですが、そんなとき、格闘技がくれるパワーが自分にはあまりない、そういう部分を補ってくれていると思います。

ミニアルバム『あなた』に「伝えたいものを詰め込んだ」

――拡散させるエネルギーの格闘技を好む半面、ご自身は芸術への嗜好が強いようにお見受けします。アーティスト活動として、12月22日には、ミニアルバム『あなた』がリリースされますが、どんな思いを込めた作品なのでしょうか?
自分にとっては初めてのミニアルバムで、いまの自分が伝えたいもの、表現したいものを詰め込んだ作品になっています。もともと音楽でデビューした後、俳優業に進んで、約10年間、お芝居に徹してきました。その間も、コツコツと作詞作曲は続けてきたのですが、それがCDという形になってお届けできるというのは、すごくありがたい思いでいっぱいです。

せっかくこういう機会をいただけたので、自分自身の思いはもちろん、ご一緒させていただいたプロデューサーさんやミュージシャンの方々にアイデアをいただきながら、自分一人ではたどり着けなかった音楽性持った作品になっていると思います。
――これまでも音楽活動をされていますが、今回のミニアルバムで新たにチャレンジしたことは?
もともと僕の音楽のルーツはR&Bなのですが、そこを掘り下げるというよりは、ボーダレスな作品にしたいという意識は強かったです。あまりコアな部分に寄ってしまうと、自分が伝えたい声や言葉が、届きづらいのかなと思ったんです。自分の持っている音楽のスタイルを維持しつつ、プロデューサーの松尾潔さんのお力添えをいただいて普遍性を持った楽曲になったのではないかと思っています。

俳優と音楽活動の同時進行で得られるものも2倍に

――タイトル曲『あなた』のミュージックビデオでは、ピアノの弾き語りもされています。
松尾さんとは、来年1月8日から開催されるライブツアーでもできたらいいねと話していたんです。あまり上手くはないのですが、自分にとってピアノは曲を作る際にも使っている楽器だったので、今回チャレンジしてみました。
――『FLY&FLOW』『旅路』では作詞作曲も手掛けていらっしゃいますが、俳優業で多忙のなか、音楽の創作活動はどのように行っているのでしょうか?
作詞に関しては「よし書くぞ」と思って机上でノートを広げても、なかなか出てこないんですよね。むしろ日々の忙しい毎日のなかで、ふと感じたことや思ったことをケータイのメモに残したりしています。そうした断片的な言葉をパズルのように組み合わせていくことで、書き上げるという感じが多いです。自分で表現する以上、自分が満足しなければ先には進めないので、そこにはこだわっています。

よく俳優業をやっていて「忙しくて大変じゃない?」と言われるのですが、確かに物理的な大変さはありますが、逆に俳優をしていなければ巡り合えない人との出会いもたくさんあります。そういう方々からもらえる刺激というのは、ものすごく大きく、僕的には同時進行でやらせてもらえていることで、得られるものが2倍になっています。とても大きなメリットだと思います。

――作曲はピアノで行っているのですか?
イチから全部自分でやるときは、鍵盤で構成しています。今回のアルバムに関しては、いつも一緒にやっているカンノケンタロウくんというギタリストがいるのですが、彼と一緒に作りました。基本的なメロディーは彼に作ってもらって、そこに僕が歌詞を乗せて、曲に仕上げているという感じです。

音楽を通して「松下洸平という人間にも興味を持ってもらえたら」

――俳優としても大活躍されていますが、音楽活動というのはどんな位置づけなのでしょうか?
ドラマや映画、バラエティーで自分を知ってくださった人にとって、僕が歌う姿やステージでパフォーマンスしている姿というのは、新鮮な感じがすると思います。でも僕は、自分が演じる役柄を愛していただくことにプラスして、僕自身にもそれと同じぐらい魅力がないとダメだと思っているんです。

自分を分かってもらうために何をすることがいいのか――そう考えると自分には音楽しかないんです。役をいただき、ときにはその役が僕自身を大きくしてくれることもありますが、自分が大切にしている思いを誰かに共有したいという欲求は、音楽でしか伝えられないのかなと。

僕にとって音楽は人生の中で、切っても切り離せない存在なんです。何か心に思ったことを日記に書いて残す人、写真に撮って残す人、絵に残す人……いろいろな方法があると思いますが、その手段が僕は音楽なんです。だからこそ、残しておきたいと思う気持ちが枯れない限り、ずっと続けていきたいと思っています。

芝居から僕に入ってくれた方、その逆で音楽から僕を見てくれている方……どちらも大切にして、作品の中で生きる役柄にプラスして、音楽を通して松下洸平という人間にも興味を持ってくださる方が増えてくれたら、とてもうれしいなと思っています。

2分で雑に振り返る「松下洸平」ヒストリー by 赤ペン瀧川

プロフィール
松下洸平(まつした・こうへい)
1987年3月6日生まれ、東京都出身。2008年に『STAND UP!』(洸平名義)でCDデビュー。2009年にミュージカル『GLORY DAYS』で舞台デビュー以降は俳優として舞台や映像で活躍し、2019年、NHK連続ドラマ小説『スカーレット』でヒロインの夫・八郎役で人気を博した。最近の主な出演作は、連続ドラマ『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』『MIU404』(ともに2020年)、映画『燃えよ剣』、連続ドラマ『知ってるワイフ』『最愛』(いずれも2021年)。バラエティー番組『ぐるぐるナインティナイン』のコーナー「ゴチになります!」にレギュラー出演中。BS‐TBS『美しい日本に出会う旅』の旅の案内人(ナレーション)。音楽劇『夜来香ラプソディ』2022年3月Bunkamuraシアターコクーン(東京)、4月上旬〜中旬には名古屋、大阪、長岡で上演予定。

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作品情報

ミニアルバム『あなた』(2021年12月22日発売)収録曲

01. あなた
02. FLY&FLOW
03. One
04. 彼方
05. 旅路
06. あなた(Instrumental)
07. FLY&FLOW(Instrumental)
08. One(Instrumental)
09. 彼方(Instrumental)
10. 旅路(Instrumental)

配信情報
音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサイトで配信中!
https://jvcmusic.lnk.to/Anata
この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
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