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阿部寛と「日曜劇場」の“相思相愛”関係 互いに高め合うパートナー的存在に

 1987年に映画『はいからさんが通る』で俳優デビューし、来年35周年を迎える阿部寛。今年、春クールのTBS系日曜劇場『ドラゴン桜』に主演したが、来年1月放送予定の同枠『DCU』への主演も決定している。日曜劇場の主演作は『新参者』から数えて次回で5回目。そのどれもが話題を呼んだことから、2010年代の日曜劇場の“顔”とも呼べる存在になった。まさに“阿部寛様々”だが、実は互いのキャリアにとって、双方が「なくてはならない存在」でもあったはずだ。

モデルでブレイクも俳優転身で失敗… 今では個性の高身長も当時はデメリットに

 阿部寛は1985年、「集英社第3回ノンノボーイフレンド大賞」に応募し優勝。以降、雑誌『ノンノ』『メンズノンノ』のカリスマモデルとして活躍した。当時は『笑っていいとも!!』(フジテレビ系)の「いい男さんいらっしゃい」というコーナーにも出演。“アベちゃん”と親しまれ、その掘りの深い顔立ちからソース顔の代表格ともいわれた。

 俳優デビューは1987年の南野陽子主演映画『はいからさんが通る』。だがモデル上がりという肩書とその超二枚目な顔立ちから“少女漫画的王子様”の役柄しかオファーされず、そうではない役柄で臨んだ大人気コミックの実写化SF映画『孔雀王 アシュラ伝説』では、「美形すぎて(演じる)孔雀のイメージではない」「背が高すぎてユン・ピョウとの絡みで違和感が半端ない」など原作ファンからさんざん叩かれるなど辛酸をなめた。

 この189cmという高身長は他作品でもデメリットとなることもあったようで、今年4月に放送された『バナナサンド』(TBS系)では、「主役がそれほど身長高くない時、当時は僕のほうが高いと嫌がる人とかいた」と明かしている。

 二枚目すぎるルックスの使い道に困った制作側もオファーを減らしていき、徐々にテレビから姿を消していく。だがその間、阿部は古武術を習うなど肉体改造を行い、極道の世界を描いた『大阪極道戦争 しのいだれ』や、バイオレンスアクション『凶銃ルガーP08』(どちらも1994年)などに出演。単なる“女の子ウケする”二枚目からの脱却を図っていた。

 そして2000年、当たり役に出会う。仲間由紀恵と共演した『TRICK』(テレビ朝日系)の上田次郎役だ。その後も『HERO』(2001)、『結婚できない男』(2006)など続々とヒット作に出演。徹底した3枚目を演じ続け、視聴者人気も右肩上がりとなった。

「阿部寛さんを語る上で欠かせないのが、つかこうへいさん」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「1993年、つかさん作・演出の舞台『熱海殺人事件 モンテカルロ・イルージョン』でバイセクシャルの刑事役を演じたのです。徹底的にしごかれたのでしょう。その後のお芝居は眼を見張るほどの激変ぶりでした。翌年公開の映画『しのいだれ』で役所広司さんと共演したのも大きい。実力派との共演で確実に力をつけていき、2000年公開の映画『発狂する唇』では謎のエージェント役を演じた。非常にエキセントリックな変人役であり、同年放送のドラマ『TRICK』上田次郎役の原点に見えます」(同氏)

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